年代別終活の備え

『終活』を始めたい年齢とは?

終活について理解すると「そろそろ終活を始めた方が良いのではないか」と考えることでしょう。そこで気になるのは、終活を始めるタイミングです。

終活を始めるタイミングを知るために、楽天インサイト株式会社が2018年1月に実施した「終活に関する調査」の結果を参照してみましょう。

同調査には、「『終活』を始めたい年齢」という調査項目がありますが、終活を始めたい年齢で最も多かったのは65~69歳で21.6%、2番目に多かったのは60~64歳で20.5%、3番目に多かったのは、70~74歳で18.1%となりました。60代で終活を始めたい人は40%を超える結果となっています。

出典:楽天インサイト株式会社 終活に関する調査
https://insight.rakuten.co.jp/report/20180215/

上記の調査結果より、60代で終活を始めたい人が多いことが分かります。その理由としては、定年退職を迎えたタイミングであること、心身ともに健康なときから終活を始めておきたい、ということが考えられます。

年代別終活の備え

30代の終活

おそらく、「30代で終活を始めるなんて早すぎるよ」と感じる人が大半だと思われます。しかし、人生というのはいつ何があるかわかりません。万が一の時のために早い時期から準備をしておくのは、決して無駄ではないのです。また、ほんの少しずつでも終活を進めておくことで、高齢になってからの負担を減らすこともできます。

とはいえ、流石に30代からお墓や納骨堂を契約するのはおすすめできません。遠くに引越すことになったり、もっといいお墓が見つかったりする可能性も十分あるからです。子供の学費など、まだまだお金を使う機会も多いですから、大きな費用の発生する終活は避けましょう。

30代の終活で必要なのは、具体的な行動よりも生活の心構えです。以下の点に気をつけて30代の時間をすごしてください。

・終活について学ぶ
あらかじめ終活についての知識を深めておくだけでも、将来終活に取り組みやすくなります。終活の方法や最新の終活事情を学んでおくといいでしょう。

40代の終活

40代は、人生で最も充実している期間といっても過言ではありません。子供は成長し、仕事でも部下を持つ立場になり、やるべきことはどんどん増えているでしょう。終活をしている余裕などなく、そもそも人生の最期について考えたくもない人が多いと思われます。

しかし、40代では大切なことを意識しなければなりません。それは親の終活です。自分が40歳になった時、親はおそらく60歳を越えているでしょう。すでに仕事を定年退職し、楽隠居をしている場合も多いはずです。定年後の再雇用も当たり前になっていますが、これは寿命とはまた別の問題ですからね。

そのため、この年代では親の終活を中心に考えるといいでしょう。もちろん、自分自身の終活も少しずつ進めなければなりません。ポイントは以下の通りです。

・終活について話をする
終活という言葉が広く認知されてからも、実際に終活に取り掛かっている人はまだまだ少ないのが現状です。60代は終活を始めるのに最適な時期ですが、「もうちょっと遅くてもいいだろう」と考えてしまう人もいるかもしれません。少し勇気を出して、親と終活について話してみましょう。取り掛かるのが早いほど、負担は小さくなります。

・引越しやリフォームを行う
生前整理というと、どうしても「家にあるものを整理する」と考えがちです。しかし、家自体の扱いも忘れてはいけません。日本では、空き家の増加が社会問題になっています。両親が他界したあと、無人の実家の後始末に困り、何年も放置してしまうケースが多いのです。治安の悪化にも結びつきかねないので、家族が責任を持って対処しなければなりません。

そこで、親に実家のリフォームや引越しを提案してみましょう。二世帯住宅にするのはもちろん、実家を引き払ってマンションに移り住むなど、方法はいろいろあります。この時期は子供が成長して私室が必要になるため、引越しやリフォームにも最適なのです。家族全員が幸せになれる家を作りましょう。

50代の終活

50代に入ると、会社で重要な役職につくことが多くなります。責任が増して仕事が忙しくなる人もいれば、最前線の現場の仕事から解放され、ある程度余裕ができるケースもあるかもしれません。後者の場合は、少し早めに生前整理やお墓探しに取り掛かってもいいでしょう。

また、自分が50代なら両親は75歳~85歳ほど。いよいよ本格的に、両親との別れを考える必要が出てきます。その一方で、子供が自立して子育てから解放され、自分の時間が作りやすくなるでしょう。これらの点を念頭において、以下のような行動を取ってください。

