終活年賀状とは?簡単3ステップで書く方法

終活年賀状を出したいけれど相手にどう思われるか心配で出せない、という方は意外に多いのではないでしょうか。相手を不愉快にさせない書き方のコツをおさえながら、今年こそ終活年賀状を出してみませんか。

終活年賀状とは?

終活年賀状とは?簡単3ステップで書く方法01

終活年賀状とは、“来年から年賀状のやり取りをやめます”という旨を書いた年賀状のことです。終活を行っている70代・80代のほか、40代から終活年賀状を送るという方もいるようです。

今まで年賀状のやり取りをしていた全ての人を対象にやり取りを辞退する方法と、身辺整理を目的とし今後ご縁がないと思う人だけを対象にする方法があります。

年賀状のやり取りをやめる理由としては、次の4つが挙げられます。

  • 高齢になり身体の問題(目が見えにくい、手が痛い、など)で年賀状を書くことが大変
  • もうつながりのない人と義理でやり取りすることに疑問を感じている
  • 経済的な負担
  • 時間的な負担

一見すると縁切り状とも誤解されてしまいそうな終活年賀状ですが、何も言わずにやめるよりはきちんと挨拶をしておきたいという考えの方にはぴったりです。

ただし、文面に気をつけないと相手を傷付けることになるので注意が必要です。

終活年賀状の書き方と挨拶の例文

終活年賀状の書き方で一番気をつけたいことは、“相手に不愉快な思いをさせないこと”です。

どんな理由であれ、今までのやり取りをやめたいという内容に変わりはありません。できるだけやわらかな印象の言葉を選び、相手への配慮を忘れないようにしましょう。

文面は至ってシンプルです。年始の挨拶の後、以下の3ステップの順に書きます。

ステップ0:年始の挨拶
ステップ1:年賀状のやり取りをやめる旨+理由
ステップ2:相手への感謝・お詫び
ステップ3:今後も良好なお付き合いをしたい旨

それでは各ステップをみていきましょう。

ステップ1:年賀状のやり取りをやめる旨+理由

高齢になり身体の問題で書くことができなくなった、というのが理解してもらいやすい理由です。他にも祝い年や定年退職など、人生の節目の理由も良いでしょう。

本心であるとしても自己都合(忙しい、ハガキ代節約、もう付き合いたくない、など)の理由を書くことは避けましょう。相手に不愉快な思いをさせてしまいます。

また、年賀状を送る人を取捨選択しているという印象を持たれないようにするため“どなた様へも”“皆さまへの”という言葉をつけるのも相手を不愉快にさせないコツです。

例文

・私も寄る年波には勝てず、文字の読み書きがつらくなってきたため、本年をもちまして年始のご挨拶を失礼いたします。

・高齢のため筆をとるのが難しく、どなた様へも年始のご挨拶を今年限りとさせていただきます。

・私も古希を過ぎ、手足の衰えを感じるようになりました。そのため、本年をもちまして新年のご挨拶状を遠慮させていただきたいと存じます。

・私事ではございますが、本年をもって長年務めた職場を定年退職することになりましたので、今年限りで皆さまへの年賀状をお送りすることを控えさせていただきます。

ステップ2:相手への感謝・お詫び

相手への気遣いを述べましょう。今までのお付き合い・年賀状のやり取りに対する感謝の気持ち、自分の都合で年賀状のやり取りをやめることへのお詫びを書きます。

例文

・長年にわたりまして心温まる賀状を賜り、誠にありがとうございました。

・長い間お付き合いいただき、本当に感謝しております。

・勝手ではございますが、どうかご容赦ください。

・ご無礼をどうかお許しください。

ステップ3:今後も良好なお付き合いをしたい旨

“やり取りをやめるのはあくまでも年賀状だけであって、今後もお付き合いは続けたい”という旨があると相手の気持ちもなごみます。実際に習いごと等で会う機会がある人には具体的な内容を書いても良いでしょう。

例文

・今後も変わらぬお付き合いの程、よろしくお願い申し上げます。

・これからもより一層のお付き合いをお願いしたく存じます。

・日頃のお付き合いは今後も続けさせていただければ幸いです。

・より一層、○○の会でお会いできるのを楽しみにしたいと思います。

終活年賀状作成におけるポイント

年賀状のデザイン例

デザイン
終活年賀状だからと言って特別なデザインにする必要はありません。今まで通りにご自分の好きなデザインを選びましょう。最後の年賀状になるのでどうしても丁寧な形にしたい人は、少しフォーマルなデザインを選ぶと良いでしょう。

句読点
年賀状や招待状など慶事の文章には句読点をつけないという日本のルールがあります。理由は諸説ありますが、現在では句読点の有無にとらわれない人も多いです。しかし、目上の方や会社関係の人に出す場合には気をつけた方が無難です。

送る日にち
終活年賀状も通常の年賀状と同様に1月1日から1月7日までに届くように送りましょう。

終活年賀状を出すタイミング 高齢が理由にならない40代・50代は?

