継承者不在で多様化する永代供養墓(納骨堂)事情

永代供養墓を選ぶ際の4ポイント

継承者不在で多様化する永代供養墓(納骨堂)事情01

以前は長子相続を背景に、家督的に継承されることが一般的であった日本のお墓事情。時代に合わせてライフスタイルも変化してきた昨今は、継承者を前提としないお墓も数多くみられるようになってきました。

「跡継ぎがいない」というだけでなく「子供に迷惑をかけたくない」といった事情などから、お墓は先祖代々受け継ぐ「家族のもの」から「個人のもの」へと意識が変化しているようで、実際に霊園に足を運んでみると、樹木葬などの合祀墓や集合墓の墓域を新たに追加しているところも珍しくなく、家族が引き継ぐことを想定していないお墓の需要が増していることが感じとれます。

お墓について、継承者がいる場合といない場合で大きく変わってくるのは継続的に供養を行う人がいるかどうかです。継承者がいない場合には継続的に供養を行ってくれる人がいないため、霊園の管理者やお墓のある寺院などに「永代供養」を行ってもらうことになります。

永代供養墓を選ぶ際の4ポイント

①合葬か、個別埋葬か

永代供養をする上での最大の選択肢は、他の遺骨と合葬か、個別埋葬かです。合葬された場合、後で個人の遺骨だけ取り出すことはできません。お墓参りをする際も個別のお墓ではなく、合葬墓のモニュメントや供養塔でお参りすることになります。供養の費用が安く、墓地の管理も不要なため、大変手軽ですが、気持ちの問題として納得できるかどうか、親族間で十分相談することが大事です。

②個別埋葬の場合、個別供養期間について

個別埋葬であっても、十七回忌、三十三回忌、五十回忌などある程度の期間を過ぎたら、合葬墓に移されるケースが多いです。しかし、最近は期限を設けず、本当の意味で「永遠に」個別埋葬してもらえる墓地もでてきています。個別墓地の存続についてどのように希望するか検討しましょう。

③個別埋葬の場合、納められる遺骨の制限について

従来の墓地は代々遺骨を納めていくことができますが、永代供養墓は、単身者用、夫婦墓(一世代)、家族墓(二世代)というように、納められる遺骨が限られていることが多いです。永代供養墓を申し込む際は、誰のための墓地なのか決めておきましょう。

④墓地のスタイルについて

永代供養墓のスタイルは様々です。屋内墓地としては、納骨堂がありますが、中でも仏壇型やロッカー型など様々です。屋外墓地としては、墓石やプレートを設けた墓地、モニュメントのある集団墓地、樹木葬墓地などがあります。まずは、墓地の雰囲気や立地などを実際に見学することをおすすめします。

「永代供養」とは、未来永劫にわたる供養と遺骨の管理を依頼することで、その「永代供養」を行うことを前提としたお墓のことを一般的に永代供養墓と呼んでいます。

永代供養墓のほとんどは、宗旨、宗派を問わずに不特定多数の遺骨をまとめて1カ所に埋葬する合祀墓の形式をとっていますが、最初から合祀墓に納められるケース以外に、三十三回忌など一定の期間までは集合墓や納骨堂に納めておいてもらい、その後に合祀墓に移してもらう方法もあります。

霊園や納骨堂によってプランは様々ありますが、どのようにするかは生前の本人の意思で選び、必要な費用を先に支払っておけるのが普通です。

では、ここで出てきた「集合墓」「納骨堂」「合祀墓」とはどのようなお墓でしょうか。それぞれ少し詳しく紹介します。

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永代供養墓の遺骨はどうなるのか?

お墓の種類によって遺骨の収められ方には違いがあります。またそれぞれのお墓の種類によってお参りの仕方にも違いがある点も押さえておきましょう。

集合墓

呼び方はさまざまありますが、ここでは不特定多数の遺骨を骨壺の状態でひとつの場所に収めるタイプのお墓のことを指します。一般墓が戸建て住宅だとすれば、集合墓はマンションだと思い浮かべると分かりやすいでしょう。

多く見かけるのは、花壇などの土台を兼ねた基礎部分に遺骨を納めるカロートが個別に作られているもので、埋葬されている人の名前がプレートに刻まれている様式のものです。ほかにも、一般墓のスケールを大きくして作られたようなものや、マンションのように直方体を上下左右に区分けして個別の遺骨収納スペースを設けているものなどがあります。

