終活の本当の意味を知ろう!その理由と効果

「終活」という言葉を見聞きして多くの人がイメージするのは「自分が亡くなった後の、葬儀や墓について希望を示しておくこと」「自分の死後、子世代などに迷惑をかけないように準備すること」といったものでしょう。つまり自分が亡くなるときの用意をする活動と考えると、寂しくなってしまいがちです。

しかし、終活の本当の意味は、自分のこれまでの人生を振り返り、これからをより良く生きることにあります。この記事では、終活の本当の意味を考察し、終活の具体的な効果についてご案内します。終活は暗い気持ちで挑むべきものではなく、むしろ今後の自分のために行うことです。

終活の本当の意味を知り、明るく活動しよう

終活の本当の意味を知ろう!その理由と効果01

まずは終活の表向きの意味と、本当の意味について解説します。本当の意味を知れば、きっと明るい気持ちで終活ができることでしょう。

終活の表向きの意味

終活の表向きの意味は、人生の終わりに向けて準備するための活動です。自分が突然倒れて亡くなる、介護が始まる、認知症になるなど、自分で自分のことができなくなる事態に備えて、あらかじめ介護や医療、葬儀、墓、相続などについての希望を示し、生前整理を行います。

終活の表向きの目的は2つです。

  • 1つは、自分の理想通りの最後となるよう、家族などに希望を託すこと。エンディングノートや遺言書を作成するなどの活動がこれにあたります。
  • もう1つは、自分の死後、家族などに金銭面や精神面で迷惑がかからないようにすること。葬儀の見積もりをとって相当する金額を残しておく、お墓を購入する、生前整理を行ってものを減らしておくなどの活動がこれにあたります。

終活の本当の意味

終活には本当の意味があります。それは、理想の最後を考えることで、その後の人生をより良くするというものです。 人生100年時代と言われるようになり、長生きが特別なものではなくなりました。

例えば65歳の定年を機に終活を始めたとして、もう数十年、元気に生きられる可能性があります。「もうすぐ亡くなるわけでもないのに、終活する意味はあるのだろうか」と考える人もいるでしょう。

しかし、元気なうちだからこそ、むしろ第二の人生を始めるために終活が必要なのです。 終活は、これまでの自分の人生を総決算することによって、新しく歩みを進めるための契機となる活動です。

その後の人生がより良くなる理由

終活でその後の人生がより良くなる理由は、自分の希望を書き出すことによって、自分が本当はどのように生きたいのか、今後どんな生活が理想なのかが明確になるためです。

例えば介護について考えるとき、「誰に」「どこで」介護を受けたいかを明確にしなければなりません。できるだけ自宅にいたいと考えたら、今のうちから自宅をバリアフリー化して住みやすく整えておくことが大事になります。

早めに住まいを整えることで、介護が始まる前から快適な暮らしを手に入れられます。 また、写真を整理したり自分史を書いたりすると、自分がこれまで何を大事にしてきた人生だったか、どんなことに後悔しているのかが改めて分かってきます。大切なものをよりいっそう大事にし、後悔を取り戻すために行動することで、より良く生きることが可能になります。

終活の効果

人生をより良くする終活の効果を、さらに具体的にご案内しましょう。

家がスッキリして快適に暮らせる

生前整理を行えば、不用品を処分することができ、スッキリした空間を得られます。もう使わないものに囲まれて今後の人生を送るより、はるかに有意義です。 また、ものが多い家は転倒のリスクが高くなります。

骨が衰えてしまっている高齢者が転倒すると、骨折してそのまま寝たきりになってしまうことも。なるべく床にものを置かないよう家を整理し、動線を確保することで転倒のリスクを減らせます。

不安が取り除かれ前を向ける

  • 「葬儀やお墓にはいくらかかるのか」
  • 「相続争いを避けるにはどうしたらいいか」

など、自分の死後のことには不安や疑問がつきものです。葬儀の見積もりを取りお金を用意しておく、お墓を契約しておく、遺言書を作成しておくなど、終活することで1つずつ解消すれば、不安は取り除かれていきます。

とくにお金に対する不安が取り除かれれば、不必要に貯金を溜め込むことはないと気づくことができ、安心して生活できます。気分が明るくなり、前を向いて暮らしていけるでしょう。

子世代の負担を減らせる

終活で死後の不安を解消すれば、自動的に子世代の負担を減らすことができます。自分の死後に必要なお金、葬儀やお墓の計画、遺言書のありかなどを子世代に伝え、「この通りに実行してくれれば大丈夫」と告げましょう。子どもたちもきっと安心してくれます。

親子のコミュニケーションが増える

終活を行うと、子世代に相談しなければならないことが増えます。例えばお墓を決めるときには、実際にお墓参りをする子どもたちの希望も聞かなければなりません。生前整理を行えば、「この服いらない?」「このアクセサリーを今のうちに譲っておきたい」と相談したい場面もあるでしょう。

親子のコミュニケーションが増えることで、子どもたちが本当は親にどうしてほしいかを聴き取ることができます。家族にとってより良い最後とするためにも、終活は必要です。

【まとめ】終活は明るい気持ちで取り組もう

終活の本当の意味は、自分自身をよく知り、今後に活かすことです。終活をしたからといって、「まるで亡くなる準備をしているみたい」と暗い気持ちになることはありません。むしろ、自己探求の一環として取り組むことで、今後をより自分らしく生きることに繋がります。

また、終活には終わりがありません。常に自分の情報は更新され続けるためです。一度エンディングノートを作成したり、生前整理をしたりしても、数年後にはもう一度行わなければならなくなります。

できれば1年、少なくとも3年ごとに終活をおさらいし、今の自分の希望や情報を改めて書くのが理想的です。過去のエンディングノートを見れば、数年前の自分と今の自分を照らし合わせられます。気持ちの変化を確認できるでしょう。

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【監修】奥山晶子(終活カウンセラー、FP(2級))

奥山晶子

これまでの略歴

葬儀業界を経験した後、出版社勤務を経て終活全般のライターへ。2012年より2年間「葬送の自由をすすめる会」理事。終活カウンセラー、FP(2級)。近著に『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)がある

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