終活コラム "生前葬とは費用や開催の流れ注意点について"

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生前葬とは?服装、モラル

生前葬とは費用や開催の流れ注意点について01

生前葬という言葉を聞いたことがありますか?

近年、著名人が行ったり、メディアに取り上げられたりして、終活の一つのカタチとして捉えられるようになっています。

さて、生前葬とはどんなものでしょうか?行う意味や心構え、服装などのマナーについてご紹介します。

生前葬とは?

生前葬とは、本来亡くなってから行われるお葬式を、本人の存命中に自ら主催者となって行うものです。親族や友人など、これまでお世話になった方を招待して、お別れのセレモニーや食事会を行います。決まった形式はなく、宗教色のない自由なスタイルで行うことが多いですが、僧侶を招くなどして宗教的な儀式として営むこともあります。


偲ぶ会の企画・運営している「Story」に取材をさせて頂きました。

 

  • 生前葬を行うタイミング

病気を患って余命宣告を受けるなど、人生の終焉を見据えて行う場合と、退職や、古希、傘寿など、人生の節目として催す場合があります。

  • 生前葬の意義

生前葬を行う最大の意義は、今までお世話になった方に感謝の思いを伝えることです。お葬式に参列してもらっても当の本人には分かりませんが、生前葬ならば、直に会って御礼を言うことができます。

また、生前葬には、社会的な関係に区切りをつける意味や、新しい人生をスタートさせるための長寿儀礼的な意味を含むこともあります。最近では、残される家族の負担を考えて、実際の葬儀を簡単に済ませられるよう、生前葬を行う人も増えています。

  • 生前葬の服装

お葬式といえば、ブラックフォーマルが基本ですが、生前葬では、平服を着用することが多いです。平服とは、略礼装かそれに準ずる服装のことで、男性は、落ち着いた色のスーツやジャケット、女性は、スーツやワンピースとなります。

ただし、生前葬の場合は、開催場所や主催者の意向に応じて、ふさわしい装いをすることが大事です。例えば、ホテルでの会食であれば、セミフォーマルな装いで、気楽な雰囲気でという主催者の意向があれば、カジュアルな装いで、参列するのがよいでしょう。

服装に迷った場合は、直接、主催者に確認するのが安心です。また、主催者側としても、案内状を出す際に、服装に関する詳しい説明を書き添えるようにしましょう。

  • 生前葬を行う上でのモラル心構え

生前葬という名目で行う限り、これまでの人生を振り返り、お世話になった方へ感謝を伝えることを中心に据えましょう。生前葬は、決まりがなく自由に行えることから、趣向をこらし、賑やかに催されることもありますが、奇をてらった演出や派手な余興は控えましょう。

また、ただの飲み会にならないよう、テーマ性を持ち、会の目的を共有できるよう趣旨説明をすることも大切です。

生前葬の費用(香典や一般相場など)

・生前葬にかかる費用

生前葬の多くは、ホテルなどでセレモニーと食事会を合わせたスタイルで行われます。費用の内訳としては、会場費、飲食費、案内状や記念品にかかる費用などで、業者に依頼する場合は運営費や人件費が必要になります。また、会場に写真パネルを飾ったり、生花装飾を施したり、自分史をまとめた冊子を配ったりする場合は、その費用がかかります。

費用の総額は、招待する人数や準備物によって異なりますが、一人1~2万円程度の会費制にして、その中で納まるように手配するのが通常です。

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・生前葬の香典

生前葬は会費制で行うことが多く、会費を支払う場合、香典は不要とされます。会費制でない場合は、香典を包むべきか否か意見の分かれるところです。

実際に亡くなっていないので香典は不要ととるか、葬儀と捉えて香典を包むか、逆に香典を包むことが失礼に当たるのではないか、など、参列者を悩ませることとなります。

生前葬を主催する場合は、大切なお客様が困らないように、会費はいくらか、香典は受けるか受けないか、案内状を出す際に明記しておく必要があります。

生前葬には、前例が少なく、これが正しいマナーであるという規範もないため、主催者側でルールを決めて、前もってお知らせしておくことが重要です。

生前葬の流れ

生前葬の形式

生前葬には決まった形式がなく、主催者である本人の希望を反映し、自由に行うことができます。そのスタイルは、カラオケ大会のようなくだけたものから、宗教者を招いて行う厳粛なものまで様々ですが、中でも、ホテルなどで無宗教形式のセレモニーと会食を行うのが主流といえます。

生前葬の流れ

生前葬の式次第例(無宗教形式)

  • 開式
  • 主催者(本人)挨拶(趣旨説明)
  • 人生を振り返るスライドショーやDVDの上演
  • 友人からのスピーチ
  • 思い出の曲などの演奏

(食事会へ)

  • 乾杯の挨拶
  • 歓談・余興など

(友人による楽器の演奏、お孫さんからのメッセージ、カラオケなど)

  • 主催者(本人)挨拶
  • 閉式
  • 参列者のお見送り

式の始まりには、主催者である本人から挨拶をしましょう。その際に、開催に至った経緯や趣旨の説明があると、参列者も安心して会に参加することができます。

式典の内容としては、人生を振り返るスライドショーや友人からのスピーチが定番です。友人に、スピーチや余興をしてもらう場合は、前もって依頼しておきましょう。

生前葬で最も大切なことは、お世話になった方へ感謝の意を表することです。食事と合わせて歓談の時間をもうけ、一人一人と言葉を交わせるようにしましょう。会の終わりには、本人から挨拶し参列者を見送ります。