・老いたことを認める
終活の目的の1つが、死に対して前向きになり、豊かで穏やかな老後をすごすことです。50代にもなれば、子供が結婚して孫が生まれ「自分も年を取ったなあ」としみじみ感じる人も多いでしょう。老いは誰にでも訪れるものであり、まったく恥ずかしくありません。自分が老いたことを認めれば、人生の後半戦も楽しくすごせるでしょう。

・夫婦の時間を作る
子育てに忙しい間は、なかなか夫婦の時間も持てないものです。子供が独り立ちすれば、20年~30年ぶりに夫婦2人だけの時間が生まれます。いい機会ですから、2人きりで積もる話をしたり、終活についてまじめに話し合ったりしてください。子供がいなくなったことで気まずくなってしまうケースも多いので、積極的に話しかけましょう。

・子供部屋を片付ける
子供が独立すれば、当然子供部屋は必要なくなります。昔使っていた教科書や趣味の品物なども、処分しなければならないでしょう。「いつか使うかもしれないから」といって保管していても、大抵はそのまま埃をかぶることになります。子供が帰省した時などにしっかりと片付けてもらい、生前整理の負担を減らしてください。

・両親の最期から終活の知識を学ぶ
両親の最期を看取るのは悲しいものですが、終活の知識を身につけるいい機会でもあります。終活という概念自体は知っていても、親の遺品整理をやってみて初めて「こんなに大変なのか!」と驚くことは少なくありません。お墓探しや葬儀の手配、遺産相続などで苦労したなら、自分の子供にも同じ思いをさせないよう終活に励みましょう。

・預貯金の整理をする
子供がまだ学生のうちは、学費の工面などで多くの人が必死になるはずです。用途別にいくつも通帳を作ったものの、管理が煩雑になってしまう場合もあるでしょう。子供が独り立ちしたタイミングを見計らって、「全体でいくら貯金があるのか」「老後の生活は大丈夫か」といったことを真剣に考えてください。

60代の終活

60代になると、いよいよ終活も本番に突入します。多くの人が定年退職を迎えて時間の余裕ができ、終活に取り組みやすくなるからです。やるべきことはたくさんあるので、以下の内容を参考に少しずつ行ってください。

・終活開始宣言をする
終活は、家族にも相談して進めることが大切です。そこで、本格的に終活を開始する際には、家族の前で「終活開始宣言」を行いましょう。それまで何となく終活について話したことがあっても、家族は「まだ早いよね」と思っているかもしれません。まじめに終活に取り組みたい気持ちを伝えれば、家族も協力してくれるでしょう。

・生前整理を始める
生前整理は、普段の掃除の延長としても行いやすいので、最初に取り掛かるといいでしょう。ポイントは、ある程度思い切って捨てること。1年以上も出番がなかった持ち物は、どんどん処分して構いません。趣味の品や美術品などは、親戚や友人に譲るのもいいでしょう。

・お墓を探す
お墓探しは人によって対応が分かれます。先祖代々のお墓に入るつもりであれば、特に焦る必要はありません。しかし、新しいお墓を探さなければならない時は、ある程度時間をかけて吟味すべきでしょう。墓地の見学ツアーもよく行われているので、夫婦や家族で参加してみてください。旅行気分で楽しくお墓を探せるのがメリットです。

また、お墓の継承に不安がある場合は、納骨堂や樹木葬の利用を検討してみましょう。どちらも永代供養が基本なので継承の必要がなく、維持管理も運営会社が行ってくれます。受け継いできたお墓の墓じまいも含めて、家族や親族と相談してみてください。

・葬儀の形態を考える
故人の希望により、身内だけで静かに葬儀を行うことはよくありますよね。これに限らず、自分の要望を葬儀に反映させることは、現在では一般的になっています。自分の葬儀をどのように行ってほしいか、じっくり考えてみてください。

なお、特に葬儀の希望がない場合でも、予算や喪主に関する相談くらいはしておいた方がいいでしょう。自分の死後、喪主の担当や予算の規模をめぐって、親族が争うことは珍しくないからです。生前に希望を伝えておけば、これらのトラブルを回避することができます。

・エンディングノートを作る
生前整理と同じく、すぐに取り掛かりたいのがエンディングノートの作成です。自分の死後の指示や要望を書き留めておけば、家族が困ることもありません。主に以下の内容を記載しましょう。

