終活で誰でもすぐに取り組める身辺整理の3つのコツ

「終活の身辺整理って何だか難しそう。」そうお考えの方が多いと思いますが、実はやることは3つだけ。シンプルに考えれば、誰でもすぐに取り組めます。終活の身辺整理でやることと注意点を分かりやすくご紹介します。

終活の身辺整理とは

終活で誰でもすぐに取り組める身辺整理の3つのコツ01

終活の身辺整理は、残りの人生を謳歌するための前向きな作業です。整理するものは財産関係や身の回りの所有物が基本ですが、人間関係も対象になります。

断捨離とは違う

断捨離の目的は一つでも多くのものを手放すことですが、身辺整理は少し違います。身辺整理は自分の死後に家族が困らないよう、身の回りの環境を整えることが目的。

終活において持ち物は少ない方が好ましいですが、断捨離のように無理に処分をする必要はないので、自分や家族にとって本当に必要なものは整理して残しておきましょう。

家族の負担を軽減できる

身辺整理は、大切な家族のためでもあります。自分の死後、家族は悲しみの中でも葬儀の準備や遺品の処分、財産分与の手続きなどやるべきことに追われるのが現実。特に、財産関係の整理が行われていないと家族の揉めごとの原因になります。

遺品となる不要品の処分も判断に困るものが多く、家族を困らせてしまう要因に。身辺整理で家族の負担を軽減できるのは、大きなメリットです。

自分の人生と向き合う大切な時間になる

終活の身辺整理は、これまでの人生を振り返りながら、残された時間をどう過ごしていきたいのかを考えるいい機会になります。

また、身辺整理を行うことで自分にとって本当に大切なものが浮かび上がってくることも。

最近は40〜50代の若い方が終活を始めることも多く、身辺整理を行うタイミングに年齢は関係ありません。終活の身辺整理に取り組むのに早すぎるということも遅すぎるということもないので、自分がしたいと思ったときに実行するのがおすすめです。

終活の身辺整理でやること3つ

終活で誰でもすぐに取り組める身辺整理の3つのコツ02

終活の身辺整理をスムーズに行うコツは、とにかくシンプルに考えること。一度に全てを済まそうとせず、少しずつ取り組んでいきましょう。

①エンディングノートを作成する

エンディングノートは、終活の基本となるアイテムです。

オリジナルエンディングノート各項目ページ

自分の基本情報や死後の希望、遺産についてなどをまとめておくのが基本になります。エンディングノートに書くことは主に、

  • 自分の基本情報(生年月日や本籍地など)
  • 財産・資産について
  • 自分の葬儀の希望
  • 遺品をどう扱ってほしいか
  • 家族や友人へのメッセージ

などです。書くときのポイントは、分かりやすくまとめて読みやすい字を心がけること。受け取った家族がすぐに理解できるように工夫をしましょう。

また、エンディングノートに書くことに明確な決まりはありません。自分や家族のために伝えたいこと、役立ちそうな情報などあれば積極的に書くことをおすすめします。

②財産と所有物を整理してまとめる【具体的な方法】

身辺整理の基本は、財産と所有物を把握して整理することです。

具体的にご説明していきます。

財産を把握する

財産は、お金だけではありません。金融商品(株や投資など)や車、不動産なども該当します。意外と自分でも把握できていないものが多いので、一つ一つ確認していきましょう。

財産になるもの一覧

  • お金(現預金、外国通貨含む)
  • 金融商品(株、投資信託、仮想通貨など)
  • 不動産(土地、建物、店舗など)
  • 債権(売掛金、生命保険など)
  • 家庭用財産(車、宝石、骨董品など)

財産を把握できたら、通帳や重要書類はまとめて一ヶ所に保管します。エンディングノートにその場所のありかを書いておけば、家族がすぐに対応できるので安心です。

人間関係も整理する

終活の身辺整理では、人間関係も見直すことをおすすめします。人間関係を整理するというと少し冷たい印象ですが、そうではありません。残りの人生を本当に大切な人たちだけと関わる決心をすることで、心は軽やかになり、より充実した時間を過ごせるようになります。

