人生をよりよいものにするための準備をはじめましょう!特に、現在では核家族化が進み、高齢者の一人暮らしが増えていることもあり、自分自身が亡くなった後に家族や親族に迷惑をかけないためにも、終活に取り組むべきでしょう。人生の最後を締めくくる前に、終活についての理解を深めておきましょう。
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終活とは?自分の人生に向き合える前向きな活動であること
終活とは?「定義」を辞書で調べてみると・・・
- Wikipedia
人生の終わりのための活動 - デジタル大辞泉
「終末活動」の略。人生の終末を迎えるにあたり、延命治療や介護、葬儀、相続などについての希望をまとめ、準備を整えること。 - 日本大百科全書
自分の人生の終末のためにする活動の事
(知識として) 「人間はいつか死ぬ。人には寿命がある。」
(自分は?) 「今日は死なない。明日も死なない。」
やれ「人生の終わり」だの、「終末に備えろ」だのと言われると、「早く死ねと言われているようだ」と憤慨される方もいらっしゃいます。しかし、どの人生もいつか終わりますし、その時がいつなのかは誰にもわかりません。
「生きている内から死を意識するなんて、縁起が悪い」とネガティブなイメージを持たれがちですが、実は、人生を終わりを意識して生きる方が、その後の人生が非常に豊かに、前向きになるのです。つまり、終活とは、「終わりを意識して生きる」ことなのです。
では、具体的には、どんなことをするのでしょうか?
お勧めは、エンディングノートを入手すること。白紙の紙に「好きなことを書いていいよ」と言われても、結局「何を書いていいかわからない」ってこと、ありますよね?エンディングノートには、終活に必要な項目がコンパクトに網羅されています。
目次を見るだけでも、どんなことをすればいいのかイメージが湧きやすいので、終活の最初のツールとして最適です。葬儀やお墓、遺言書など、なぜ考えおいた方がいいのか?
実際に取り組んでみるとわかるのですが、終活は人生の棚卸しに近い作業です。老後や死後のことだけでなく、これまでの人生を振り返りながら、これからの日々をどう過ごせば豊かになれるのか、前向きに想像するための楽しい活動でもあります。
なぜ終活が必要なのか?
そうはいっても、なぜ終活が必要なのか?まだわからないという方は、少し想像してみてください。自分が今、急にこの世界からいなくなってしまったら、自分の身の回りのものや、住んでいる家、働いて貯めてきたお金はいったいどうなるのか?家族や関係者はどう思うのか?などなど少し想像するだけ不安が尽きないのではないでしょうか?
残された家族や関係者は、そんなあなたが残したものをすべて片づけないといけないとしたら、どんな思いをされるでしょうか?
悲しみのさなか、
- 時間がない。
- 経験がない。
- 情報がない。
あれでよかったのかなぁ、もっとこうできたんじゃないかなぁ。ただでさえ、大切な人を失った悲しみに打ちひしがれているさなか、本当にたくさんのことを決めないといけない。
しかも今までほとんどやったとこがない、葬儀やお墓、相続、死後の手続きなど。期限は迫ってくる。誰に聞いていいかわからない。何から手をつけていいのかわからない!あなたの大切な人たちがそんな状態に陥るとしたら、どうでしょうか?
そうはいっても、「うちの息子は賢いから大丈夫」、「うちの娘はしっかりしてるから大丈夫」という方も少なくありません。しかし、あえて言わせていただくと、「大丈夫じゃない!」なぜなら、身内が死んだときの衝撃は非常に大きく、常日頃しっかりしていても、普通の精神状態ではないので、正常な判断が下せないのです。
- 悲しみと驚きの中、正常な判断が下せない
- 死後の手続き ≠ 日常的
その時がいつなのかは、誰にもわかりません。若いときは自分の死を意識しづらいものですが、不慮の事故や病気に巻き込まれる可能性は、年齢に関係なく誰にでもあります。20〜30代という若い内から終活を始めていれば、万が一のことがあったときに、自分と家族の負担を軽減できます。
終活について意識調査【2023年最新】:終活の必要性をなぜ感じましたか?
