ペット終活の始め方~内容・始める時期・ペット保険・信託~

ペットにも終活があることを知っていますか?終活内容は人間のものと似ていますが、ペットの終活はペットを想う気持ちがあってこその活動です。愛するペットのために終活を始めてみませんか?

ペット終活とは?

ペット終活の始め方~内容・始める時期・ペット保険・信託~01

人間と同じように犬や猫などペットにも終活があります。終活の目的は、ペットの老後に備えるため、ペットより先に飼い主が亡くなった時にペットが困らないようにするため、の2つがあります。

ペットの終活とは言っても、実際に活動をするのは飼い主です。時間をつくるのはなかなか大変ですが、家族の一員であるペットのためにもペットがシニア期に入ったら元気であっても少しずつ準備をしたほうが良いでしょう。また、ご自分の終活の際にも残されたペットの生活についても考えましょう。

ペットの終活内容

病気やケガに備える

人間と同じようにペットも今は元気でも、老後になると病気やケガのリスクが大きくなります。万が一の時、治療費や入院費などの金銭的負担が原因で望ましい治療を諦めなくて済むようペット保険を考えておきましょう。また、信頼できる獣医師を家の近くで探しておくことも必要です。

介護に備える

介護が必要になった時の方針(どこで・誰が介護をするのか)、延命治療の希望について考えておきましょう。介護施設として、老犬ホーム・老猫ホーム、デイケア、ショートステイがあります。また、ご自宅での介護では訪問介護サービスもあります。自宅と施設・病院の移動に徒歩・自家用車が使えない時には、近所でペットタクシーのサービスを提供している会社を探しておくと便利です。

供養について考える

ペットの葬儀、土葬と火葬の選択、お墓、お仏壇について考えておきましょう。きちんと供養することでペットロスを癒すことができます。

ペットより先に飼い主が死亡した時の備え

ペットより先に飼い主が死亡した時、その後のペットの生活について考えておきましょう。お世話をお願いしたい人がいれば事前に相談して了承をもらっておくと良いでしょう。何もしないまま飼い主が死亡すると、餓死したり保健所に連れて行かれたりするかもしれません。 ペットを引き取ってくれた人がきちんとお世話をしてくれるか心配な人におすすめなのは、ペット信託です。ペットのお世話に必要なお金の管理を行い、きちんとお世話をしているかを監視してくれます。

 

ペット終活の目的と準備が必要な理由

ペット終活は何のためにするの?

ペット終活は、飼い主とペットのどちらが先に亡くなったとしても、残された方がその後も幸せな生活を送るために行います。

ペットが先に亡くなってしまった場合、飼い主のペットロスを和らげることができます。ペット終活を行う中で“ペットの死”を想像し、今しかできないことやペットとの時間を精一杯楽しむことで後悔から引き起こされるペットロスの悲しみを和らげるのです。

飼い主が先に亡くなってしまった場合、家に残されたペットが餓死したり、お世話をする人がいなくなって保健所で殺処分されてしまう可能性があります。

なぜ早いうちからの準備が必要なの?

今は若くて元気なペットもいつ怪我をしたり病気になるかはわかりません。急な怪我・病気が原因で延命措置を行うか安楽死にするか決断をせまられることもあります。家族でペットを飼っている場合は、家族一人ひとりの考えがあり話し合う時間も必要ですし、突然の出来事に冷静な判断ができないこともあります。もしもの時が来ないことを願いつつ、早めに準備しておく方が安心です。

また、ペット保険は、健康な時にしか加入できない場合や年齢制限を設けている場合があります。早めに備えをしておかないと費用の問題で必要な治療ができなくなることもあるのです。

ペット終活でやっておきたい8つのこと

ペット終活の始め方~内容・始める時期・ペット保険・信託~03

①医療費に備える

ペットには公的な保険制度がないため、病院での診察・治療・投薬の費用は飼い主の10割負担です。医療費の備えは大変重要で、いざという時に希望する治療を諦めざるを得ない可能性があります。備えとしては、貯金の他に「ペット保険」があります。既に加入していても、ペットがシニア期になる頃にもう一度見直して必要な補償が揃っているか確認しましょう。

