散骨の基礎知識

散骨はまだ少数派の供養方法ですが、終活の一環としてご自分の納骨スタイルについて考える中で興味を持たれる方が増えています。散骨とはどのようなものなのか、基本的なことが知りたい方におすすめの記事です。

散骨とは?散骨方法やマナーについて

散骨の基礎知識01

散骨とは、遺骨を粉末状にして海や山などに撒いて供養することです。死後は自然に還りたい、お墓という空間に閉じ込められず自由になりたい、管理や継承者を必要とするお墓を建てたくない、というニーズから注目が集まっています。

まだまだ少数派の散骨ですが、海へ散骨する海洋散骨、山間部に散骨する山岳散骨、人工衛星に遺灰を乗せて宇宙へ打ち上げる宇宙葬など種類が増えてきています。

散骨方法

散骨は遺骨を粉末化して撒くという大変シンプルな方法で行われます。ご自分で行っても業者に依頼しても問題ありません。ただし、一人分の遺骨を自分で粉末化しようとすると相当な体力・忍耐が必要です。遺骨の粉砕を行っている専門業者がありますので無理をせずに依頼してもよいでしょう。

また、日本には散骨に関する法律がなく、散骨自体を禁止する法律も散骨方法などを取り締まる法律もありません。そのため、火葬後は散骨を行うためのお役所関係の手続きは不要です。

ただし、既にお墓などに埋葬されている遺骨を散骨するためには手続きが必要です。改葬許可申請書を各自治体の役所に提出し“改葬許可証”をもらう必要があります。この改葬許可証がないとお墓などから遺骨を取り出すことができません。

法律がない中での散骨は散骨方法や散骨場所などに関してグレーゾーンの中で行われています。しかし、グレーゾーンの中であっても既存の法律に触れないように行わなければなりません。

そのためには、

  1. 遺骨を粉末状にして遺灰にすること
  2. 遺灰を“埋める”ではなく“撒く”こと  の2つがポイントです。

遺骨を粉末状にせずに撒くと、刑法190条の死体損壊罪にあたります。散骨での遺灰は2mm以下のパウダー状が目安です。

また、陸地に散骨する場合でも土に埋めてはいけません。軽く土をかけるのもいけません。あくまで土の上に“撒くこと”がポイントです。なぜなら、埋めるという行為は“埋葬”にあたり、墓地埋葬法によって墓地以外の場所に埋葬することが禁じられているからです。この点に樹木葬(土に遺骨を埋める)と散骨の違いがあります。

散骨のマナー

散骨に関する法律がないとは言っても、周囲の人や環境に配慮した最低限のマナーは必要です。

また、法律はないものの、北海道や埼玉県・静岡県などの自治体では散骨に関する条例が定められています。内容は散骨自体を禁止するもの、散骨場所を規制するもの(公道からの距離、海岸からの距離、建造物からの距離など)、散骨業者が宣伝に観光名所や観光地名の名前を出さないことなどです。

また、業者が提案している場所=撒いても良い場所、とは限りません。法規制がない分、悪いことをしようとする業者もいるようです。散骨場所を検討する際には、必ず希望場所の自治体の条例も確認しておきましょう。

  • 人目につく場所、水道の水源となる川、養殖場・海水浴場付近の海は避ける
  • 国や他人が所有している土地へ勝手に撒かない
  • 人がいない時間帯を選んで撒く

お墓と比較した時の散骨のメリット・デメリット

散骨のメリット・デメリットを新しくお墓を建てる時と比較してご紹介します。

メリット

自然に還る、お墓・骨つぼという空間に閉じ込められず自由になれる、というイメージがある

お墓の後継者を気にしなくて良い

墓石の維持・管理をする必要がない

費用を抑えることができる

デメリット

手を合わせる物質的な対象がないため、どこに向かってお参りをすればよいかわからない

手を合わせる物質的な対象も遺灰もないため、世代が変わると故人が忘れられてしまう可能性がある

後で状況が変わりお墓に入れたいと思っても、遺灰を回収できない

考え方のちがいから家族や親族とトラブルになる可能性がある

ご遺骨を海へ還す 海洋散骨

海洋散骨は船で沖合まで出港し散骨する方法です。海洋散骨を取り扱う業者は多く、東京・神奈川エリアでは羽田沖や磯子沖・川崎沖、その他全国各地の海で散骨ができます。業者やプランによって散骨場所が異なるため、希望の場所がある人はよく確認しましょう。

選べる3タイプ

合同散骨

隻の船に複数の家族が合同で乗り合うタイプです。料金は10万円前後、船のチャーター代を乗り合わせる家族で分割するので安くなります。しかし、乗船人数や出航日が制限されてしまうのが欠点です。また、他の家族と一緒に乗船しているので気を遣ってしまうこともあります。

個別散骨

一家族が貸し切りで1隻の船をチャーターするタイプです。料金は20~30万円、船1隻のチャーター代が全て請求されるので合同散骨より高額になります。しかし、貸し切り状態なので気を遣わずゆっくりと供養ができるのが良い点です。また、家族だけの少人数から親族・友人総勢の数十人単位の参加者まで乗船人数が自由に設定できるのも良い点です。

委託散骨

業者スタッフのみで船に乗り、ご家族に代わって散骨を行うタイプです。料金は5万円前後です。身体の問題で乗船できない方や遠い海での散骨を希望している方におすすめです。当日はご家族に代わって散骨した後、献花・献酒・献水を行い、黙祷を捧げ丁寧に供養してくれます。散骨証明書や写真が届くサービスが一緒になっていることが多いです。

必要書類

散骨に関する法律がないためお役所関係の手続きは必要ありませんが、業者依頼をする時だけは必要になる書類があります。それは、火葬(埋葬)証明書、死亡届出書、改葬許可証、除籍謄本のいずれかです。

これらの書類はご遺骨の身元を確認するために必要になります。ないとは思いますが、お墓から勝手に持ち出した遺骨や亡くなったことを隠すために自分で火葬し持ちこんだ遺骨など、悪いことに利用されることを防ぐためです。そのため、散骨を希望される方も上記の書類は大切に保管しましょう。

注意点

海という場所である以上、気象条件に左右されやすいことや環境・周囲の人に配慮しなければならない場面もあります。あらかじめ確認した上で選択しましょう。

  • 出航当日、天気によっては延期になる可能性がある
  • 故人が好きなものであっても海洋汚染につながる副葬品を海に流すことができない
  • 公共の桟橋を利用するため、周囲の人の心情に配慮し喪服の着用ができない
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まとめ

散骨は“自然に還ることができる”“死後は自由になりたい”という本人の希望から選択されることが多いです。

しかし、残された家族・親族は“遺骨を大事にとっておきたい”と思うのも事実です。たとえ本人の希望であっても、家族が散骨をしようとしたら周りの親族から「お墓を建てるお金を惜しんだ」と言われたり、菩提寺から急に冷たくされたりとトラブルになることもあります。散骨を希望される方はぜひ家族や親族、できれば菩提寺とも相談し了解を得ておくことをおすすめします。

また、散骨する前に遺骨の一部(少量)を手元供養用に残しておく方法もおすすめです。小さな骨つぼに入れてお仏壇に置いたり、遺骨専用のペンダントに入れて身に着けることもできます。散骨と言っても全ての遺骨を撒かなくても良いということを覚えていて欲しいと思います。

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