近年では多くの人々が、自らの存在や日常をデジタルの世界で表現しており、それが後世に残る「デジタル遺産」となっています。
しかし、このデジタル遺産をどう扱うべきか、多くの方が迷っているのではないでしょうか。
この記事では、デジタル終活に興味がある方に向けて、デジタル終活する理由や具体的な方法、おすすめのツールを解説します。
また、この記事の後半部分では、デジタル終活の注意点をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
今の時代だからこそ必要!SNSアカウントの終活について考える
SNSにおけるデジタル終活とは
デジタル終活は、私たちがオンライン上で築き上げた資産や情報を、生涯の終わりに向けて整理・管理することです。デジタル終活には、SNSはもちろん、Eメールやクラウド上のデータなどにある個人情報や、コンテンツなども含みます。
特にSNSは日常の出来事や思考、感情を共有するプラットフォームとして利用されています。これらの情報は、時に非常にプライベートなものも含まれるため、未来において適切な管理や処理が必要となります。
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SNSでデジタル終活する理由
SNSでデジタル終活する理由をまとめました。ぜひ参考にしてください。
家族でも亡くなった人のSNSアカウントを使ってはいけない
一般的に、亡くなった人のSNSアカウントへのアクセスや使用は、多くのサービス提供企業の利用規約に違反することが多いでしょう。また、プライバシーや個人情報の観点からも、第三者がアカウントを操作することは好ましくありません。
家族や友人が、正当な目的を持ってアカウントを利用する場合でも同様です。亡くなった人のアカウントを適切な手続きを通じて処理しましょう。
SNSアカウントが悪用される恐れがある
放置されたSNSアカウントは、不正アクセスや悪用の対象となるリスクがあります。SNSアカウントがハッキングされると、ユーザーの名前で不適切な投稿がおこなわれたり、友人やフォロワーがトラブルに巻き込まれたりする恐れが考えられます。
プロフィール情報や過去の投稿から、個人情報を悪用される可能性もありますので注意しましょう。遺族の負担軽減のためにも、SNSのデジタル終活をぜひ検討してください。
SNSでデジタル終活するメリット3選
SNSでデジタル終活するメリットは主に3つあります。自分のためだけではなく、遺族側にも大きなメリットがあるということを理解しましょう。
プライバシーの保護
SNSアカウントには、多くの個人情報やプライベートな投稿が含まれています。デジタル終活をおこなうことで、不要な情報の流出やアカウントの不正利用を防げるため、プライバシーを適切に保護できるでしょう。
遺族の負担軽減
遺族が故人のデジタル情報をどう処理すればよいか迷うことは、非常によくあるケースです。デジタル終活により、事前にアカウント情報の整理や遺産としての指示を明確にでき、遺族の心理的・時間的な負担を大幅に軽減できるでしょう。
デジタル遺産の継承
私たちのSNSアカウントやデジタルデータは、思い出や大切な情報を数多く含んでいます。デジタル終活を通じて、価値あるデジタル遺産を次世代に適切に継承するための手順や、方針を設定します。
特に金銭や仕事に関わるデジタル資産がSNS上にある方は、デジタル終活で大きな恩恵を受けられるでしょう。
SNSでデジタル終活する方法
次に、SNSでデジタル終活するのに必要な手順と方法を紹介します。
- 自分が持っているSNSアカウントを一覧化:不要なアカウントは消去
- パスワード管理ツールでパスワードを一元管理:セキュリティ性の高い2段階認証がおすすめ
- 不要な情報は非公開に設定し、公開範囲も限定的にすることを検討
- デジタル遺産に関する取り決めや指示を文書化し、信頼できる人に伝えるか遺言を残す
このような手順を踏んでいれば、本人がいなくなったあとでも親族たちに迷惑がかからないでしょう。それに対して、デジタル終活を一切していない身内が亡くなった場合、アカウントの消去か追悼アカウントに変更するのがおすすめです。
追悼アカウントとは、Instagramなど一部のSNSで、亡くなったあとでもアカウントを残せるサービスです。
SNSでデジタル終活する際におすすめのツール3選
SNSでデジタル終活する際は、ツールを活用すると作業の手間が軽減します。おすすめのツールを3つ紹介します。
Remove Timer
Remove Timerとは、事前に指定したファイルを自動消去できるツールです。主に次の2つの手段があります。
- 指定した日時に消去
- 指定した日数が経過したあとに消去
自分が亡くなったあとにSNS関連で家族に迷惑をかけたくない方は、Remove Timerを検討するとよいでしょう。
(出典:Remove Timer)
終活ソフト
終活ソフトとは、一定期間パソコンにログインしていないと、指定した情報を自動で消去するソフトです。ログイン情報などの個人情報やメッセージの履歴、ファイルなど、さまざまな情報を選択して自動削除できます。 SNS以外でデジタル終活したい方におすすめです。
(出典:終活ソフト)
編みノート
編みノートとはエンディングノートのことで、亡くなった後に遺族に向けたメッセージを残せるツールです。SNSのことはもちろん、葬儀や年金関連の遺言や通帳などの保管場所を残せる機能が充実しています。
ビデオメッセージを添えて、SNSやその他デジタル終活したい方におすすめのツールです。
(出典:編みノート)
SNSにおけるデジタル終活の注意点
SNSにおけるデジタル終活の注意点をまとめました。デジタル終活する方やその親族が、終活後のトラブルに巻き込まれないようにしましょう。
エンディングノートも一緒に調整する
エンディングノートは、生前の意向などを記した手帳のようなものです。デジタル終活を進める際には、SNSアカウントの情報だけでなく、エンディングノートとの連携も考慮しましょう。
SNSのログイン情報や遺産としてのデジタルデータの扱いを、エンディングノートに明記すると、遺族や信頼できる人が迷わずに行動できるようになりますよ。
機密情報は厳重に保管する
SNSアカウントやそれに関連する情報は、私たちのプライベートな部分を映し出すものですので、機密性の高い情報をどのように管理・保管するかは非常に重要です。前述しましたが、パスワード管理ツールなど、セキュリティが確保された方法で情報を保管するとよいでしょう。
また、遺族や信頼できる人にのみ、どこに情報を保管しているかの位置やアクセス方法を伝えることで、第三者の不正アクセスを防げます。
SNSアカウントを売却するという選択肢も
なお、ビジネス用途で運用していたSNSアカウントで、ある程度フォロワーがいたりするとSNSアカウント自体に資産価値が付くという場合もあるため、ただアカウントを消去してしまうのはもったいない場合もあります。
そういう場合には、ゲームクラブやM&Aクラブというサイトを用いるとフリマ感覚で自身のSNSアカウントを出品し、販売することができますよ。
▲ゲームクラブはゲームのアカウントの売買を中心に行われるフリマサイトだが、SNSアカウントの売買も可能。
なお、ゲームクラブでは買い手が付くまで時間がかかるケースがある場合もあり。売却のスピードを重視する場合はサイトリというサイトを用いると最短即日での査定が可能です。
自分と家族のためにデジタル終活を検討しよう まとめ
【監修】池原充子(終活専門相談員)
これまでの略歴
身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了
兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒
これまでの略歴
身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了
兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒
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