これからの現実的な人生計画も立てられるようになるため、今まで以上に、豊かで輝く日々を送られるようになるメリットもあります。楽しい将来計画を立てるつもりで、気軽に終活を始めてみましょう。
生前整理
生前整理をすると、自分に本当に必要なものがわかります。気持ちがすっきり前向きになることもメリットです。
遺言
遺言書は財産相続に関する重要なものですが、正しい書き方でないと効力を発揮できない可能性があります。慎重に作成しましょう。
葬儀・お墓
葬儀やお墓の準備は、生前に進めておくのがおすすめです。自分の望む形式で予算通りのお葬式、供養をしてもらえるからです。
相続準備・資産整理
相続準備と資産管理は、自分本人にしかできない重要な項目です。金銭的不安を解消できる役割もあります。
エンディングノート
エンディングノートは、終活に欠かせないアイテムです。人生の棚卸しをするつもりで、書けるところから記入してみましょう。
介護・医療
豊かな老後生活を送るためには、介護・医療のことも考えておく必要があります。家族と話し合って準備を進めておきましょう。
終活専門家が教える残された家族が行う手続き
池原充子
終活サポート主任相談員
エリアマネージャー
終活プロデューサー(終活P)
大切な人の死は、想像を絶するほど悲しいものです。
しかし、現実は待ってはくれません。
人が亡くなったときにしなければいけない手続きはとても多く、期限もすぐに迫ります。残された家族は納骨、葬儀、お墓などの準備と並行しながら、死亡届の提出や年金受給の停止手続きなども早急に行わなければなりません。
終活の一環として、死後の手続きについて把握しておけば、家族の負担を軽減するために、何をしておくべきかがわかります。
主な手続き先 | 手続きや届け出など | |
---|---|---|
死亡直後 | 病院か警察 | 死亡診断書(死体検案書)を受け取る |
7日以内 | 役所 | 死亡届を提出する |
役所 | 火葬許可申請書を提出する | |
火葬場 | 埋葬許可証を受け取る | |
死亡後速やかに | 会社 | 死亡退職届を提出する |
14日以内 | 役所 | 世帯主変更届を提出する |
年金事務所 | 年金の受給を停止する | |
役所など | 健康保険資格喪失届を提出する | |
役所 | 介護保険資格喪失届を提出する | |
葬儀が終わり、落ち着いたら速やかに | 公共料金各社 | 電気・ガス・水道の名義を変更・解約する |
NHKフリーダイヤル | NHK放送受信契約の解約手続きをする | |
カード会社 | クレジットカードを解約する | |
家庭裁判所 | 遺言書を検認、開封する | |
- | 相続人・相続財産を調査する | |
保険会社 | 死亡保険金を請求する |
その後の相続手続き(3ヵ月~5カ月以内にやらなければいけないこと)はこちら
死後の手続きの中でも、死亡届や火葬許可申請書は提出期限が死亡直後7日以内と、とても短くなっています。
さらに、世帯主変更届や健康保険資格喪失届の提出期限は14日以内と、残された家族は毎日のように、手続きに翻弄されることになります。
各手続きには、本人確認書類や契約がわかるものが必要になりますが、どこにあるかわからず家族が困ってしまうのは、よくある話です。生前整理はただの断捨離では なく、そういった問題を解消できるのもメリットです。
公的手続きだけでなく、クレジットカードの契約解消や、SNSのアカウント削除などの作業も忘れてはいけません。
使っていないサービスや老後に必要ないと感じるものは、なるべく自分で契約解除をしておくことをおすすめします。
家族の負担を軽減するためには、エンディングノートの活用も必須です。エンディングノートに自分の個人情報や契約情報、書類のある場所などを書いておけば、家族はノートを見るだけでいろいろなことがわかり、手続きがスムーズになります。上記の事を準備していることにより家族の負担はなくなります。しっかりエンディングノートを活用しましょう!
