永代供養とは?基礎知識と選び方

自分の入るお墓について最近では「永代供養」という方法を選ぶ人が増えています。ここでは「永代供養」とはどのようなものなのかを解説します。

永代供養とは?選び方のポイントや費用相場

永代供養とは?基礎知識と選び方01

永代供養とは身内に代わって、寺院や霊園が遺骨を供養・管理してくれるというものです。ただし、「永代」というと「永遠」に供養してもらえるのかと思いがちですが、永遠ではなくその寺院などが続く限り供養が受けられるという事です。ここは誤解しないように注意が必要です。

永代供養墓と聞くと墓地の片隅に置かれている無縁墓を想い浮かべるかもしれません。これまでの無縁墓と言えば、お墓の面倒を見てくれる人がいなくなった時や引き取り手のない遺骨を供養するためのものというイメージでした。

しかし、少子高齢化の現代においては、お墓を管理し継承してくれる人がいなかったり、子どもが遠方にいるなどの場合が多かったり、お墓に対する意識も変わってきています。そのような状況もあってか最近ではお墓はいらないと考えている人も増えてきています。
しかし、親族に代わって供養してくれたり、遺骨を管理してくれたりする永代供養であれば家族も故人も安心できます。

そのため、最近ではこの永代供養墓が人気になっていて、終活として生前に自分で契約しておく人もたくさんいます。また、永代供養墓の種類もさまざまなタイプがあることが知られるようになり、イメージも昔とはずいぶん変わってきたことも人気の理由です。

永代供養墓は次のような方に向いていると言えます。

1. お墓の継承者や管理をしてくれる人がいない場合
子どもや親族がいない場合など、お墓を管理してくれたり、代々継承していく候補者がいないような場合です。永代供養墓であればお参りしてくれる親族がいない場合でも、放置されることなく管理してもらうことができます。

2. 子どもや孫などに迷惑をかけたくない場合
子どもや孫などがいて、管理をしてくれるような場合でも、お墓が自宅から遠いところにある場合や、たびたびのお墓参りや法要で負担をかけたくないという方もおられます。また、お墓を維持、管理していくには都度費用がかかりますのでその負担をかけたくないという場合にも、先に永代供養料を支払っておくことのできる永代供養墓は向いています。

3. 自分ひとりや夫婦だけのお墓に入りたい場合
近年の家族の形は昔とはずいぶんと変わっています。代々受け継がれてきたお墓ではなく、自分だけのお墓や夫婦など限られた人だけのお墓に入りたい場合に永代供養墓を選ばれることが増えています。

永代供養のお墓の種類は大きく分けて、「単独墓」「集合墓」「合祀墓」「納骨堂」の4つの種類があります。

・単独墓では一般的なお墓同様に、個人ごとにお墓を建立します。
・集合墓はシンボルとなる合同のお墓が建立されており、そこに納骨をするものです。
・合祀墓は他の方の遺骨と一緒にひとまとめにされて納骨されるお墓です。
・納骨堂はそれぞれの遺骨を収蔵するスペースが設けられた屋内にある施設になります。
 ※収蔵とは遺骨を地中に埋めるのではなく安置するという意味合いになります。

永代供養では納骨されてから、その先長期間にわたって末永く供養をお任せすることになります。どのような供養をされるのかや法要がとり行われるのかは寺院や霊園によって違いがありますので、その内容などは事前にしっかりと聞いておくようにします。

具体的には毎日の供養はされるのか、供養の頻度はどのくらいか、法要の回数、家族が参加できる合同または個別の法要はあるのかなどです。

永代供養の定義は寺院や霊園で細かい部分は異なっているため注意する必要があります。多くの場合永代供養で納骨してもらえる期間は決まっており、33回忌や50回忌などの弔い上げに合わせて、合祀されることが多くなっています。永代供養のお墓を検討する際には、合祀されるまでの期間も確認しておきましょう。

