人生をよりよいものにするための準備をはじめましょう!特に、現在では核家族化が進み、高齢者の一人暮らしが増えていることもあり、自分自身が亡くなった後に家族や親族に迷惑をかけないためにも、終活に取り組むべきでしょう。人生の最後を締めくくる前に、終活についての理解を深めておきましょう。
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終活とは?
高齢化社会を迎えた時代だからこそ、終活が重要に
最近テレビや新聞、雑誌などのメディアで終活という言葉を目にすることが増えてきました。言葉は知っているけれど、自分にはまだ早いと感じている人も多いのではないでしょうか。
終活は死に向けた準備をすることだけではありません。死というものに向き合うことで、今までの人生をどのように生きてきたのかを見つめ直し整理することです。
今しておいたほうが良いものを洗い出し実行することに加え、これからの人生を有意義に送れるようにするために何が必要なのかを考える機会とすることが終活の真の目的になります。
終活では以下のようなことを基本は行います。
1.エンディングノートを作成
終活の最初の一歩としてエンディングノートを書きます。エンディングノートには自分自身のこと、保有している財産について、介護やお墓、お葬式をどのように考えているか、普段言葉では言えないような家族に対する思いなども記載しておくとよいでしょう。必要な時に自分自身の考えを共有することができます。
2.遺言書の作成
自分の死後の財産の分配や相続人についての意思表示は遺言書に記載しておく必要があります。遺言書が法的効力を発揮するためには、記載の内容や保管の方法など決められたルールがあります。このルールが守られていない遺言書は無効となり、家族間での揉め事の火種になりかねません。
3.生前整理
身辺の物や人の整理をします。自宅の中を断捨離しておくことは死後に家族への負担を減らすことに繋がります。人の付き合いや連絡先の整理に加え、ネット上の情報の整理も定期的に行います。
4.お墓の準備
世帯の形態が変化してきた現代では求められるお墓の形も変化しています。自分らしいお墓や供養のされ方として、海洋散骨や樹木葬など新しい供養の仕方を選ばれる人も増えています。
終活はこれらすべてを一度に行うのではなく今の自分に必要なことから始めていくようにします。終活をはじめる時期に決まりはありません。年齢や状況によって取り組み方も変わってきます。
年齢が若い場合、身の回りのさまざまな事柄を整理していくことから始めます。たとえば、保険の見直しや受取人について、財産の状況についてなど自分自身が整理しておかないといけないと感じることはないでしょうか。
それに加えて、万一自分の身に何かあった場合を想定して、残された家族がわかるようにしておくと良いでしょう。
親に終活をしてほしい場合には、ネガティブな印象を与えないよう、自分も一緒に終活をしましょう。先ずは身の回りのことからはじめ、お葬式やお墓などの話題につなげていくと、抵抗感が少なくスムーズに終活を進めることができます。初めての終活は労力も時間もかかると考えて、思い立った時に取り組むようにしましょう。
これまでの人生を振り返ってみて、人生の終焉を悔いなく迎えられるように今から終活を始めてみるのはいかがでしょうか。
【終活の具体的な進め方】
しかし、終活をどのように進めていくのか、何から手をつけるべきなのかわからない方もいらっしゃるでしょう。終活の始め方には決まりはなく、1番気になっていることから始めます。
具体例をいくつか挙げてみます。
- 財産が預金だけでなく株や不動産など複数ある場合には、家族がその存在を知らなければ、相続できません。一覧にしてわかるようにしておくようにします。まとめておくことができるようなものは、元気なうちに整理しておきましょう。ローンや借入金などの負の財産も相続の対象になるので注意が必要です。
- 生命保険については以前に契約した生命保険の見直しの必要性がないのか、受取人が誰になっているかを調べます。結婚や離婚をしたのち、受取人を変更していなかったために保障が受けられなかったというようなことがないように気をつけましょう。
- 子どもがいない、遠方のため頼りにくい場合などでは亡くなった後のことも決めておくようにします。どのように供養をしてもらいたいかなどの自分の希望や、それが可能なのかも考えておきましょう。 たとえば、永代供養では、寺院等で家族に代わり供養をしてもうことができます。生前契約を行い、自分で費用の支払いを済ませておくこともできます。また、自分の入るお墓がない場合には購入しておく、納骨堂と契約をしておくなど遺骨の管理の方法についても決めておきましょう。
