空き家を手放したいときの方法4つを解説【売れないときの対処法や無料で処分するやり方】

空き家を手放したいと思ったとき、まず行うのは不動産査定です。不動産査定とは、不動産会社に空き家や土地などの価値を、判定してもらうことです。空き家の不動産価値によって、手放し方は変わってきます。

空き家の不動産価値が高ければ売却、低くて売れそうにない場合は解体、など選択肢はさまざまです。
売却や解体だけでなく、貸付やリフォームして有効活用など、空き家を手放す方法は多様化しています。

自分たちにとってベストな形で空き家を手放すためには、手順を知って適切な判断をすることが大切です。
今回は、空き家を手放したいときの方法4つを解説します。
空き家が売れないときの対処法や、無料で手放す方法も紹介するので、ご参考にしてみてください。

空き家を手放したいときの方法4つを解説

空き家を手放したいときの方法4つを解説【売れないときの対処法や無料で処分するやり方】01

空き家を手放したいときは不動産査定を行い、売却するか解体するかを決定します。国に引き取ってもらったり、自治体に譲渡したりの選択肢もあります。空き家を手放したいときの方法4つを解説します。

売却する

空き家を手放す方法として最も多く選ばれているのは、売却することです。 売却すれば空き家を手放せるだけでなく、多額の現金を得られるメリットがあります。 老後の資金として活かすこともでき、空き家を手ばす方法としては、一石二鳥の手段です。

空き家の売却は、不動産会社に依頼するのが一般的です。 まずは、空き家にどれくらいの価値があるのか、不動産査定を行いましょう。

不動産査定の方法は、以下の2つがあります。

  • 机上査定…空き家を訪問せずに、家の広さや築年数などの情報だけで簡易査定する方法。電話やメール、WEBでの査定も可能。
  • 訪問査定…空き家を訪問して、実際の状態を確認してから査定する方法。約2時間ほどの時間がかかる。

机上査定は簡易査定とも呼ばれており、空き家の情報を基に、大まかな不動産価値を判定します。最近はWEBでの机上査定が人気で、空き家の情報を入力すると、最短1分程度で判定してくれるサービスもあります。気軽に不動産査定を行えるのがメリットです。

ただ、机上査定では空き家の実際の状態を確認できないため、判定結果は大まかなものになります。実際に売却するときは、机上査定額より低い金額になることが多いため要注意です。訪問査定は不動産会社の専門家が、実際に空き家を訪問して状態確認を行い、不動産価値を判定します。

空き家の欠損箇所や立地を含む周辺環境など、細かな状態を確認できるため、的確な判定を受けられることがメリットです。訪問査定には持ち主が同行し、約2時間ほどで完了します。

空き家の査定方法で悩んだら、まずはWEBでの机上査定を行い、そのあと訪問査定も実施してもらうのがおすすめです。不動産査定で空き家の価値がわかり、想定売却価格に納得できれば、手続きを進めます。

不動産会社に仲介や買取を依頼する場合、難しく複雑な手続きはありません。 空き家を売却するときのポイントは、以下の3つです。

  • 最初は売却価格を高めに設定してもらう
  • 長期戦になることを覚悟して計画を立てる
  • 長くても3年以内の売却を目指す

売却価格は不動産会社と相談しながら決定しますが、値下げ交渉されることを考慮して、最初は高めに設定してもらうのがおすすめです。 また、空き家の売却は長期戦になる恐れがあります。

早く売却しようと短期計画で進めると、値下げをすることになり損をしてしまうことも。 長期戦になることを覚悟して、計画を立てておくと安心です。 ただし、空き家は長くても3年以内の売却を目指すようにしましょう。

住まなくなって(または相続してから)3年以内の売却であれば、税金面で優遇を受けられるからです。 空き家の売却は焦らず、計画的に、納得のいく価格での取引を目指しましょう。

解体する

空き家が古かったり、買い手が見つからなかったりする場合は、解体する手段もあります。 空き家を解体する最大のメリットは、家の管理をしなくて済むようになることです。

「特定空き家」に指定されたり倒壊したりといった、老朽化の不安も抱えなくていいようになります。 ただし、空き家の解体には費用が発生します。 解体費用は空き家の大きさや状態、地域、依頼する業者などによって異なります。

一般的な空き家の解体費用は、平均100〜200万円ほどです。 解体費用は自己負担ですが、自治体の補助金制度を活用できるケースがあります。 空き家解体の自治体補助金制度の内容はさまざまですが、最大50%を負担してもらえることも。

まとまったお金が無くて不安な人も、自治体の補助金制度を活用すれば、空き家を少ない負担で解体できる可能性があります。 売却に比べて手続きが少なく、完了までの期間が短いメリットもあるため、空き家が老朽化している場合は、解体も検討してみましょう。

国に引き取ってもらう

空き家は条件を満たせば、国に引き取ってもらうこともできます。 その制度とは「相続土地国庫帰属法制度」というもので、使っていない空き家や土地を減らすことを目的に制定された法律です。

ただし、相続土地国庫帰属法制度を利用して国に引き取ってもらえるのは、土地だけです。 空き家は引き取ってもらえないため、解体して土地だけの状態にしておく必要があります。

