お墓選びのポイントと基礎知識

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お墓選びを始める前に

お墓選びのポイントと基礎知識01

人生でなかなか出会うことのないお墓購入の機会。検討を始めるといっても何から手を付けて良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。

今回は、お墓選びを始める前にまず知っておきたい基礎的な知識を「墓地や霊園の運営者」「お墓のスタイル」「費用」の面で整理し、検討すべき項目と併せてご紹介したいと思います。

墓地や霊園の運営者による違い

墓地や霊園は、運営をしている母体によって、大きく「寺院墓地」「民営霊園」「公営霊園」の3つに分けられます。

寺院墓地

寺院の境内や管理地内にある墓地であり、宗教、宗派による制限があります。これまでの宗教、宗派を問われることはほとんどありませんが、お墓を持ってからはその寺院の教えに従ってゆくことを求められ、お墓を建てた後も葬祭供養一切を任せる代わりに布施を納めて経済的な支援をするなど、継続的にその寺院との付き合いが続いていくことが一般的です。

民営霊園

民間の団体が経営している霊園です。ペットの遺骨も一緒に埋葬できるものや、園内を循環バスが巡るほどの広さがあるもの、著名な庭園デザイナーが設計した庭園様式のものなど、個性が際立つものも数多くみられます。また、礼拝室や会食室といった設備面が整っていたり、最寄りの駅からの送迎を行っていたりなど、サービスが充実している施設が多い点も特色のひとつです。なかには寺院墓地の一角にスペースを区切り、宗教、宗派不問の霊園として提供されているところもあります。

公営霊園

都道府県や市町村などの自治体が運営している霊園です。基本的にはその自治体に住む人のために提供されています。民営霊園に比べると費用が安いことから利用希望者が多いため、抽選によって選別されることがほとんどです。

お墓のスタイルによる違い

お墓のスタイルは、遺骨の納められ方によって、「一般墓」「納骨堂」「集合墓」「合祀墓」などの様式に分けることができます。

一般墓

これまで日本各地で広くみられてきたスタイルで、分け与えられた土地に一軒家を建てるイメージで墓石を建て、遺骨を埋葬するお墓です。家単位で代々継承されることを想定しており、供養は家族や近親者が行うのが一般的です。

最近では、縦長の棹石を上段に配した伝統的な和型のお墓のほか、高さを抑えた横長の墓石による洋型のお墓も多く選ばれるようになりました。

霊園内ではお墓のスタイルごとに墓域が分かれていることが多く、芝生の上にお墓を建てる芝生墓地、隣接するお墓との境などに花壇を備えた花壇墓地、お墓同士が密接しないよう周囲にスペースを設けたゆとり墓地、土台を一段高くして屈まずにお参りができるようになっているテラス墓地など、さまざまなものがあります。

基本的には屋外に建てられているものがほとんどですが、なかにはビルなどの雨風を凌げる屋内で一般墓地の墓域を提供している霊園も存在します。

メリットとしては、墓石の種類が選べたり、ある程度好きなデザインにできたりするなど、自由度が高い点が挙げられます。

納骨堂

遺骨の入った骨壺を安置しておく建物を一般的に納骨堂と呼んでいます。「ロッカー型」「仏壇型」「自動搬送型」などに大別できます。

「ロッカー型」は、文字どおりロッカーのような棚に遺骨を納める様式で、納める遺骨の数によって個人型、夫婦型、家族型などに区分されています。扉の有無や位牌も納められるかどうかなど、施設やプランによって違いがみられます。お参りの際は、個々の棚へ向かってではなく専用の参拝スペースで行うところが多いようです。

「仏壇型」はロッカー型と似ていますが、上段に仏壇、下段に納骨棚を配した作りとなっているものが多く、お参りする際は個別の仏壇へ向けて行うことが可能です。

「自動搬送型」は、個別に仕切られた参拝ブースで専用のICカードをかざすことなどにより、収蔵庫から遺骨が自動搬送されてくる仕組みのものです。新たに墓地の造成が難しい大都市で普及傾向にあります。