見送りの際に、記念品やお礼状をお渡ししてもよいでしょう。


偲ぶ会の企画・運営している「Story」に取材をさせて頂きました。

注意するべき点 (開催側と参列側)

「開催側の注意点」

  • 招待者への詳しい説明や案内

生前葬はまだ一般的な葬送スタイルとはいえず、招待された側は、どう受け取ればよいか困惑する場合もあります。まずは、案内状などで、生前葬を行うことになった経緯や思いを伝えましょう。また、どんな服装で参列すればよいか、会費はいくらか、香典は受けるか受けないか、など、大事なお客様を困らせないよう詳しくお知らせすることが大事です。

  • 家族の理解を得る

生前葬を行う際は、家族の理解を得ることも重要です。生前葬に抵抗を覚える人もいますので、なぜ行いたいのか自分の思いを伝えましょう。家族に納得してもらい準備に協力してもらえると、大変助かります。特に、家族に出席してもらう場合は、家族も本人と同じホスト側となりますので、十分理解してもらう必要があります。

  • 生前葬で終わりではない

生前葬をしたら、もうお葬式をあげないでいいかというと、そうではありません。遺族の意向や状況により、親族中心のお葬式を行う場合も、従来通りのお葬式をあげる場合もあります。少なくとも火葬はしなければなりませんので、生前葬で終わりではないことを踏まえておきましょう。

「参列側の注意点」

  • 会にふさわしい服装を

生前葬は、通常のお葬式と違い、服装にも決まりはありません。案内状に記載されたドレスコードを必ず確認しましょう。服装は「平服で」と案内されることが多いですが、平服は普段着のことではありません。男性はスーツかジャケット、女性はスーツかワンピースをベースに、会場の場所や主催者の意向にふさわしい服装をしましょう。

  • お香典を包むべきか、包むならどうすればよいか

生前葬は会費制であることが多く、会費制の場合、お香典は不要とされています。会費制でなくお香典を受け取る場合は、会場や食事の有無から考えて、会費に相当する額を包みましょう。お香典を包む際、不祝儀袋を用いるのは気が引けますので、白無地の封筒が無難です。封筒の表書きは、無宗教葬でも用いられる「御花料」または「御香典」とするのがよいでしょう。

  • 主催者の意向をくみ、配慮ある応対を

主催者は、生きている間に会っておきたいと招いてくれたのですから、参列者は、様子をみて主催者に挨拶にいくのが礼儀です。また、主催者は、人生の終わりを前にデリケートな状態にあるかもしれません。

病状や余命を聞くのは控えましょう。参列客全員と言葉を交わせるよう、長話もNGです。そのほか、明るい雰囲気がいい、気楽におしゃべりしたい、など主催者の意向に合わせた態度を心がけましょう。

生前葬の後に死んだら、死後(供養の方法 どんなかたちがあるのかなど。)

「生前葬の後のお葬式のカタチ」

生前葬は、生きている間に自分の葬儀を行ってしまうものですが、生前葬をあげたから、それで終わりということではありません。最低限、火葬は行わなくてはいけませんし、仏式など宗教に則って行う場合は、通夜、葬儀と従来の流れでお葬式を営むことになります。また、本人の遺志や遺族の気持ち、生前葬の趣旨、行ってからの年月などによっても、生前葬後のお葬式をどうするのかが変わってきます。では、実際にどんな選択肢があるのか見ていきたいと思います。

・従来通りのお葬式

生前葬を行ったが人生の節目を祝う記念であった、生前葬を行ってから年月が経っている、遺族としてお葬式をきちんとあげたい、といった場合には、生前葬に参加してくれた方にも訃報を知らせ、従来通りのお葬式を行うことが多いです。

・親族や近しい人たちで家族葬

生前葬で友人知人との告別を済ませたとはいえ、親族ではちゃんと送ってあげたい、宗教に則った形でお葬式をあげたいという場合には、親族やごく近しい人たちで集まって家族葬を行うことが多いです。

・家族だけで直葬(火葬のみ)

生前葬で親族や友人知人とお別れできており、行ってからあまり年月が経っていない場合で、かつ、宗教的な儀式を行わない時には、家族だけでの直葬が選択されることもあります。また、本人の強い希望があった場合なども、その遺志を尊重して直葬が選ばれます。


偲ぶ会の企画・運営している「Story」に取材をさせて頂きました。

 

「生前葬とお葬式の役割の違い」

生前葬は本人のために行うものですが、お葬式は本人と遺族のために行うものです。また、生前葬には、本人の人生の総括とお世話になった方との告別という役割がありますが、お葬式には、それに加えて、この世からあの世へ送る宗教的な意味合いや、遺族の悲嘆を和らげる役割もあります。このように、お葬式には、生前葬では補えない重要な意味があることを踏まえて、生前葬後のお葬式について考えましょう。

・生前葬+直葬を選択した場合の注意

生前葬は、無宗教形式がほとんどですので、生前葬を経て火葬だけを行った場合、宗教儀礼を欠如してしまう結果になります。宗教儀礼を行わなかった場合、後でこれで良かったのか不安になったり、節目の法事をどうすればよいか困ったりすることもあります。

また、お付き合いのある宗教者がいる場合は、今後の付き合いに影響する恐れもあります。特に、お墓が菩提寺にある場合は、納骨できなくなることもありますので、十分注意が必要です。

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