永代供養墓にかかる費用にはあらかじめ、次のようないろいろなものが含まれています。新たにお墓を建てると墓石を購入したり、戒名をつけてもらったりなど多くの費用がかかりますが、永代供養墓ではそれに比べるとかなり費用を抑えることができます。

費用の相場としては一般的なお墓を建てる時の費用が120~200万円程度かかるのに対して、永代供養墓では単独墓の場合は墓石の購入費用がかかるため30~200万円程度と高額になりますが、集合墓や合祀墓であれば10~30万円程度です。

永代供養料には以下のような費用があらかじめ含まれています。
・永代供養料:遺骨を預かって永代にわたって供養してもらうための料金
・永代使用料:遺骨を納めておく場所を永代にわたって使用するための料金
・管理料:遺骨を管理するための料金
・刻字料:墓誌と呼ばれる石碑などに故人の名前や戒名、没年月日を彫刻するための料金
これらは利用するお墓のタイプによっても違ってきます。どこまでの費用が含まれているのかを確認しておきましょう。

また、永代供養墓の費用には期間中の管理料もすべて含まれており、追加の費用はかかることはないことが多く、法要の際のお布施も永代供養料に含まれているため必要ありません。従来の菩提寺の修繕などの際に、檀家として必要とされる高額な寄付などもないため、かかる費用は最初に支払う金額のみで済みます。

永代供養墓を検討する際に押さえておくべきポイント

永代供養墓では納骨されてから、長期間にわたって家族に代わり末永く故人の供養をお任せすることになります。どのような供養をされるのか、いつ法要がとり行われるのかなどは寺院や霊園によって違いがありますので、その内容などは事前にしっかりと聞いておくようにしましょう。具体的には毎日の供養はされるのか、供養の頻度はどのくらいか、法要の回数、家族が参加できる合同または個別の法要はあるのかなどです。

永代供養墓を検討するために、どのようなメリットやデメリットがあるのか、注意しなければならないことにはどのようなことがあるのかを知っておきましょう。

永代供養墓のメリット
永代供養墓を一般的なお墓と比べた時のメリットは次のようなものがあります。

1. 費用が安くて済む
上記でも説明したように、永代供養墓は従来の一般のお墓に比べて費用が安く、年間の維持費や管理費なども不要な場合が多いです。そのため、生前に自分で支払いを済ませておくことが可能になります。

2.供養や管理を家族がしなくても良い
永代供養墓では寺院や霊園が代わりに供養やお墓の管理をしてくれます。しっかりと供養をしてもらえ、家族がなかなかお墓参りに行けない、墓を守ってくれる人がいない場合でも、お墓が荒れてしまうことがありません。

3. 立地の良いところが多い
永代供養墓は交通の便など立地の良いところにある場合が多いです。近年の永代供養墓の人気によって新しく建てられた霊園などが多いためで、お参りしやすいようにバリアフリーになっているところが多いことも特徴です。

4.宗派・宗旨が問われないことが多い
永代供養の特徴として宗派・宗旨が問われないことが挙げられます。永代供養では戒名ではなく俗名で供養をしてもらえます。宗教や宗派にこだわりがないような場合には、費用や立地などを優先して都合の良い寺院や霊園を選ぶことができます。

永代供養墓のデメリット
永代供養墓にはいろいろなメリットがある反面、次のようなデメリットもあります。

1.将来的には合祀される
永代供養墓に納骨され供養を受けられるには期間が決められています。したがって、その期間が過ぎると合祀されることになります。合祀とは骨壺から遺骨を取り出し他人の遺骨と一緒にする埋葬の方法です。合祀されると誰の遺骨であるかはわからなくなり、後から遺骨を取り出すことはできなくなります。

