空き家問題の対策は、早いうちに取り組んでおけば大きな問題にはなりません。空き家は放置するほど状態が悪くなり、不動産価値も下がってしまいます。空き家問題の対策方法には貸付や売却などがありますが、早いうちに手続きを進めておかないと、契約が決まらず処分に困ってしまうことも。
終活の一環として、空き家問題は、早めに対策を行うようにしましょう。空き家問題の対策ができていれば、自分たちも将来の被相続者となる家族たちも、安心して日々を過ごせるようになるのもメリットです。
今回は、空き家問題の対策5つをわかりやすく解説します。空き家問題対策の参考となる、国内の成功事例も紹介するので、ご参考にしてみてください。
空き家問題の対策5つ|国内の活用成功事例も紹介
空き家問題は日本で深刻化している課題
空き家問題が日本で深刻化している理由は、少子高齢化と新築住宅の供給過多にあります。少子高齢化の進む日本では、人口減少に比例して空き家が増加しています。核家族化も進み、1世代が1軒の住宅に住むようになったのも要因の一つです。
「誰も住まない田舎の空き家」が全国に多数あり、問題となっています。日本は外国と比べて、新築住宅の人気が高いことも原因です。欧米諸国では中古住宅の割合が70%以上を占めていますが、日本は新築住宅の割合が88%と圧倒的に高くなっています。
参考出典:住宅事情について
地震大国であり、耐震性の低い中古住宅を選びにくいなどの要因はありますが、現代も新築住宅は人気で、古い空き家が放置されているのが実状です。
空き家が増えることで発生する問題には、以下のようなものがあります。
- 倒壊の危険がある
- 老朽化して景観を損ねる
- 不法侵入や滞在など治安が悪くなる
空き家を放置すると老朽化が進み、倒壊の危険や経験を損ねる恐れがあります。近隣住民に迷惑がかかり、持ち主に対して損害賠償が請求されるケースも珍しくありません。
空き家が溜まり場になってしまい、周辺の治安が悪くなってしまう可能性もあります。空き家の管理責任は、持ち主にあります。家屋は老朽化するほど手入れや管理が難しくなるため、早いうちからこまめに対策をすることが大切です。
空き家問題の対策5つ
空き家問題の対策は、空き家をどうするべきか判断することから始まります。自分たちだけでなく家族のことも考えて、ベストな判断ができるように進めていきましょう。空き家問題の対策5つを紹介します。
思い切って解体する
空き家が古く老朽化が進んでいる場合は、思い切って解体するのがおすすめです。解体すれば倒壊のリスクがなくなり、家屋の固定資産税を支払わなくてよくなるメリットがあります。空き家の解体には、平均50〜200万円ほどの費用がかかります。
高額ですが、条件を満たしていれば、自治体の解体補助金を活用できることもあります。古くて住む予定のない空き家は思い切って解体することで、周囲への迷惑や危険を回避し、家族の相続負担も減らせます。
リフォームして貸付する
古い空き家もリフォームすれば、貸付できる可能性があります。空き家を貸付すれば、定期的な家賃収入を得られることが大きなメリットです。不動産会社を仲介すれば、面倒な手続きや管理も必要ありません。
カフェや事務所として使えるようにリフォームすると、思わぬ借り手が見つかることもあります。リフォームには補助金が出ることもあるため、選択肢の一つとして考えてみましょう。
不動産会社に仲介を依頼して売却する
空き家の不動産価値が高い場合は、不動産会社に仲介を依頼して、売却するのもおすすめです。空き家は自分で買い手を探して、売却することもできます。ただ、自分で買い手を探すのは難しく、不動産の契約手続きは複雑であるため、トラブルが起こりやすいのが問題です。
不動産会社に仲介を依頼すれば、手数料は発生しますが、買い手が圧倒的に見つかりやすくなります。契約手続きも代行してもらえるため、知識がなくても安心して任せられるのがメリットです。
空き家専門の管理サービスを利用する
「空き家を手放したくないけれど、自分で管理するのは難しい…。」そんな場合は、空き家専門の管理サービスを利用するのがおすすめです。
空き家専門の管理サービスでは、空き家のお手入れや管理を代行してもらえます。高齢者や空き家が遠方にある人にとって、嬉しいサービスです。
空き家管理サービスの内容はさまざまですが、月に数回のお手入れに加えて、24時間の監視カメラを設置することも可能です。監視カメラがあればサービス内容を自分の目で確認でき、不法侵入なども防げます。
- 空き家を手放したくない
- 家族が将来住む予定がある
- 空き家をどう活用するかまだ決めかねている