②介護場所を決める

ペットの介護が必要になった時の介護場所を決めましょう。自宅介護のほか、老犬ホームや老猫ホームなどの施設を利用することもできます。自宅で介護する場合でも利用できるサービスもあります(訪問介護サービス、デイケア、ショートステイ、など)。

③延命治療の希望を決める

ペットが病気や怪我で回復の見込みがない時、延命治療をするか、安楽死にするかを決めておきましょう。家族でペットを飼っている方は、家族全員で話し合っておきましょう。

④看取る場所を決める

ペットが最期を迎える場所を決めておきましょう。自宅・動物病院・施設(老犬ホーム、老猫ホーム、など)などから選びます。

⑤葬儀方法を決めておく

ペットが亡くなってから埋葬まではあまり日にちがありません。お葬式の有無、お葬式をする場合にはお葬式のタイプ(合同葬、一任個別葬、立ち会い個別葬、自宅葬)を決めておきましょう。火葬を希望する場合には、お住まいの自治体の火葬場にペット用の火葬施設があるかを確認しておきましょう。

⑥供養方法を決める

ペットの遺骨をどのように供養するか(ペット霊園、飼い主と同じお墓に入る、手元供養、散骨、など)を決めておきましょう。

⑦次の飼い主探し

飼い主が先に亡くなった時、次の飼い主を探しておきましょう。親戚・友人にお願いすることや里親探しの団体・施設(老犬ホーム)にお願いすることもできます。ペットのお世話に必要なお金を確実に遺したい時やペットがきちんとお世話されているか心配な方は「ペット信託」がおすすめです。故人(飼い主)に代わってお金の管理・飼育状態のチェックをしてくれます。

⑧ペット専用のエンディングノートを作成する

ペット専用のエンディングノートは、飼い主が先に亡くなったり、万が一のことが起こった時に、ペットの情報を次の飼い主に伝えるための大切なノートです。ペットの名前や年齢のほか、かかりつけ病院の情報、持病、病気や健康状態の既往歴、予防接種の記録、いつも食べているご飯のこと(内容・時間)などを記録することができます。

早め派と遅め派を比較してわかった ペット終活を始めるタイミング

ペット終活はペットの年齢に関係なく、いつから始めても構いません。できれば、飼い主もペットも元気なうちに始めることが理想的です。

早めにペット終活をした場合

  1. 飼い主の万が一の時に安心
    飼い主が一人暮らしの場合、急な病気・怪我で入院してしまうとお世話をする人がいない家にペットが残されてしまうことになります。一時的に誰かにお世話をお願いする場合にはペット専用のエンディングノートの情報が役に立ちます。また、これ以上ペットを飼うことが難しくなりそうな場合や飼い主が亡くなった場合にも、次の飼い主が決まっていれば安心です。
  2. ペット保険の選択肢が広がる
    ペット保険には、健康なうちにしか加入できない保険や年齢制限がある保険があります。ペットが若く健康なうちに保険を選ぶと、幅広い選択肢があります。
  3. ペットとの生活がより大切な時間になる
    ペット終活をする中で、いやでも“ペットの死”について考えることになります。すると、今まで以上に愛情が湧いてくるはずです。

ペット終活を遅めにした場合

  1. 飼い主の不調でペット終活をするのが大変になる
    飼い主の病気・怪我・加齢などが原因で思うように体が動かせなくなると、終活を進めるのが大変になります。
  2. ペット保険の選択肢が狭くなる
    ペットが病気・高齢になってからペット保険に加入しようとすると、ペットが健康なことが条件である保険や年齢制限がある保険を諦めなくてはなりません。
  3. ペット保険の保険料が高くなりやすい
    ペットが高齢になる程、保険料は高くなりやすい傾向にあります。

医療費負担を減らす “ペット保険”

ペットには公的保険制度がなく、病院での治療費は全額負担になります。骨折やガンなど大きな手術となると治療費は数十万ということも珍しくありません。そのような時に飼い主の経済負担を軽くしてくれるのがペット保険です。

ペット保険はさまざまな保険会社で取り扱っており、補償プランは保険会社ごとに異なります。

月々の保険料を決めるのは、

  1. ペットの種類と年齢(年齢が高くなる程、保険料は高くなりやすい)
  2. 補償内容と補償割合(補償対象となる疾病が多く、補償割合が高い程、保険料は高くなります)
  3. 特約(特約の数が多くなる程、保険料は高くなります)

