終活のお役立ちニュース "悲嘆とどう向き合うか?「ともに悲嘆を生きる」図書販売"
グリーフケアとは
2019年4月10日に上智大学グリーフケア研究所所長の島薗進氏による『ともに悲嘆を生きる グリーフケアの歴史と文化』(朝日新聞出版社)が販売された。
グリーフ(悲嘆)ケアは、人間であれば、避けられない死、予期しない自然災害による突然の身近な人の死、そんなとき、残された人たちの悲しみを分かち合い、心に寄り添うケアだ。
「悲嘆を生きる」を様々な視点でひもとく
宗教学者である著者は、本の各章で、戦争、宗教、文学、歌の他方面からグリーフ(悲嘆)をひもとく。
宗教者が東日本大震災発生の後に、特定の宗教、宗派に関係ない方へのケアに積極的にかかわる傾向がある。
ここでいう宗教者とは僧侶を指している。主に葬儀や法事が活動の場であるが、災害支援活動やグリーフケアに強い関心があることを述べる。
曹洞宗青年会は被災地で「カフェ・デ・モンク」と呼ばれるカフェ活動を開いた。
その活動は、多くの被災者に受け入れられ歓迎された。被災者の多くが、身近な人の死による「喪失」を抱える中で、カフェが、悲しみを分かち合い、死を受け入れる場になるという。
著者はあとがきで、述べる。
喪失による悲嘆は、人生の意味が問われる大きな経験だ。私にとってもそうだった。アカデミックな場以上に、悲嘆を抱える方々、また悲しむ者に寄り添おうとする方々とともに学び、考えてきたことが大きい。(著者「あとがき」)
本著は、私たちの身近に起こりえる災害や事故、別離により「ひとり」になったとき、孤独感に耐え、生き抜くための力の源になるのではないだろうか。
(画像は朝日新聞出版社ホームページより)
▼外部リンク
ともに悲嘆を生きる グリーフケアの歴史と文化
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20899
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