一般社団法人 日本相続対策研究所 インタビュー 考えておきたい自分の老後(介護)と相続問題の対策について

 

一般社団法人 日本相続対策研究所 インタビュー

【専門家に聞く】考えておきたい自分の老後(介護)と相続問題の対策について

日本相続対策研究所 所長本間文也氏本社にて

2021年7月6日
インタヴュー/関谷

「認知症など老後の対策のために、今から準備できることは?」
「相続問題はどこの誰に相談すればいいの?」

独り身の場合や老老介護となる可能性など、将来の不安は人それぞれにつきものです。それぞれの不安や悩みを解決するには、まず“知ること”が大切です。どのような問題があるのか、何が必要になるのかを知ると、どう動いたらいいのかがみえてきます。

そこで今回は、老後や相続問題の対策について、一般社団法人日本相続対策研究所の本間文也所長にお話を伺いました。

自分の老後(介護)対策、どう準備する?

老後の心配事として多いのは、認知症になった時の財産管理の問題です。老後対策として有効な法的対策について教えてください。

本間氏:法的対策には二つの方法があります。「民事信託」と「任意後見」という制度です。

「民事信託」は、信頼できる人に自分の財産を託して管理・運用してもらうことです。よく家族信託という言葉で、認知症になる前に子に信託して対策しましょうという話を聞くと思います。

もう一つの「任意後見」も、まだ判断能力があるうちに、認知症になった時に備えて、子供などをあらかじめ任意後見人に選んでおき、自分の代わりにしてもらいたいことを契約で決めておく制度です。

どちらの制度にしても認知症になる前に契約しておかないといけません。

手続きはどのようになるでしょうか?

本間氏:「民事信託」では、代表的なのは司法書士など士業の先生に相談し、信託の内容を決めて契約書を作成します。その信託契約書を持って公証役場へ行き、関係者全員が捺印して公正証書を作成します。

「任意後見」は、基本的にひな形は公証役場が持っています。本人と任意後見受任者で公証役場に赴き、契約内容を決めて関係者全員で捺印し、公正証書を作成します。

契約内容は公証役場の人と相談をしながら決めますが、弁護士などに相談してもいいと思います。

気になったのですが、誰が信託を受けるかで、子供たちが争うことはありますか?

本間氏:そうですね。民事信託の場合は、親が生前に「財産を任せる」ことなので、所有権も移動して親ではなくなり、信じて託されるのが誰かによって、兄弟間がギクシャクすることはあります。

もう一方の任意後見の方は、あくまでも「財産を管理」するという仕事を任されるため、所有権は移動しないということで、信託とは大きな違いがあります。なので、任意後見のほうが争いにはならないと思います。

私はすでに父と任意後見を契約しています。

しかし、父はまだ元気なので、財産管理は行っていません。父が認知症になった時に、私が家庭裁判所に任意後見の申し立てして管理を始めます。

流れとしては、申し立てをすると裁判所で任意後見監督人が選任されますので、その後、私は任された財産を監督されながら父のために使っていくことになります。

このように法的な老後対策には、民事信託と任意後見があって、そのどちらを親が選択するかになります。

独り身の場合は、老後に備えてどのような対策をしたらいいでしょうか?

本間氏:独り身の方は、死後事務委任という、亡くなった後のことを誰に任せるかが非常に悩ましいのではと思います。

親戚がいない場合は、生前の元気なうちに士業の先生に頼んでしまう方法もあります。任意後見と死後事務委任を一緒に頼んでおくと、認知症になった時は任意後見で財産管理をしてもらい、亡くなった後は死後事務委任で身辺をきれいにしてもらうことができます。

さらに遺言書で自分の意思を残しておくと、財産の行方についても憂いがなくなるのではないでしょうか。

独り身の方は元気な間に、任意後見、死後事務委任、遺言書、この3つを考えておくことが対策になると思います。

認知症になってからでは遅いのですね。

本間氏:そうですね。認知症になると法定後見制度を使うしかなくなります。

早め早めの対策が重要なのですね。続いて、老老介護となる可能性が高い場合、事前に対策しておくべきことはありますか?

本間氏:意思能力のない配偶者と一緒にいることに絶望して、という介護の悲劇を聞くと心が痛みますよね。ただ、認知症も対応の仕方によって患者さんの雰囲気が変わるものです。

ユマニチュードという介護の手法があります。介護の考え方を変えるだけで、患者さんの雰囲気が変わり、暴れていた患者さんがニコニコするというもので、この手法を知ると、拘束することなく一緒に生活でき改善につながります。

ユマニチュードが世の中に広まれば、老老介護の悲劇が少なくなるのではないでしょうか。そのためにも、事前に情報収集して、介護の手法を知っておくことは大切だと思います。

老後や相続問題、どこの誰に相談すればいい?

老後や相続の問題は、弁護士、司法書士、行政書士、誰に相談したらいいのでしょうか。

本間氏:鉄板の質問ですね。一般論としてですが、弁護士に相談も良いのですが、基本的には依頼者の相談役や味方をすることになり、全員のための弁護士という立ち位置はできないです。

司法書士は相続で発生する不動産登記が専門分野で、家族信託をされている方もいますので、相続に詳しい方もいます。行政書士も相続相談のほか遺言作成も依頼できますが、争いになりそうな案件は担当できなかったりします。

では税理士かというと、税金の面では税理士ですが、相続に詳しくない先生もいらっしゃるし、税金がかからない場合や不動産の問題が絡みあってくると不動産に詳しい人の方がいいのかも、となります。

このように一概にいえないのですが、やはりお金の話はついてきますので、税理士かなあという感じでしょうか。ただ、税理士に相談をする場合、相続や資産関係を任せられる先生かどうか、きちんと探さないといけません。

どう見つけたらいいのでしょうか。

本間氏:セミナーに出たり、本を読んだり、情報収集は絶対に必要です。そして、実際に相談してみて、相続の知識を持ち合わせ、ほんとうに信頼できる先生かどうか見定める必要があります。

知っておきたい「相続放棄」について

相続についてですが、相続放棄を判断する基準を教えてください。

本間氏:借金が多い場合は、相続放棄でしょうね。

ただ、借金が多いかどうかわからないことがありますよね。そういう時は限定承認という手続きがあります。これは土地財産や借金も含めて全体のプラスマイナスを収支して、プラスだったらもらうけれど、マイナスなら全部放棄しますというものです。

ただ、限定承認は3ヶ月以内に手続きをしなくてはなりません。さらに相続人全員の合意がないとダメです。また、相続した財産は譲渡所得となり、相続税とは違う税金になってしまいます。

ですから、限定承認でプラス分の相続を受け取ったとしても、あまりプラスにならないという場合もあります。税金も計算してメリットがあるかどうかの判断が必要ですし、士業に頼んだ費用分、損することも考えらます。

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