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終活サポートでは個別エンディングノート書き方セミナーを開催しております!
終活やるべき5つのポイント
終活を始める際に多くの方が悩むのは、『何から始めたらよいのかわからない』ということです。
どんなことから始めても正解ですが、終活でやることやその基本を知ってから自分が始めやすいと感じるものからスタートさせましょう!
終活について意識調査【2023年最新】:やってみたいと思う、または実際にやっている終活について
老後の備え
人生百年時代と言われている日本では、現在も平均寿命が伸び続けています。これからは医療の発達もあり、健康寿命も比例して伸びていくことでしょう。老後を楽しく豊かに過ごすためには、「備え」が必須です。
特に老後生活の資金問題は深刻で、高齢になると病気や怪我のリスクが高まるため、思わぬ支払いが発生する可能性が高くなります。配偶者との死別や認知症の発症、健康面だけでなく住居の老朽化問題など、さまざまな事態を想像してお金を備えておく必要があるのです。
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ただ、老後生活のことばかり不安に思っていては、今を楽しむことができなくなってしまいます。終活は、老後生活に向けて現実的な計画を立てながら備えを始めることで、将来の不安を解消して今を楽しむことが目的でもあります。
終活を少しでも早い内から始めた方がいい理由も、そこにあります。20〜30代のうちから備えを始めておけば、40〜50代になる頃には余裕が生まれ始め、老後生活の不安も感じなくなります。 とはいえ、60〜70代になってからの終活でも遅くはありません。お金だけでなく、将来のリスクを軽減できるような準備活動は、全てが有意義で役立つ備えになります。 終活を始めるのに年齢は関係ないので、取り組みたいと思ったら1日でも早く、始めてみることが大切です。
家族のために、そして自分のこれからの人生を有意義にするために
「終活は縁起が悪いから考えたくない」「高齢者がするものだから若い自分には関係がない」そう思っていた人も、終活のイメージが前向きなものに変わったのではないでしょうか。終活は自分のためであり、家族のためでもあります。おひとりさまであっても、本当の意味で天涯孤独な人はいません。身寄りがなくても、老後をサポートしてくれる人や自治体、福祉機関は必ずあります。
終活は孤独、お金、健康、さまざまな問題の不安を解消し、充実した日々を送るための取り組みです。エンディングノートを手に入れたり、断捨離したりするだけでも、立派な終活になります。難しく考えず気負わず、新たな趣味に取り組むような気持ちで、できることから始めてみてくださいね。
終活サポートの専門相談員
池原充子
終活サポート主任相談員エリアマネージャー
終活プロデューサー(終活P)
嶋田 裕志
G1行政書士法人 代表
遺産相続手続まごころ代行センター 代表
日本行政書士会連合会/大阪府行政書士会
特定行政書士/宅地建物取引士
末藤 康宏
終活専門不動産 ディレクター
公認不動産コンサルティングマスター
宅地建物取引士/AFP/管理業務主任者/
福祉住環境コーディネーター/承継寄付診断士
細谷 洋貴
税理士法人アクセス 行政書士法人アクセス
代表社員・行政書士
日本行政書士会連合会/大阪府行政書士会 相続診断士
大前 和彦
終活ライフディレクター
S級・認知症キャラバンメイト
腸育コンシェルジュ
介護職員初任者
湯口智子
湯口行政書士事務所 代表
終活カウンセラー上級
エンディングノート書き方講師
デジタル遺品を考える会認定講座1級
監修者

生川奈美子(ファイナンシャル・プランナー)
1968年三重出身。3人の子供を持つ母。 某大手生命保険会社に12年勤務後に生川FP事務所を開業し2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。 2007年2月、株式会社アスト設立し、講演・講和・執筆活動など行っている。