LGBTの終活に役立つ3つの制度

LGBTの終活では、法律上、配偶者や家族ではない同性パートナーにどのような権限を与えるかがポイントになります。遺産相続やお葬式・お墓・緊急時などで「蚊帳の外」状態にならないよう策を考えていきましょう。

LGBTが終活で直面する悩みとは?

LGBTの終活に役立つ3つの制度01

LGBTの方が終活をする中で直面する悩みの多くは、現在の日本の法律で同性婚が認められていないことによるものです。ゲイやレズビアンのカップルでは同性パートナーが配偶者や家族として法的に認めらないために、配偶者や家族が自然に持っている権利が保証されていません。

悩みの例としては、

  1. パートナーが遺産(不動産・お金など)相続の対象者にならない
  2. パートナーと一緒のお墓に入ることができない
  3. 大きな事故で意識不明になった時、安否情報を教えてもらうことや治療内容の説明がされない。また、家族以外面会謝絶の際には面会ができない。
  4. 緊急時、パートナーの手術の同意書にサインができない

などが挙げられます。

また、住んでいる住宅の名義人になっている方が亡くなると、戸籍上の配偶者や親族でもないパートナーは住むところを失う可能性もあります。

LGBTカップルを支援する制度について

LGBTの終活に役立つ3つの制度02

遺言

遺言を残さずに亡くなると、遺産は法定相続の対象者である両親・配偶者・子供のものになります。しかし、遺言を作成することによって血縁関係のない同性パートナーを遺産相続人として指定することができます。その他にも遺言を残すことでパートナーに与えられる権限もあります。

メリット

自分の遺産の相続人をパートナーにすることができる(財産処分の指定)

お葬式、お墓について決める権利を与えることができる(祭祀主宰者の指定)

遺言に書いたことを執行する権利を与えることができる(遺言執行人の指定)

→不動産や銀行口座の解約・名義変更など遺言執行に必要な行為の一切ができるようになります。

デメリット

パートナーには相続税の優遇がない

→親族への相続の場合はさまざまな控除があり相続税が軽くなります。経済負担を減らすことで生活を保護するためです。しかし、遺言で相続人に指定しても同性パートナーには親族程の控除はありません。

養子縁組

戸籍上で親子関係になる制度です。年上の方が親、年下の方が子となります(逆はできません)。同い年の場合は、どちらが親でも構いません。法律上も家族として認められるので、さまざまな保証・権利を持つことができます。

同じ名字を名乗ることができるため“結婚”のようにとらえられるかもしれませんが、あくまで“親子関係”をつくるための制度です。それ故に生じるデメリットもあります。

メリット

同じ名字を名乗ることができる(親側の名字)

相続権が認められる

扶養家族として社会保険の控除が認められる

遺族年金の受給ができる

手術などの医療行為の同意書にサインができる

大きな事故に遭った時、安否情報を教えてもらうことや治療内容の説明がある

家族以外面会謝絶の際、面会ができる

デメリット

今後、日本で同性婚が認められても結婚はできない

→養子縁組を解消しても、かつて養親と養子であった2人の結婚は法律上できません。

パートナーの浮気による養子縁組の解消でも慰謝料請求ができない

→親と子の関係には貞操義務がありません。そのため、浮気が原因で破局(=養子縁組の解消)しても法的な慰謝料請求はできないのです。

パートナーの関係を解消(=養子縁組の解消)しても財産分与請求ができない

→離婚の場合は、2人で貯めた貯金や2人で購入した家・車などの財産について、財産形成・維持に対する貢献度によって分与の割合を決めて請求ができます。しかし、親と子の関係には法的な財産分与請求の権利がありません。

任意後見契約公正証書

判断能力を失った時(認知症、大きな事故、など)に備え、生活費や財産の管理などを代理で行う人(=後見人)を指定する制度です。

この制度は判断能力を失う前であれば任意後見人として同性パートナーを指定することができます。しかし、判断能力を失った後は配偶者や4親等以内の親族しか後見人として申し立てができないため注意が必要です。

後見人ができること

  1. 施設への入所契約
  2. 医療費、施設入居費の支払い
  3. 生活費の支払いや生活にまつわる物品の購入
  4. 通帳、印鑑、権利書などの管理
  5. 本人が所有する不動産など財産の管理、処分、売買
  6. 保険契約に関すること

メリット

本来は本人や身内しかできないような契約、管理などができる

デメリット

判断能力を失う前に契約を行わないと同性パートナーを後見人にすることができない

医療行為(手術など)に同意書にサインができない

困ったら専門家や支援団体に相談を

できるだけ多くの遺産をパートナーに渡したい、老後の生活をする上で医療費の支払いや手続きでお互いに助け合えるようにしたい、などの希望を叶えるためには遺言、養子縁組、任意後見契約公正証書のどの制度が自分たちにとってベストなのか迷う方もいると思います。

ご紹介した3つの制度は2人の年齢や資産状況などによって適するものが変わってしまいます。

ベストな制度を探すために専門家や支援団体に相談してみませんか。年齢や資産状況などを考慮しながら、どの制度を利用すると2人の希望を最大限に叶えることができるのか一緒に考えてもらえます。

また、手続きを自分たちのみで行うことは困難です。その面でも相談した方が安心です。相談は直接出向かなくてもメールや電話でできますので是非、お気軽に相談ください。

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まとめ

同性パートナーシップ証明制度によって以前より同性カップルへの保障がされるようになりました。ある携帯電話会社では同性カップル間で料金の家族割が適用になったり、保険会社では死亡保険金の受取人を同性パートナーにすることができるようになったりと、企業でも動きがありました。

しかし、男女の結婚に比べると保障される・認められるものは少なく、LGBTの方の終活には課題がたくさんあります。

やりきれない気持ちはあると思いますが、今は制度を上手に使いながらパートナーとの幸せを築いてみませんか。

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