以上の3つです。

安くても補償内容が少ないと、せっかく保険に加入しているのに全額負担となるケースもあります。安さだけに縛られず、今後のリスクをしっかりカバーしてくれるプランを選びましょう。

加入前に確認しておきたいこと加入できるペットの種類犬と猫はほとんどの保険会社で加入できますが、小動物(うさぎ、ハムスター、など)・鳥類(インコなど)・爬虫類(トカゲ、カメ、など)は取り扱っていない保険会社もあります。 ・補償対象外の疾病全ての疾病を補償してくれるわけではありません。動物によってかかりやすい疾病がありますので、その疾病が補償対象外となっていないか確認しましょう。

補償内容

メインの補償内容は、通院・入院・手術です。

ただし、これらの全てが補償されるわけではありません。通院分野ではワクチン接種・健康診断、手術分野では去勢・避妊・妊娠・出産は補償対象外となり飼い主の全額負担となる場合が多いです。

また、オプションとして賠償責任(人に噛みついた・物を壊した)・火葬費などを補償してくれるプランもあります。

補償タイプ

定率補償タイプ

日本国民の公的保険のように、常に一定の補償割合で治療費を補償してくれます。補償割合は50%・70%・100%など選択式になっている会社が多いです。ただし、日額や日数・回数などの条件によって補償できる限度額が決まっているため、限度額を超えた分は飼い主負担となります。

定額補償タイプ

“通院1日につき最高1万円”“入院1日につき最高1万円”“手術1回につき最高3万円”など、1日や1回の治療にかかった費用を限度額まで補償してくれます。限度額を超えた分は飼い主負担です。ただし、年間の補償限度日数・回数が制限されているため確認が必要です。

実費補償タイプ

年間の補償限度額を設定し、その限度額に達するまで1回の治療費の金額に関係なく補償してくれます。ただし、年間の支払い限度回数に制限があるので確認が必要です。

動物病院窓口での使い方

ペット保険に加入すると、「保険証」が届きます。動物病院等の窓口に保険証を提示すると、加入している補償プランに従った治療費が請求されます。

飼い主の死後もペットを見守ってくれる“ペット信託”とは?

ペット信託とは、飼い主の死後、ペットの飼育環境や必要なお金(エサ代、病院代、など)を管理するしくみのことです。代わりにペットを飼ってくれる人(知人や里親)・団体(老犬ホームなど)を決めておき、飼い主の死後はそこでペットの新しい生活が始まります。そして、飼育に必要なお金は契約先(信託会社など)から代わりにペットを飼っている人・団体へ支払われます。

愛するペットの生活を保証するのがペット信託の役割です。

ペット信託のメリット

1お金を確実にペットのために残すことができる
遺言としてペットのお世話とお金を託したとしても、お金だけをもらって世話をしない可能性があります。しかし、ペット信託ではペットの世話をする人とお金の管理をする人が別なので、お金だけもらってお世話をしないということは発生しません。また、信託財産は相続財産とは別の扱いになるため、相続争いにペット信託用のお金を使われずにすみます。
2適切にペットがお世話されているかチェックできる
「信託監督人」を決めておくと、信託内容通りに適切にペットが飼われているかをチェックしてくれます。適切な飼育が行われていない場合は飼い主に対して改善させることができるので安心です。信託監督人は信託契約を作成した者(弁護士、行政書士、司法書士、など)が担当します。
3認知症や老人ホームへの入所などで飼えなくなった時にも利用できる
ペット信託は飼い主の死亡だけでなく、認知症や大病を患った時、老人ホーム等の施設へ入所する時など飼うことが困難になった時にも利用できます。ペット信託を契約する際にご相談ください。

ペット信託の契約先

ペット信託を契約したい方は、次のところへ相談しましょう。事前にペット信託を取り扱っているか確認しておくとスムーズに進みます。

  • 信託銀行
  • 信託会社
  • 弁護士
  • 行政書士
  • 司法書士

愛するペットの死は考えたくないものです。しかし、自分より長生きした時は誰がお世話をしてくれるだろう、という心配もあります。どちらの場合にもペットが不自由なく一生を送れることができるよう、しっかりとペット終活をしておきましょう。

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