人間関係の整理の方法ですが、ぱったりと縁を切る必要はありません。連絡を取ったり会ったりする頻度を減らしてみるだけでも、効果はあります。

また、近年流行しているSNSを利用している方は、ネット上の人間関係と情報の整理もおすすめです。ネット上の情報は自分の死後も残り続け、家族には管理ができない場合があります。終活の身辺整理の一環として、パソコン内のデータやSNSの情報にも目を向けてみましょう。

所有物は売るか処分する

本当に必要なもの以外は、売るか処分するかの二択で考えます。

売る方法は、

  • フリマサイトに出品する
  • 自分でリサイクルショップに持ち込む
  • 業者に依頼してまとめて買い取ってもらう

が代表的です。

ブランド買取ならレトロというサイトも参考にしてみてください。

売るものの種類や量にもよりますが、おすすめは業者にまとめて買い取ってもらうこと。買取額は低くなりますが、自分でフリマサイトに出品したりお店に持ち込んだりするのは、大きな手間と労力がかかるからです。

処分する方法は、

  • 自分でゴミ出しする
  • 業者に依頼してまとめて引き取ってもらう

があります。

不要品の量が少ない場合は自分でゴミ出しを、大量にある場合は業者にまとめて引き取ってもらうのがおすすめです。

③自分の葬儀の事前準備をしておく

最近は葬儀を家族だけで行う人が増えていますが、自分の希望はしっかり伝えておくことが大切です。希望を叶えてもらうためにも、なるべく自分の葬儀の事前準備は済ましておきましょう。

具体的には、

  • エンディングノートに自分の情報と希望を書く
  • 葬儀の予算と費用をどこから出すのか決めておく
  • 遺影用の写真や戸籍書類を準備して保管しておく

といった流れになります。

エンディングノートには、自分の宗派や納骨先などの基本情報と希望する葬儀の規模感、参列してほしい人数などを書いておくと安心です。

終活で身辺整理を行うときの注意点

終活で誰でもすぐに取り組める身辺整理の3つのコツ03

終活の身辺整理は、一人で行うのが基本です。最後まで問題なく取り組むための注意点をご紹介します。

期間を決めて取り組む

終活の身辺整理を成功させるコツは、期間を決めておくこと。

進めるペースは人それぞれですが、大体1〜3ヶ月程度を目処にするのがおすすめです。(財産の把握や手続き、不用品の処分などにはある程度の日数がかかるため。)また、期間を決めておかないとダラダラと作業をしてしまい、最後まで遂行できない可能性も。

期間を決めたら週単位でのスケジュールを組んで、無理なく取り組んでいきましょう。

所有物は最小限に減らしておく

長年の所有物を処分するのは、とても勇気がいること。「家族のために残しておこう…。」と多くのものを処分せずに置いておく人がいますが、遺品整理は肉体的にも精神的にも家族の大きな負担になります。

思い出の品など手放したくないものもあると思いますが、第二の人生を歩むつもりで思い切って処分するのも身辺整理の醍醐味です。所有物が多く作業が大変な場合は、家族や業者に頼んで手伝ってもらうという手段も。

人と一緒に作業することで気持ちが前向きになり処分がしやすくなることもあるので、困ったときは周りの人やプロに積極的に頼りましょう。

終活の身辺整理はシンプルに考えて取り組もう(まとめ)

不要なものや人間関係を手放す身辺整理は、自分の人生や死に向き合える素晴らしい機会です。難しく思われがちですが、終活の身辺整理で行うことはそんなに多くありません。

期間を決めて計画的に取り組めば、誰でもスムーズに完了できます。自分のため、家族のために、今日からできる身辺整理に取り組んでみてはいかがでしょうか。

今日のポイント

  1. 終活の身辺整理は家族と自分のために行うもの
  2. やることはエンディングノートの作成など3つだけ
  3. 注意点は期間を決めて取り組むことと所有物を最小限にすること
終活全般相談窓口メールでのご相談
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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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