鎌倉新書「いい葬儀」インタビュー第1回「葬儀にまつわるお金の実態」
鎌倉新書「いい葬儀」インタビュー
“良い葬儀”にするために「いい葬儀」が出来ること
第1回「葬儀にまつわるお金の実態」
誰もがいつか“死”を迎える。
その“死”に至るまでに、自分がどう過ごしたいかについて考えていても、自分の“死”の後に「自分がどのように葬儀をされたいのか」という、本当の最後について考えることが、自分や家族のために繋がるのを理解している人はどのくらいいるのだろうか。
今回は、“良い葬儀”を行うために準備しておきたいことについて、日本最大級の葬儀相談・依頼サイトである「いい葬儀」の写真左:村上さん(以下、村上)と写真右:小林さん(以下、小林)に伺った。
まず”葬儀社を選ぶ”ことから始まると思うのですが、いつから準備をしておくべきですか?
村上:
まず、事前に考えた方が結果的に満足度や、本人にとって良い葬儀になれる可能性は高いと思っています。
事前に選んでおかなかった場合、病院で亡くなった時に選び始めることになるんですけど、病院で亡くなられた後って、短い間にやることが結構いっぱいあるんですよ。
故人のエンゼルケアって呼ぶのですが、ご遺体をきれいにして、その後死亡診断書とか退院手続きを済まして、そこから親戚の方に訃報連絡を入れて…。
様々なことを同時に進めないといけない一方で、更に葬儀社を選んで、葬儀社にもそれを手伝ってもらわなきゃいけなくなっちゃうんで、”良い葬儀社”を選ぶ時間ってほぼないんですよね。
病院側はその点について把握をしているので、病院に常駐している葬儀社をおすすめしちゃう。患者のご家族も葬儀社を探す術を知らない状態がほとんどなので、基本的には病院に常駐している葬儀社に言われるがままに流れていくことになるんです。
葬儀社が「どういう葬儀にしたいですか?」と尋ねても、家族側は知識がないので「わかんない」「おまかせします」ってなる。そうなると、葬儀社としては失礼のないようにと、オプション盛り盛りの葬儀になってしまう。
「そこまでオプション盛り盛りの葬儀を子供にして欲しかったのか」というと、実は望んでいないパターンって結構あると思うんですよね。
なので事前に準備しておくと、結果的に不必要なことをしなくて済むし、葬儀社の選定に、手こずってる時間があるのなら、故人を最後に見送る、最後の時を過ごすってところにあてられるので、やっぱり事前に探しておいた方が良いかなと。
事前に葬儀社を探さないで、お亡くなりになってしまった時、病院で勧めてきた葬儀社を使って、実際に起きたトラブルとか、悪い葬儀社だったなっていうクレームってあったりします?
村上:
いっぱい、ありますね。
小林:
やっぱり病院だと情が移ってしまうので、「看護師さんにお世話になったから」「断れなかったから」みたいな感じで病院に任せるケースがあるんです。
実際に私がコールセンターで経験したのは、「先生だと思って処置をさせていたら、白衣を着た葬儀社だった」という件で、「隣にもうその葬儀社さんがいるから、本当は断りたいんですけども、断れない」という問い合わせでした。
現金30万円を用意してくださいって言われていて、要は脅迫に近い状態だったんですね。
なので、私が娘に成り代わって「私葬儀社に勤めているんですよね」と言ったら、その葬儀社がすぐに引き下がったんですよね。
本当に誠意をもってやってる葬儀社さんもいらっしゃるんですけども、そうやって脅されちゃうケースがあるので、葬儀業界全体のイメージが悪くなるっていうのは実際にありますね。
そういったリスクを知っている知らないは別にして、葬儀社を探すタイミングが来た時に「いい葬儀」を使って、「こういう葬儀社を探したいんですけど」っていうお問い合わせってくると思うんですけど、その部分は御社の方でやっていただけるサービスなんですよね?