先に書いた通り、自分の身辺の整理を行い、気になる部分を明確にするためにはエンディングノートを書くことから始めると良いでしょう。その上で、必要と思われる部分については専門家に相談し助言を受けておくようにします。
【エンディングノートを作成する】
エンディングノートとは、人生の最後を迎えるにあたって書き留めておくためのノートです。
エンディングノートに書き留める内容はあくまでも自由ですが、主に書き留める内容としては、自分自身の思いや家族に向けた言葉など、気持ちや感情を伝えることや、自分自身が亡くなった後に行わなければならない各種の手続きに関することがあります。
エンディングノートの役割としては、自分自身が亡くなった後のさまざまな手続きをスムーズに行うために、必要な事柄を記入しておくことがあげられます。
例えば、通帳と印鑑の保管場所を明確にしておくことや、年金手帳、健康保険証、免許証など返却する必要があるものについても保管場所を明確にしておく必要があります。
また、最近ではSNSを利用する機会が多くなっていますが、アカウントを持っている場合は、自分自身が亡くなった後に退会手続きをスムーズに行えるよう、どのSNSを利用しているのか、そして、それぞれのパスワードを明記しておきましょう。
なお、エンディングノートに財産に関することや個人情報に関することを記載している場合は、管理を確実に行い、これらの情報が漏れないようにしておくことが大切です。
【お墓の準備をしておこう】
お墓を持っていない場合は、終活中にお墓の手配をしておきましょう。考えておきたいこととしては、お墓をどこにするのか、お墓のデザイン、お墓に記入する文字はどうするか、墓石の種類はどれにするのか、ということなどです。そのほか、お墓の手配をする場合は、お墓にかかる予算も検討しておきたいところです。
お墓にかかる費用としては、お墓を使うときにかかる永代使用料、墓石代、お墓の工事代、墓地の管理料があります。お墓の取得にはまとまった費用がかかるので、終活中にどのようなお墓にするかを検討しておくことが重要となります。
【遺言書は家族が争わないために準備する】
自分自身が亡くなった後にトラブルとなりやすいのは、遺産相続に関することです。お金に関する問題ということもあり、遺族の間で遺産を受け取れる金額が異なると、遺族同士がもめてしまう原因にもなりかねません。
そのようなトラブルを防ぐためには、終活中に遺言書を作成することです。遺言書に記載することは、遺言の内容、遺言を作成した日付、遺言を作成した人の署名です。なお、遺言には捺印も忘れずに行いましょう。
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- 遺言書とエンディングノートの4つの違い
遺言書の作成は、遺言者が自筆で執筆する「自筆証書遺言」と、遺言者が公証役場に出向いて作成する「公正証書遺言」があります。
遺言書を作成する場合は、遺言が有効なものとなるよう、ルールに従うことが基本です。
【生前整理は計画的に行うことがポイント】
そのほか、終活中に行っておきたいこととしては「生前整理」があります。 生前整理とは、これからの人生において必要なものと、これからの人生において不要なものを分けておくことです。生前整理をうまく進めるためには、不動産の売却や遺品整理など事前に十分調べることが肝心です。
例えば、必要なものとしては、毎日の生活で使用する日用品や、家族が一緒に写っている写真が貼られているアルバムのように、思い出深いものなどがあります。そのほか、形見として取っておきたい洋服や小道具などを取っておくのも良いでしょう。また、不要なものとしては、長年にわたって使っていない道具類や家具類などがあげられます。不要なものを片付ける作業は、年齢を重ねるほどつらいものとなります。
「迷惑をかけたくない」という思いから、一気に片付けてしまおうとすると、精神的にも負担が大きくなり、老後うつなど思わぬ疾患を引き起こすことがあるので、時間に余裕を持って、何から進めるのか、計画を立てることが大切です。
【家族のために、そして自分のこれからの人生を有意義にするために】
このように、終活とは決してネガティブなものではありません。誰にも訪れる死を前向きにとらえることだといえます。これまでの人生を見つめ直すための終活は、まだまだ体の動く元気なうちから行い身の回りの整理をしておくことが大切です。それにより、これからの人生を考えるきっかけにするのです。
遺された家族のためだけでなく、自分自身のこれからの人生を有意義なものにするためにあなたも終活にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。