お墓を建てるときの流れをご紹介

お墓を建てる経験は一生に数回あるかないかという貴重なものです。お墓を建てるときの流れについて「そもそもイメージが涌かない」と悩む人もいるでしょう。

お墓を建てるときの流れについてイメージが涌かないと、ついつい石材店に全てお任せになってしまったり、行き当たりばったりの打ち合わせになってしまったりします。結果、選択肢を全て把握できないままお墓を建て、後から「やはりああすればよかった」と悔やむことになりかねません。

この記事では、お墓を選ぶときに始まり、お墓を建て、納骨するまでの流れを時系列で詳しく紹介します。今からお墓選びを始める人にとっても、すでにお墓を建て始めている人にとっても必読の情報が満載です。

お墓を選ぶまでの流れ

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まずは「お墓を建てよう」と考えてから、お墓を選ぶまでの流れをご紹介します。世の中にはお墓の情報が豊富にありますが、この手順に沿ってセレクトすると、スムーズに決まります。

エリアや予算、契約形態について大まかな希望を固める

お墓を建てるエリアは、自宅や子世代の家から遠くても一時間程度で行ける範囲とするのがおすすめです。あまりに遠いとお墓参りが困難になるためです。

契約形態としては大きく分けて2タイプがあります。お墓の承継者が年間管理費を支払い続け、後代まで家のお墓として利用できる「承継墓」タイプと、契約時に必要な費用を一括で支払い、承継者を立てる必要のない「永代供養」タイプです。

一般的に「お墓を建てる」となれば承継墓を建てることを指しますが、子世代にお墓を継ぐ意思がなければ建てられません。子世代ともよく相談し、どちらかを決めましょう。

お墓の費用は、土地を使用するための「永代使用料」と、墓石を建立するための費用を合わせたものです。まだ漠然とで結構ですが、だいたいの予算を決めておくと、あまりに予算からかけ離れたお墓を検索対象から除外することができます。

希望エリア内で情報収集をする

希望のエリア、契約形態、予算が決まれば、情報収集を始めます。広告や看板をチェックするほか、インターネットでもエリアを絞って情報を集めましょう。 なお、市区町村役場の担当部署に問い合わせ、公営墓地の募集要項を取り寄せるのもおすすめです。

候補となる霊園を見学する

希望に沿った霊園が見つかったら、見学予約を入れます。見学の際はなるべく家族に同行してもらい、霊園の雰囲気や清掃の行き届き具合、設備の充実、係員の対応をみんなでチェックしましょう。 なお、「こんなデザインの墓石がいい」と希望が固まっているのであれば、建てられる墓石のデザインが分かるパンフレットを見せてもらうのが大事です。 最低でも2、3の霊園を見学して比較検討しましょう。家族会議を行い、アクセスの良さや費用だけでなくトータル面を評価して霊園を決めます。

お墓を選んでから建てるまでの流れ

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霊園選びが済んだら、いよいよお墓を建てます。自分だけでなくお墓参りをする家族の意向も尋ねながら、1つずつ決めましょう。 公営墓地であれば石材店は自由に決められますが、民営霊園の場合はほとんど提携の石材店があります。ここでは、石材店が決まっていると仮定して流れを解説します。

石材の種類を選ぶ

まずは墓石に使う石材を選びます。国産でランクの高い石材と、外国産の石材とでは費用に10倍もの開きが出ることもありますが、外国産だからといって耐久性が劣っているとは限りません。 まずはインスピレーションで、好ましいと思える色味の石材をいくつかピックアップしてみましょう。その後、石材店に値段や特徴を尋ね、2~3に絞ります。桜色など華やかな色味、模様のハッキリ出ている石に惹かれるなら、サンプルだけでなく実際の墓石に使用したときのイメージを確認できると安心です。想像よりも華々しい墓石になる可能性があるためです。

お墓のデザインを選ぶ

好みの石材を2~3に絞ったら、お墓のデザインを選びます。石材店にサンプルを見せてもらいながら、まずはインスピレーションで複数のデザインを選んでみましょう。 墓石の費用は、石材の種類と量で決まります。好みの石材とデザインで予算通りに仕上がるかをシミュレーションしてもらいましょう。また、好みの石材で仕上げたとき、どんな墓石になるかイメージするのも大事です。 その後、墓石の彫刻文字を決定します。「○○家」と刻む人もいれば、「愛」「夢」など好きな文字を刻む人もいます。

石材店と施工スケジュールを打ち合わせる

お墓の工事を開始する日や完了日について、石材店と打ち合わせます。お墓の建立については、大安吉日など縁起の良い日に施工を開始する必要はありません。いつ建てても良いとされています。 もし間に合わせたい日程があれば意識しましょう。ただ、一般にお墓の建立には2~3ヶ月かかり、亡くなってから「四十九日法要に間に合わせたい」と考えても、なかなか難しいといえます。

工事開始

いよいよお墓の工事が開始されます。家の改築などでは、工事現場のみなさんにお茶やお菓子を振る舞う、上棟式を行うなどの風習がありますが、お墓の工事には必要ありません。ただ、工事のある日に様子を見に行き、現場の方々に労いの言葉を掛けたり差し入れをしたりすれば、とても励みになるでしょう。

お墓を建ててから納骨するまでの流れ

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お墓を建てたら、すでに遺骨がある場合は納骨します。まだ遺骨がない場合は、開眼供養だけを行うか、葬儀が発生するまでそのままにしておくことも可能です。

お墓が完成する

お墓の完成日が近づいたら納骨式の日程を決めます。新しいお墓に納骨する際は、開眼供養が必要です。開眼供養とは、墓前の読経によりお墓をただの「もの」から参拝の対象にする儀式です。 菩提寺や納骨式に参加する親族と打ち合わせてスケジュールを決めましょう。納骨式後に会食するなら、会食場所も押さえます。

開眼供養を行う

納骨式当日、墓前に花や供物をお供えしたら、開眼供養を行います。読経の間や後に、線香を捧げます。

納骨を行う

開眼供養が終わったら、そのまま納骨を行います。納骨後にも線香をお供えし、会食がある場合は会食場所へ向かいます。

【まとめ】お墓選びは手順通りに、家族と一緒に進めよう

お墓を建てるときに大事なのは、お墓選びの段階から1つずつ手順を踏んで進めることです。手順を見失うと、膨大なお墓の情報に圧倒され、身動きができなくなってしまいます。

また、デザインや彫刻文字を決める際は特に、一緒にお墓に入る家族の意向を尋ねましょう。独断であまりに個性的なデザインや文字にしてしまうと、後で家族が使いにくくなってしまうためです。

最近では墓石に「○○家」と彫るのをためらう人が目立ちます。家がどのくらい存続するか分からない世の中だからです。少しでも懸念がある場合は、好きな文字や「ありがとう」など、「家の墓」であることを意識させない文字にしましょう。

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【監修】奥山晶子(終活カウンセラー、FP(2級))

奥山晶子

これまでの略歴

葬儀業界を経験した後、出版社勤務を経て終活全般のライターへ。2012年より2年間「葬送の自由をすすめる会」理事。終活カウンセラー、FP(2級)。近著に『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)がある

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