また、相続土地国庫帰属法制度の条件はかなり厳しく、満たさないといけない要項が多いのがデメリット。 負担金として、約20万円ほどの費用も発生します。 あまり現実的な方法ではありませんが、空き家の土地が条件を満たしていれば、国に引き取ってもらえる可能性はあります。

自治体に譲渡する

空き家は、自治体に譲渡することもできます。 譲渡であれば空き家を解体する必要がなく、売却の複雑な手続きなども発生しません。空き家を自治体に有効活用してもらえる、嬉しいメリットもあります。

ただし、自治体が空き家の譲渡を受け入れるケースは、そう多くありません。 なぜなら、自治体が空き家を引き取ると、固定資産税による税収が減ったり、新たに維持管理費用が発生したりするからです。 自治体が空き家を引き取る可能性があるのは、以下のような場合に限ります。

  • 防災用地になる
  • 公園として活用できる
  • 再開発できる

自治体は、公的な利用目的が見込める空き家や土地のみ引き取るのが一般的です。 この方法もあまり現実的ではありませんが、特別な建物や土地である場合は、打診してみるのも手段の一つです。

空き家が売れないときは貸付や付加価値の工夫をする

空き家が売れないときは、貸付をする選択肢もあります。不動産会社を仲介すれば、貸付は難しくなく、運用や管理も任せられます。正式な契約を交わして、家族や知人に安く貸付するのもおすすめです。

最近は空き家をリフォームして、古民家カフェやギャラリーとしてビジネス活用する人も増えています。リフォームをすることで、ビジネス活用したい人に貸付ができるようになることも。

耐震性に問題があったり、倒壊のリスクがあったりする空き家でない場合は、リフォームや付加価値の工夫次第で、思わぬ使い道があるかもしれません。

空き家を無料で手放す方法は無償譲渡やバンク登録

空き家を手放すには、どの選択肢を選んでも基本的には費用が発生します。ただし、空き家を無料で手放す方法がないわけではありません。空き家を無料で手放す方法には、無償譲渡やバンク登録があります。

知人や友人、近隣住人などに空き家を無償で譲渡すれば、費用は発生しません。住まいを探している人やビジネス活用したい人が知り合いにいる場合は、実現できる可能性があります。ただし、空き家を無償譲渡してもらった人には、税金が発生することがあるため要注意です。

バンク登録とは、空き家を手放したい人と探している人を、マッチングできるサービスを利用することです。「空き家バンク」と呼ばれるマッチングサービスに登録をすれば、空き家を譲り受けてくれる人が見つかる可能性が高くなります。

空き家バンクは、自治体が運営している非営利団体です。非営利目的のため、手数料などが発生せず、譲り手が見つかれば空き家を無料で手放せます。

空き家を無料で手放す方法はありますが、譲渡契約やバンク登録には専門知識が必要なこともあります。

「終活サポート」では、住まいの終活として、空き家を手放すサポートも行っています。不動産の専門家と提携し、空き家をどうするべきか、少しでも損をしない方法はないか、ご希望をお伺いしながら、丁寧にご提案させていただきます。空き家のことや将来の住まいのことで悩んだら、いつでもお気軽にご相談ください。

雨漏りしている家は事前に直しておいたほうがベター

空き家を売却する場合、雨漏りがあると購入希望者に悪い印象を与え、売却価格や売却の成功確率に影響を与える可能性があります。そのため、手放す前に雨漏りを修理することをお勧めいたします。

参考:防水工事や雨漏り修理にホームドクター119番

空き家を手放したいときはまずは不動産査定から(まとめ)

空き家を手放したいときは、まずは不動産査定を行いましょう。不動産査定にはWEBですぐにできる「机上査定」と、実際に空き家を訪問してもらう「訪問査定」があります。

それぞれにメリット・デメリットがありますが、まずは机上査定で空き家の大まかな不動産価値を把握して、本格的に手放すことを考えたときに、訪問査定も依頼するのが一般的です。

不動産査定が完了したら、不動産価値を考慮しながら、空き家を売却するか解体するか判断します。貸付やリフォームをして、ビジネス活用する手段もあります。

また、空き家を無料で手放したいときは、知り合いに無償譲渡したり、空き家バンクに登録したりする方法もあります。空き家を手放す選択肢や手続き、契約は複雑で難しいことが多いため、悩んだら専門家に相談するのがおすすめです。「終活サポート」でも、空き家に関するご相談は随時承っています。

今日のポイント

  1. 空き家を手放したいと思ったときはまず不動産査定を行う
  2. 空き家を手放したいときの方法4つは「売却」「解体」「国に引き取ってもらう」「自治体に譲渡」
  3. 空き家が売れないときは貸付や付加価値の工夫をすれば有効活用できる
  4. 空き家を無料で手放す方法には無償譲渡やバンク登録などがある
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【監修】末藤 康宏(終活専門不動産 ディレクター)

末藤 康宏

これまでの略歴

公認不動産コンサルティングマスター

宅地建物取引士/AFP/管理業務主任者/
福祉住環境コーディネーター/承継寄付診断士
介護職員初任者研修課程 修了

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