そういった人は、空き家専門のサービスを利用して、管理代行してもらうと安心です。また、空き家に届く郵便物にお悩みの場合、「日本の住所に届く紙の郵便物をWEB上で受け取り・管理できるクラウド私書箱MailMate」というサービスで解決できるかもしれません。
終活の一環として早めに専門家に相談する
空き家を活用する選択肢は増え続けています。売却、貸付、解体、リフォームしてビジネス活用…どの選択肢が適切かは、ケースバイケースです。絶対に売れないと諦めていた空き家が、少しのリフォームで高値で貸付できることもあります。
空き家問題で悩んだら、終活の一環として、早めに専門家に相談して決断するのがおすすめです。早く取り組むほど、損をせずに空き家を手放す選択肢が広がります。
「終活サポート」では、住まいの終活として、空き家問題のご相談もお引き受けしています。空き家は放置していると、将来的に家族に迷惑や負担を掛けてしまう可能性があります。
大切な資産である空き家は、自分たちの代で、適切な形で処分することが大切です。空き家問題で悩んだら、どんなに小さなことでも構いません。お気軽にご相談ください。
空き家問題の活用成功事例
空き家問題で悩んだら、活用成功事例を参考にするのがおすすめです。思わぬアイディアや選択肢が、浮かび上がるかもしれません。空き家問題の国内の活用成功事例を紹介します。
木造の古い空き家を現代風にリフォームして若い世代に貸付け
空き家問題の活用成功事例で多いのが、現代風にリフォームして貸付をするケースです。木造で古い空き家も、水回りや窓などの状態を整えれば、すぐに住めるようになります。
古いデザインの壁を張り替え、畳をフローリングに変更すれば、雰囲気は大きく変わります。現代風にリフォームすれば、若い世代からの人気が高まり、貸付先が見つかりやすくなります
古民家カフェとしてビジネス運用
田舎の空き家を雰囲気そのままに改修し、古民家カフェとしてビジネス活用に成功した例です。最近は若い世代を中心に、昔ながらの古民家が落ち着くと人気を集めています。
田舎で立地が悪いのでビジネスは成り立たないと考える人もいますが、SNSを上手く活用すれば、地方でも集客は十分可能です。自分で古民家カフェや飲食店を立ち上げたり、個人事業主や法人に貸付したり、手段はいろいろとあります。
1日1組限定の高級民泊として運用して、成功している事例もあります。
事務所として使っていた空き家を貸倉庫として活用
事務所として使っていた空き家は、構造的に住まいとしてリフォームしにくい場合があります。住まいとして活用できそうにない場合は、貸倉庫に改修してビジネス活用する方法も。
貸倉庫は個人向けと法人向けがありますが、立地や周辺環境に合わせることが大切です。貸倉庫はセキュリティ対策を徹底すれば、無人で運用できるため、人件費などが発生しないことがメリットです。
以前の空き家の使い道にこだわらず、視点を変えてみると、思わぬ活用方法が見つかるはずです。
空き家問題の対策では前向きな選択肢を(まとめ)
空き家問題は日本で深刻化していますが、対策方法はたくさんあります。 古い空き家も管理の徹底や少しのリフォームなどで、大きく生まれ変わる可能性があります。 終活の一環として空き家問題に向き合い、活用方法を考えれば、家賃収入など新たな資産が手に入ることも。
思い切って解体する場合も、自治体の補助金を利用すれば、費用を抑えて実行できます。 空き家問題で悩んだら、不動産会社や専門家に相談して、判断するのがおすすめです。 専門家に相談をしてアドバイスを受けることで、思わぬ活用アイディアが浮かぶこともあります。 空き家は問題が大きくなる前に、早めに対処に取り組むようにしましょう。
今日のポイント
- 空き家問題の対策は早いうちに取り組んでおけば大きな問題にはならない
- 空き家問題が日本で深刻化している理由は少子高齢化と新築住宅の供給過多
- 空き家問題の対策5つは「思い切って解体」「リフォームして貸付け」「不動産会社に仲介を依頼して売却」「空き家の管理サービスを利用」「終活の一環として早めに専門家に相談」
- 空き家問題の活用成功事例には◯◯や◯◯がある
【監修】末藤 康宏(終活専門不動産 ディレクター)
これまでの略歴
公認不動産コンサルティングマスター
宅地建物取引士/AFP/管理業務主任者/
福祉住環境コーディネーター/承継寄付診断士
介護職員初任者研修課程 修了
これまでの略歴
公認不動産コンサルティングマスター
宅地建物取引士/AFP/管理業務主任者/
福祉住環境コーディネーター/承継寄付診断士
介護職員初任者研修課程 修了
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