継承者がいないことを理由に納骨堂が選ばれるケースも多々あり、契約時に「33回忌まで」などと安置期間を設定し、その後は永代供養の合祀墓に移してもらうような利用方法が取られることも珍しくありません。

納骨堂のメリットとしては、墓石を建てることがないので比較的費用が抑えられることや、屋内にあるため天候を気にせずにいつでもゆっくりとお参りができることなどが挙げられます。

集合墓

霊園によって呼び名はさまざまありますが、ここでいう集合墓はひとつのお墓に不特定な多人数の遺骨を納めるタイプのものを指します。モニュメント的な墓石を中心として、その下に骨壺で納めるタイプの個別の納骨スペースが設えてあり、埋葬されている人の名前をプレートなどに記してあるものが多くみられます。

基本的には、納骨堂と同様に33回忌までなど一定の期間を過ぎると永代供養の合祀墓に移されます。

お参りは墓石の役割を果たすモニュメントなどに向けて行うのが一般的です。

メリットとしては、墓石代が掛からないため費用が比較的抑えられることや、継承者の必要がないこと、ひとつのお墓に多くの人がお参りに来るので寂しい雰囲気になりにくいことなどが挙げられます。

合祀墓

合葬墓とも呼ばれ、不特定多数の遺骨をまとめて1カ所に埋葬する様式のお墓のことを指します。合祀前に一定期間遺骨を個別に安置する場合もありますが、合祀後は骨壺のまま納骨される納骨堂や集合墓と違い、遺骨は骨壺から出されてほかの遺骨と混ざって埋葬されているため、後からお骨を取り出して別のお墓に移すようなことができなくなるので注意が必要です。

管理者が永代にわたって供養するので、継承者がいない場合に利用されることが多いようです。最も費用が抑えられるお墓のスタイルだといえるでしょう。

お墓にはシンボルとなる塔などが建てられているほか、納骨されている場所(カロート)そのものがモニュメントとなっているものもあります。

最近メディアで取り上げられることの多い樹木葬も、樹木をシンボルに用いた合祀墓や集合墓のひとつです。最近では樹木以外にもバラの花壇や人工の滝など、霊園それぞれに個性みられるようになっています。

お墓にかかる費用

お墓を持つ際の費用は、前項でご紹介したお墓のスタイルによって異なります。

一般墓の場合

一般墓を建てる場合には、基本的に「永代使用料」「墓石代」「管理料」といった費用がかかります。 「永代使用料」は、お墓を建てるために借り受ける土地代のことを指します。一般的に「お墓を買う」などの表現をしますが、正確には「借りた土地に買った墓石を建てる」ということになります。「永代使用料」は文字どおり、継承者がいる限り永代にわたって使用し続けるための料金です。料金の違いは住宅を建てる場合の土地代と同様に、区画の広さや立地場所、墓所のタイプなどの条件によって違いがみられます。支払は契約時に一括で行われることが多いようです。 「墓石代」は、建てるお墓そのものを購入するための費用です。細かく分けると、棹石、外柵、カロート、香炉などの石材一式と、そこへ彫刻する家名などの彫刻料、設置するための工事料などとなります。価格は、使用する石材の種類や量によって変わってくるほか、墓石の形状やデザイン、彫刻する内容などによって別途に料金が掛かってくることもあります。また、墓石はお墓を建てる霊園や寺院ではなく、石材店から購入することとなります。公営霊園の場合は、石材店を指定されることはあまりありませんが、民営霊園や寺院墓地の場合は、購入する石材店を指定されることがほとんどです。詳しくは管理事務所や住職に相談してみると良いでしょう。多くの民営霊園には、指定石材店の担当者が駐在している詰所があり、案内を受けることができます。 「管理料」は、墓所内の電気代や水道代、植栽の手入れや清掃代など、運営全般にかかる費用です。価格は霊園や寺院によってさまざまで、1年分をまとめて年払いすることが一般的です。お墓を手に入れた後も支払い続けることになり、滞納が続くと使用権が取り消されることも多いので、継承者にしっかりと伝えて支払いを忘れることのないようにしておきましょう。