終活年賀状には何歳から出しても良いというルールはありません。年賀状を書くということが負担になってしまった時、人間関係の整理がしたくなった時、いつでも構いませんが、やめる理由として年賀状の文面に書きやすいタイミングをご紹介します。

祝い年

60歳の還暦をスタートに長寿を祝う“祝い年”があります。本来は数え年の年齢でお祝いをしていましたが、現在は満年齢で祝う人も多いです。

年賀状での文面には、「還暦を過ぎ~」「還暦を目前に控え~」というかたちで理由にすると良いでしょう。

祝い年の年齢と名前

60歳 還暦(かんれき)
70歳 古希(こき)
77歳 喜寿(きじゅ)
80歳 傘寿(さんじゅ)
88歳 米寿(べいじゅ)
90歳 卒寿(そつじゅ)
99歳 白寿(はくじゅ)
100歳 百寿(ひゃくじゅ、ももじゅ)、または、紀寿(きじゅ)

定年退職

60代で定年退職を迎えたら、そのことを理由にするのも良いです。特に、以前少しだけ仕事上のつながりがあり、その後は会ってはいないが仕事上の礼儀として年賀状を送っていた人との関係を見直す良いチャンスです。年賀状での文面には、「本年をもって定年退職をすることになりましたので~」という理由が良いでしょう。

40代・50代での終活年賀状は早い?

終活年賀状を出しても良い年齢は決まっていないので、40代・50代の人が出しても何も問題はありません。しかし、40代・50代が終活年賀状を出す理由として身体的な負担があることは考えにくく、受け取った側としては“縁切り状”の印象が強くなります。そこで、終活年賀状を出す代わりにその相手との年賀状を自然にやめてみるのはいかがでしょうか。自然にというのは、何も言わずやめてみるということです。

相手からも年賀状が届かなければ、来年以降も出さなくて良いでしょう。もし、相手から年賀状が届いてしまったら、何事もなかったかのように寒中見舞いを出せば角が立ちません。

終活年賀状をもらったら

今度は終活年賀状をもらった時の対応についてです。

終活年賀状を出しても良い年齢が決まっていなければ、もらった時の対応についても決まりはありません。

しかし、“相手から年賀状が来ないのは構わないので、自分だけ出し続けたい”というのは考えものです。相手は年賀状を出さないので何の負担にもなっていない、自分の自由だと思うかもしれませんが、もらった人は気を遣ってしまうので相手のことを考えるならば送付は控えましょう。

では、どのように対応すればよいのでしょうか。2つの対応をご紹介します。

対応その1:そのままにして、来年以降の年賀状は出さない

一番シンプルな方法です。終活年賀状に返事をしなくても失礼にはあたりません。来年以降に年賀状を出さないことで返事をしているようなものです。

対応その2:寒中見舞いなどで返事を出し、来年以降の年賀状は出さない

終活年賀状が届いた相手に自分からも今までのやり取りの感謝など挨拶をきちんとしたい方におすすめの方法です。

年賀状のやり取りは終わりになっても、これまで通りのお付き合いを続けていきたい旨の返事であれば相手側も喜んでくれるでしょう。返事は寒中見舞いやお手紙、メールやSNSなど自由です。ちなみに、寒中見舞いは松の内が終わってから(関西地方は1月15日まで、それ以外の地域は1月7日まで)立春までの間に出します。

終活年賀状をもらったら忘れずに記録を

用紙に記入する終活年賀状をもらった相手に今後、間違って年賀状を出さないように記録をつけておきましょう。

前年の年賀状を見ながら手書きで宛名を書く人は、終活年賀状のハガキに付箋を貼り、年賀状を出さない旨を書いておくと便利です。

パソコンで宛名を印刷する人は、相手の住所録を別のフォルダに移しておくと安心です。

終活年賀状書き方・もらった時の対処法まとめ

・終活年賀状とは、“来年から年賀状のやり取りをやめます”という旨を書いた年賀状のことです。全ての人を対象に年賀状をやめる方法、身辺整理のために一部の人を対象にやめる方法の2種類があります。

・文面で一番気をつけたいことは、“相手に不愉快な思いをさせないこと”です。文面は年始の挨拶の後に続いて、以下の3つを順に書きましょう。

  1. 年賀状のやり取りをやめる旨+理由
  2. 相手への感謝・お詫び
  3. 今後も良好なお付き合いをしたい旨

・終活年賀状を出しても良い年齢は決まっていませんが、終活をしている70代・80代が中心だが、40代から出す人もいます。理由として書きやすいのは祝い年や定年退職です。 40代・50代は終活年賀状の代わりに、何も言わず出すのをやめてみることも角を立てず無難にやり取りを終わらせる方法のひとつです。

・終活年賀状をもらったら、

①そのままにして、来年以降の年賀状は出さない
②寒中見舞いなどで返事を出し、来年以降の年賀状は出さない   

の対応がおすすめです。自分だけ出し続けるのは相手が気を遣ってしまうので避けましょう。

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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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