永代にわたって利用し続けられるものや、三十三回忌など一定の期間を過ぎると遺骨が合祀されるものなど、寺院や霊園によって違いがみられます。お墓参りの際は、シンボルとなる墓石やモニュメントに向かって行うことが多く、お彼岸やお盆などには多くの人がお参りに来るので寂しい雰囲気になりにくい点が特色のひとつです。

納骨堂

納骨堂は集合墓の一種という見方もできますが、一般的には遺骨の納められた骨壺を納めることのできる屋内の施設のことを指して使われます。天候を気にせずお参りができる点がメリットのひとつとして挙げられます。

寺院墓地や霊園の一角に建てられている場合もありますが、単独で存在するものも数多くあります。前出の集合墓と同様に、永代にわたって利用し続けられるものと、一定の期間が経つと合祀されるものがありますが、どちらかというと後者のほうがポピュラーです。

「ロッカー型」は読んで字のごとく、コインロッカーのように作られた個別の棚に遺骨を納める方式のものです。扉の有無のほか、個人型、夫婦型、家族型など、いくつ遺骨を納めることができるか、位牌も一緒に収められるかどうかなど、施設や区分によって違いがみられます。利用する際の料金ですが、目線に近い高さだと比較的高額に、最上段や最下段だと比較的安価に設定されていることが多いようです。お参りの際は、専用に作られた参拝スペースで行うことが一般的です。

「仏壇型」は、ロッカー型の一種ともいえますが、多くは利用する棚を上下に分け、上段に仏壇、下段に納骨スペースを設けたスタイルのものとなっています。ロッカー型と違って、個別にお参りができる点が特色といえます。

「自動搬送型」は、新しくお墓を造成することが難しい都市部に増えてきているタイプで、普段は大きな収蔵庫に遺骨を納めておき、お参りの際に操作を行うことによって自動搬送されてくるような、機械化された様式のものです。お参りは、プライバシーに配慮された仕切りのある個別のブースで行うことが多く、利用者情報の登録されたICカードなどを専用の読み取り装置にかざすことなどによって遺骨の納められた厨子を呼び出して行います。参拝ブースの仕様の違いによって料金設定が変わってくるところが多いようです。

合祀墓

合祀墓は文字のごとく「合同」で「祀られる」お墓のことを指し、寺院や霊園によっては「合葬墓」と呼んでいるところもあります。「集合墓」や「納骨堂」と違って、遺骨を骨壺から出し、血縁などのない不特定多数の人の遺骨をまとめて1カ所に埋葬する形をとります。ほかの遺骨と混ざって埋葬されるため、注意点として後から取り出して別のお墓に移すことができなくなることが挙げられます。

お参りする際には、近くに用意されている香炉や献花台を利用する場合が多いですが、供物を備えることができないところもあるので、事前によく確認しておいてください。

永代供養墓以外の葬送方法

後継者不在の場合のお墓として、永代供養を伴った「集合墓」「納骨堂」「合祀墓」を紹介しましたが、お墓以外に最近検討されることの多い葬送方法があるので、2点紹介したいと思います。自然葬と手元供養です。

自然葬は、海洋散骨などで遺骨や位牌の全部、または一部を自然に還すスタイルの葬送形式で、先に挙げた樹木葬も見方によってはこの自然葬のひとつであるともいえます。海洋散骨は、粉末状にした遺骨を漁場や海上交通の要所などを避けた海域に散骨する形で行われます。船をチャーターして個別に行う方法のほか、ほかの家族と合同で行う方法、立ち合いを行わずに業者に一切を任せる方法などがあり、料金も内容に応じて違いがみられます。

手元供養とは、遺骨を自宅などの身近な場所においておく供養方法のことを指します。遺骨の一部を小分けして自宅の仏壇などに祀るほか、さらにその一部をペンダントなどに納めて常に身に付けておくことが多いようです。残った遺骨は合祀墓に埋葬したり、海洋散骨などの自然葬を選んだりするなど、ほかの葬送方法と併用することになります。

まとめ

・継承者がいない場合には継続的に供養を行ってくれる人がいないため、霊園の管理者やお墓のある寺院などに「永代供養」を行ってもらうのが一般的。

・永代供養墓として「合祀墓」があるが、その前の一定期間を「集合墓」や「納骨堂」に収めてもらう方法もある。

・後継者不在の場合のお墓以外の葬送方法として、海洋散骨などの自然葬や個人の遺骨を身近に置いておく手元供養という選択肢もある。

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