納骨堂や集合墓の場合

納骨堂を利用する場合には、基本的に「永代使用料」と「管理料」がかかり、場合に応じて「永代供養料」「戒名(法名)料」「プレートや墓誌などへの彫刻料金」などがかかります。「永代使用料」は一般墓の場合と同様ですが、「33回忌まで」などと安置期間を設定してその後に合祀を行う契約を行うことも多く、その場合は定めた期間の使用料と合祀の際の永代供養料を支払うことになります。「管理料」も同様に、当初に定めた使用期間に応じて支払うことになります。一般墓と違って継承者がない場合を想定していることが多い納骨堂では、今後かかるすべての料金を生前に一括で支払っておけるところも多くみられます。集合墓の場合も納骨堂と同様の料金システムと考えておいてよいでしょう。

合祀墓の場合

合祀墓を利用する場合には、「永代供養料」と「納骨費用(埋葬料)」のみで済ませられることが一般的です。霊園や寺院によっては「プレートや墓誌などへの彫刻料金」が求められる場合や、希望に応じて「戒名(法名)料」が発生することもあります。

いずれにせよ、お墓を建てるときにどのような名目でどれだけ費用がかかるのか、お墓を建てた後にどのくらいの費用がいつまでかかるのかを把握し、家族や継承者がいる場合には情報を共有しておくことが肝心です。

お墓選びの際の検討項目

ここまでの情報で、

「民営霊園の一般墓を購入して後々の家族に残し、引き継いでいってもらいたい」
「継承者のことを気にしたくないので、まずは納骨堂に納めてもらい、その後は合祀墓に」

など、大まかな青写真が描けてきたのではないでしょうか。

運営母体の違いやお墓のスタイルの違い、費用の面である程度絞り込むことはできますが、ロケーションや交通手段、管理体制など、検討すべき項目はまだまだあります。

足腰が弱ってからお参りに行くことも考えると、墓域の近くに駐車スペースがあるか、車いすでの利用を想定したバリアフリーな設計であるかどうかも重要です。また、雨の日の水はけは良いかなども見逃せない検討項目であるといえます。

特に芝生墓所の場合、舗装された参道があるとないとでは、雨の日の足元の濡れ具合に大きな違いが生じます。なかには、インターロッキングと呼ばれる水はけのよい参道が敷かれた霊園もあるので、ぜひチェックしてみてください。

お墓を選ぶ際のスタンスは、自分自身の希望よりも、後々お墓にお参りに来る人、引き継いでいく人のことを中心に考えることです。家族や親せき、有人など、様々な人の意見を集め、納得のいくお墓選びをしてください。

気になる霊園や墓地が出てきたら、まず現地に見学に行ってみることとオススメします。Webサイトやパンフレットだけでは分からない情報もいろいろあります。周囲の建物や音,日当たりなどの環境要因のほか、対応するスタッフの人柄や、ほかの利用者の雰囲気などをぜひ肌で感じてきてください。

また、お墓を建てる霊園や墓地がある程度絞り込まれてきたら、午前中と夕方、晴天と雨天、自家用車と公共交通など、タイミングや手段、同行者などを変えて何度か訪問してみるとよいでしょう。「お墓は第2の我が家」であるともいえます。誰もが心地よくお参りできるお墓で、訪れる人をおもてなしの心で迎えられるようにしたいものです。

まとめ

  • 墓地や霊園は、運営をしている母体によって、大きく「寺院墓地」「民営霊園」「公営霊園」の3つに分けられる。
  • お墓は、遺骨の納められ方によって、「一般墓」「納骨堂」「集合墓」「合祀墓」などの様式がある。
  • お墓を持つ際の費用は、お墓の様式によって異なる。一般墓は「永代使用料」「墓石代」「管理料」、納骨堂や集合墓は「永代使用料」と「管理料」、合祀墓は「永代供養料」と「納骨費用(埋葬料)」が基本。
  • お墓を選ぶ際には、ロケーションや交通手段、管理体制など検討項目は多数。気になる霊園や墓地がある場合は現地を訪問するのがオススメ。

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