遺産相続についてのQ&A

被相続人が亡くなると様々な相続対象となる財産があります。
相続対象の財産とは、預貯金・土地や建物の権利や義務といった全てのものが各当します。

Q.相続できるもの?できないもの?って

A.回答1
〈できるもの〉預貯金や貸付金などの債権は可分債権となります。
〈できないもの〉被相続人が受けていた遺族年金、扶養請求権、生活保護受給権などです。
また、プラスのことばかりではなく被相続人がもっていた借金・ローンなどのマイナス財産も引き継ぐことになるので注意が必要です。

Q.残された財産はどのように分配するのか?

A.回答2
「法定相続分」という法律で決められています。

Q.法定相続と遺言相続どちらが優先されるの?

A.回答3
被相続人の財産相続を決める方法は日本では「法定相続」と「遺言相続」の2通りあり、いずれも法的効力を持っていますが、最優先されるのは「遺言相続」になります。

Q.家族信託の実際の流れを詳しく知りたい。実例も教えて欲しい。

A.回答4
信託とは、「信頼している人に財産を託し、管理してもらう方法」のことで、財産の管理方法の一つです。
信託と聞くと、つい投資信託を想像してしまい、資産運用のための方法であるとか、リスクが伴う方法であると誤解されがちですが、家族信託は、これとは全く別のものになります。
家族信託では、財産を持つ人が信頼できる親族などに財産の管理を委託し、指定した相手(自分でもよい)に財産そのもの、あるいはその財産から得られる利益を与えることをお願いする内容の契約を結ぶことです。

主な活用例は、認知症対策になります。
例えば、財産を持つ人が認知症になってしまった場合、いくら親族でもその人名義の財産を勝手に処分することはできません。預貯金だけでなく、不動産などの財産も同様です。
例え施設の入所など本人のための介護費用を捻出する目的であっても、それを活用することはできません。
さらに認知症ですから、詐欺被害などにも警戒が必要です。

家族信託では、高齢者が子どもなどと家族信託契約を結ぶことで、将来認知症にかかっても、その財産を代わりに管理してもらうことができます。

ここまでは、後見制度という信託より前からある制度でも実現できます。ところが後見制度には、その用途に限界があり、例えば不動産の処分など被後見人の財産を減らすような行為は基本的には認められません。

その点、家族信託では、その財産の用途を自由に指定できることがポイントです。
自分の医療費、介護費として使ってほしい、あるいは一切の処分を任せるなど、その用途を指定できます。
こうした柔軟さから、遺言書の代用や、個別ケースでの節税対策など、多くのご家庭で有効活用できることが期待できます。ただしその柔軟さゆえに、契約の方法ひとつで得られるメリットが変化します。したがって活用の際は、専門家の指導の下行うことが推奨されます。

Q.相続を念頭に、所有する不動産を売却するか、保有し続けるかトータルでどちらがベストか?

A.回答5
保有するか手放すか、使わない不動産をどうするかは迷うところですよね。
不動産を売却するかどうか決めるには、まずは活用が可能かどうか、もし活用が可能であれば、管理コストと税に見合う収益が得られるかの2段階で判断する必要があります。

まず、活用が可能かどうかについてですが、不動産は保有するだけで固定資産税や修繕などの管理コストがかかります。したがって活用できない場合は早めに方針を決めた方が得策です。

不動産の活用方法としては、土地の賃貸借、賃貸物件の経営、駐車場経営の他、コインランドリーや太陽光発電に活用する人もいます。場所や面積、土地の状態によって様々な活用方法があるので、専門家の意見を聞くことがおすすめです。

もし活用が可能な不動産であれば、次は管理コストと税に見合う収益が得られるかを判断する必要があります。
収入が見込めたとしても、その収入が管理コストを上回るものでなければ意味がありません。
収入には毎年所得税がかかりますし、相続税や登記に関する税や手数料などがかかることも計算に入れておく必要があります。

ちなみに、不動産を承継した場合に相続税かかかるかどうかは、相続財産の合計が「基礎控除額」を超える場合です。基礎控除額は3,000万円+600万円×法定相続人の数で決まります。
そのため相続税がかかるかどうかは、個人の財産の状況によって異なります。

Q.事実婚の場合に、法律婚とは違って書面に残しておく方が良い事柄は?

A.回答6
事実婚とは、婚姻の届け出を提出していない内縁の夫婦関係のことです。
法律上の夫婦ではありませんので、配偶者としての相続権は発生しません。したがって事実婚の相手に相続財産を遺す場合には、遺言書を作成する必要があります。ただしこの時、他の相続人の遺留分には注意が必要です。
籍を抜いていない配偶者や、子がいる場合は、遺留分といい、相続財産の半分まで相続権を持つ人に請求権があります。
この遺留分を侵害する遺言書を作成すること自体は違法ではありませんが、遺族の感情等を考慮し最も良い遺言の内容を選択すべきでしょう。経験豊富な相続の専門家への相談がおすすめです。

また遺言以外に、家族信託という選択肢もあります。
もし、事実婚の相手に財産は遺したいが、その相手の相続時には、自分の直系親族に財産を相続させたい時は、遺言書では対応ができません。

例えば、事実婚の相手であるAに現金を遺した場合、Aが死亡した時の相続では、Aの親族に相続権が発生します。
もしAに前配偶者との子Xがいた場合、もともとは被相続人の遺産だった現金が、全く関係のないXに渡ってしまうのです。
できれば自分の親族に財産を遺したいのは当然の感情です。これを避けるには、家族信託が効果的になります。
家族信託であれば、Aの死亡後にその財産を誰に譲るか、つまり二次相続先まで指定することができるからです。
家族信託を利用する際は、専門家の指導を受けて行いましょう。

Q.親が認知症(ボケ)てから遺言書を作成することはできますか?

A.回答7
遺言の作成は遺言能力があれば行ってよく、認知症だから作成してはいけないというわけではありません。
法律でも、成年被後見人、被保佐人、被補助人の方であっても遺言書の作成は可能であることが明記されています。
遺言能力を判断する主なポイントは、個人の判断能力、理解力で個別の遺言内容が理解できるかどうかで判断され、実際に認知症の方の遺言が有効とされた判例もあります。

遺言能力があるかどうかは、作成した当時の能力で判断されます。
したがって、遺言書作成時の状況を撮影して記録化しておくことや本人の日記などをとっておくなど補強となる資料の保全が有効です。

もう一つ、認知症を発症した後の遺言書について一般的に言えることは、遺言書の書式を、自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言とする方がベターだということです。

公正証書遺言とは、2名以上の証人立会いのもと、公証人が作成する遺言書をいいます。
認知症の方の自筆証書遺言の内容が特定の親族に都合のよい内容である場合、たまに他の親族から「代わりに書いたのではないか」などと疑いの目を向けられることがあります。
公正証書遺言であれば、少なくともこの疑いの余地はありません。

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