村上:
そうですね。葬儀社からすると当たり前ですけど、もううちに頼まないといけないんだよ、みたいな空気を病院からお迎えした時点で出し続けるんですね。それでもう競合がいなくなるので。
でも本当は、病院から安置所にお迎えした後の葬儀って、実際別会社でも良いんですよ。そういうことも葬儀社は伝えないんですよね。
でも「いい葬儀」だったら、そういうとこも別に包み隠さず言うし、価格とかでご不満があれば、他にリーズナブルに出来る葬儀社もありますので、っていう提案もどんどんしています。
それが結果的に選択肢を増やすことで、ご家族の満足度に繋がるっていう風にはお手伝い出来ていると思っています。
ユーザーから1番ありがたいのは、お金の部分が明瞭で、不透明な費用が発生しないというところであり、ユーザーメリットの1つですよね。あとは、悪しき慣習をヘッジ出来るっていう部分は、いい葬儀さんのすごい強い部分ですね。
小林:
葬儀社出身のメンバーが在籍しているので、具体例や様々な事例を知っていることもあり、「いろいろ騙されないで」っていうのは言えます。「こういうことが、実際にありますよ」とお客さんに伝えると、お客さんも「そうなんだ!」ってなりますね。
あとは最終的に他社のポータルサイトで葬儀社を決めてもらっても構いませんが「確認しなきゃいけないことは、ポイントはこうこうこうですよ」ってお伝えすると、感謝はもちろんされるんですけど、最終的に弊社に戻ってきますね。
確認しなきゃいけないポイントをあげて頂いてもいいですか。
小林:
まずは追加料金ですよね。葬儀では、備考欄みたいな、ちっちゃなコメントがものすごい重要なんですよね。パッケージはわかりやすくて良いんですけども、最終的に見積もりと請求書の差が大きく出る時があります。
安かろうが悪かろうでも良しとする御喪家さんも、もちろんいらっしゃいますから、何とも言えませんが…。
あと、別の所に問い合わせたら「当日じゃないとホールを使う葬儀社はわからない」という声をお客様から頂いたことはあります。
そうなんですか!
小林:
「葬儀社と事前に見積書とかちゃんとやっておきたいのに、会えないのよね」って問い合わせがあるのですが、「うちは会ってもらって、納得してもらえるようにします」って切り返していますね。
葬儀社と最初に会って、いろいろ決めて、プランニングをしたうえで合意する。そのように進めていくってところがベストなんですね。
村上:
あと、事前に考えておくと良いことは、身内や家族でのコミュニケーションを取って、本人と葬儀の意志について出来るだけ話しておくことですね。
今エンディングノートも、少しずつ広がり始めてますが、危篤になった後だと話し合うことは無理なので、ある程度元気なうちに葬儀について決めておかないといけないですね。
そうですよね。元気なうちにそういうことは決めておかないと難しいですよね。
村上:
葬儀の際のトラブルでよくあるのは、親戚がすごい口を出してくるってことです。
「故人、親の人間関係が不明で、誰に訃報連絡を入れるべきかわからない」から身内のみでやったところ、人づてに知った人たちが、1年ぐらいずっと断続的にやってくるのに、対応しなくちゃいけないのが疲れるっていう。
小林:
それで、親戚を出さなきゃいけないから、四十九日で、もう1回葬儀っぽいことをやるんですよ。それなら最初からきちんと葬儀をやれば良かったって話になっちゃうんですよね。
やっぱり、誰か1人がちゃんと葬儀社さんと進めて、主導権もって進めないとダメってことですよね。
小林:
あと互助会に入っている方にあるケースなんですけど、10年ぐらい前の互助会だったりするんですよね。
そうすると、自分らが引っ越していて、実際使えないことが発生しています。そうなると、「この積み立てどうしましょう」となる。葬儀では使えないけど、規約によっては後々返礼品や四十九日のお返し物に使えるかもしれないですっていうアドバイスはします。積み建てていることを知らない人もいますけどね。
いや、知らないって人も多いんじゃないですかね。「そんなの入ってたの?」みたいな。
第2回インタビュー「私たちのユーザー目線であるからこその強み」に続く…
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