  • お墓や葬儀の希望
  • 貴重品の保管場所
  • 遺産相続に関すること
  • 葬儀に呼んでほしい知り合いの連絡先
  • 延命治療、臓器移植、献体などの可否
  • 家族へのメッセージ
  • その他、終活で決定したこと

なお、エンディングノートはあくまでも個人的なメモなので、法的な拘束力はありません。遺言に法的な効力を持たせたい場合は、遺言書を作成する必要があります。

70代の終活

70代は、終活開始のリミットともいえる時期です。最低でもこの時期に終活を始めなければ、体が衰えて作業が難しくなるか、先に寿命を迎えてしまいかねません。事情があって先延ばしにしていた人でも、「いい加減始めよう」と決意を新たにしましょう。

終活の内容自体は60代の延長線上で構いませんが、人生の残り時間も少なくなっていますから、より具体性が求められます。情報だけ集めて曖昧にしていたことにも、決定を下さなければなりません。以下の点に目を向けてみましょう。

・配偶者の他界は終活の契機
70代に入ると、長年連れ添った配偶者に先立たれる可能性が出てきます。夫婦2人だけで暮らしていたのであれば、ついに1人暮らしになってしまうわけです。その後の生活に不都合が生じる可能性は高いので、すぐに終活に取り掛かりましょう。子供や親族から同居や支援の提案があれば、真剣に検討することをおすすめします。

・自家用車を処分する
高齢になると判断能力が低下し、どうしても車の運転が苦手になってしまいます。高齢者の交通事故も社会問題となっており、免許の返納が推奨されているのです。可能であれば免許を返納し、自家用車も売却するなどして処分しましょう。どうしても運転しなければならない場合は、小型車や自動ブレーキシステム付きの車を選択してください。

・やり残したことをやる
体力や体調の問題を考慮すると、長期旅行などを自由に行えるのは70代が限界です。80代でもまだまだ元気な人はいますが、早い人は70歳を迎える前に寝たきりになってしまうこともあるのです。やり残した長年の夢などがあれば、この年代のうちにやっておくべきでしょう。人生に悔いが残らないようにすれば、落ち着いて老後をすごせます。

・体調管理に気を配る
60代までは大丈夫だったという人でも、70代になると急激に体が衰えることはよくあります。いくら計画的に終活を行っても、体調を崩してしまえば豊かな老後を送ることはできません。食事や運動などの体調管理に気を配り、体に不都合を覚えたらすぐに病院へ行くようにしてください。

80代の終活

2017年の日本人の平均寿命は、女性が87.26歳、男性が81.09歳でした(厚生労働省発表)。どんな人でも、80歳を越えた辺りからは人生の最期を意識しなければならないということです。いくら元気であっても、以前に比べれば体は衰え、病院に通っていない人の方が少ないくらいでしょう。

現実的に考えれば、80代になってから終活を始めるのは遅いといえます。可能な限り70代までに終活を開始するべきですし、まだ始めていないのであれば急いで手をつけるべきでしょう。ここに至るまでお墓や葬儀の話を何もしていない場合、家族の方がむしろ心配するかもしれません。終活という言葉は、若い時代にも浸透しているからです。

1人暮らしで相談できる身内がいない場合は、友人でも介護福祉士の方でも構わないので、誰かに終活の相談をしてください。自治体によっては、専用の相談窓口を設けている場合もあります。迅速かつ具体的な行動が求められるので、遠慮なく周囲の力を借りましょう。

また、この時期に注意しなければならないのが認知症です。認知症になって判断能力が低下すれば、終活のみならず日常生活にも大きな支障をきたすでしょう。最大の問題は、遺言が効力を発揮しなくなる可能性があること。判断能力が低下した人には遺言能力が認められないため、事実上遺言を残せなくなるのです。

そこで、80代の人が遺言状を残す場合は、正常な判断能力がある証拠もセットにしてください。病院に行けば、簡単なテストで判断能力の有無を確認することができます。自分が認知症になった時の対応を、家族に伝えておくのもいいでしょう。認知症の患者数は年々増加しているので、「自分は大丈夫」と考えず、早めに行動を取ってください。

 

終活サポートへのお問合せはこちら
終活相談窓口 Story相談窓口 いい葬儀お客様センター
電話で相談する メールで相談する