2.親族に反対される場合がある
永代供養墓は宗教・宗旨を問わないことはメリットですが、自分だけで決めてしまうとトラブルの原因になります。親族の中に宗教へのこだわりが強い方がいる場合には、違う宗派のお寺で永代供養を受けることに反対されるかもしれません。違う宗派の永代供養を受けようと思う場合には、あらかじめ親族とも相談をして、意見を聞いておくようにします。

永代供養墓の管理で知っておくべきこと

永代供養墓の管理は寺院や霊園で行ってもらえるため、一般的なお墓のように家族が定期的に行って管理をする必要はありません。

しかし、永代供養墓を検討する際には、具体的にはどのような管理をしてもらえるのかを聞いて、納得できるものかを確認しておくようにしましょう。
また、費用だけにとらわれず、その内容や場所を事前にしっかりと確認しておくことも重要なポイントになります。

永代供養は寺院や霊園によってきちんと供養や管理をしてもらっているため、基本的に家族によって法事やお墓参りをする必要はありません。しかし、家族がお参りしても問題ありませんし、寺院の法要に加えて家族によって法事を行うこともできます。

永代供養で行われる読経の頻度は料金や寺院などによって違いがあるため、事前にしっかりと確認をするようにします。複数の料金プランがある場合にはどこが違うのかや希望する内容と合っているのかもチェックするようにします。

現在すでにお墓がある場合でも永代供養墓に変更することは可能です。お墓を移転させることを改葬と言います。

墓地埋葬法により「改葬を行おうとする者は市町村の許可を得なければならない」と定められています。したがって、永代供養墓へ改装するためには次のような手続きが必要になります。

1. 移転先の永代供養墓を決める
2. 改葬を希望していることを現在のお墓のある管理者に伝え、許可をもらう
3. 移転先に「永代使用承諾書」を発行してもらう
4. 現在のお墓のある役所で「改葬許可申請書」の用紙をもらい、現在の墓地の管理者の署名捺印してもらう(埋葬証明書が必要な市町村の場合は管理者に発行してもらう)
5. 「永代使用承諾書」と「改葬許可申請書」を現在のお墓のある役所に提出し、「改葬許可書」をもらう
6. 現在のお墓から遺骨を取り出して、墓じまいをする
7. 改葬先の永代供養墓に納骨する

この世に手間はかかりますが、今あるお墓がいずれ無縁仏になってしまったり、お墓参りする人がいなくなってしまうことが心配される場合には、永代供養墓に改葬することも考慮しておくと良いでしょう。

昔とはは家族の体形が変わってきたこともあり、お墓の維持に関しての悩みを持っている人は多くなっています。永代供養墓は従来のお墓にこだわらない場合や家族の状況によっては無縁仏になることを避けることもできるため、今注目されているのも納得できます。

メリットやデメリットをしっかりと理解して、自分に合った供養を見つけ出していただきたいと思います。

菩提寺と檀家という関係

・菩提寺とは?檀那寺との違い

菩提寺も檀那寺も「家としてお世話になっているお寺」という意味で、同じように使われることがありますが、厳密にいうと、菩提寺は「菩提を弔う寺(葬儀を行う寺)、墓地のある寺」で、檀那寺は「檀家として属している寺」という意味になります。

・菩提寺と檀家の関係について

菩提寺も檀那寺も、仏の教えを聞かせていただいたり、葬儀や法事などを行ってもらったりする代わりに、信徒として経済面を支えるお寺、ということに違いはありません。ただ、菩提寺の場合は、お墓でもお世話になっていますので、葬儀や法事の際のお布施に加え、当然、お墓の管理に対するお布施が必要になります。

菩提寺のお墓を墓じまいするにあたって、離檀料を求められるケースがありますが、お寺を支える檀家としてはある意味当然のことといえます。

離檀料の相場
菩提寺へこれまでの感謝の気持ちをこめて包むもので、本来、相場はないものですが、3~20万円程度が一般的といわれています。まれに数10万~数100万の離檀料を請求されてトラブルとなるケースがありますが、実際には、離檀料を求めないお寺の方が多いようです。

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