終末医療のターミナルケアを選択する前に知っておきたい基本事項と問題点

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ターミナルケアとは?

終末医療のターミナルケアを選択する前に知っておきたい基本事項と問題点01

ターミナルケアの定義

ターミナルケアとは疾病などにより回復が見込めず、死が避けられない時に行われる医療的ケアのことです。延命治療は行なわず、身体的・精神的苦痛を緩和しながら穏やかに残された時間を過ごすことが第一に優先されます。

医療的ケアは食事・水分補給ができなくなった時の経鼻経管栄養(鼻や口から挿入したチューブで胃に食べ物を送り込むこと)や胃ろう増設(胃に小さな穴を開け、その穴を通して食べ物を送り込むこと)、酸素吸入・点滴などです。

“看取り”と混同しやすい言葉ですが、看取りでは基本的に医療的ケアは行いません。また、“緩和ケア”とは、特に末期ガンや後天性免疫不全症候群(エイズ)など生命を脅かす病気にかかっている方と家族に対して行われるケアです。身体的・精神的苦痛を和らげるケアが行われ、治療と同時進行でケアが行われます。

医療的ケア ・疼痛緩和(投薬)
・経鼻経管栄養、胃ろう
・酸素吸入、点滴
身体のケア ・バイタルサインの確認
・水分・栄養補給の管理
・褥瘡(=床ずれ)の防止
・排泄ケア
・身体を清潔に保つ(清拭、入浴など)

精神のケア
(患者さんの死に対する不安・恐怖、家族への心配に寄り沿います)

・ご本人とのコミュニケーション
・住環境を整える
家族のケア ・ケアを行っている間や亡くなった後、医療ソーシャルワーカーによる家族の精神的・金銭面的な相談・援助

ターミナルケアを開始する時期

ターミナルケアを開始する時期に決まりはありませんが、老衰や認知症の方は寝たきりの状態になり食事ができなくなった時が目安です。病気を患っている方は、積極的な治療ができず病気の回復が望めなくなった時です。

しかし、ターミナルケアに限らず、看取りなどの終末医療に移るタイミングはご本人や家族にとって非常にデリケートな問題です。終末医療は“死が近いこと”を意識させるものであり、「もう治ることはないんだ」「もうすぐ死ぬんだ」「医者に見放された」「あんなに苦しい手術・治療を続けてきたのに」とマイナスの感情を抱きやすくなるためです。かと言って、終末医療に移ることを告知しないのはご本人の生きる自由を奪うことにもなります。

残された時間をどのように過ごしたいのか、やり残したことはないか、最期の瞬間まで自分らしく生きる権利を誰もが持っているのです。

ターミナルケアの問題点

ターミナルケアでは食事や水分補給ができなくなると経鼻経管栄養や胃ろう・点滴といった医療的ケアが行われます。ここからは様々な考え方があるかと思いますが、終末期を迎えた方の体が最期の時に向けて栄養・水分補給を拒否しているとすれば、そこに管を通して栄養や水分を強制的に送り込むことはご本人の意に沿っているのでしょうか。

安楽な状態と言えるのでしょうか。また、これまでの治療で点滴を苦痛に感じていた方にとっても同じことが言えます。長期間にわたって点滴をしていた方の腕は何度も注射針を抜き差ししたために皮膚が硬くなっていたり跡が残っていたりします。それでも点滴を望むでしょうか。

ご本人の意識がはっきりとしていればこれらの医療的ケアを受けるか否かの判断ができますが、そうでなければ難しい判断となります。そして、仮に医療的ケアを望まないのであればターミナルケアでなく他の終末医療(看取りなど)の選択肢も考えられます。

大切なこと

終末医療では病気の治療・回復より“残された時間をいかに安楽に自分らしく過ごすか”が重視されます。家庭の事情などで全ての希望が叶うわけではありませんが、一人ひとりのできる範囲で最大限にこのことが満たされるようにケアを行っていきましょう。

終末期の医療的ケアを希望していますか?

ご本人や家族は終末期の医療的ケアを希望しているでしょうか。終末期の医療的ケアとは、経鼻経管栄養や胃ろう・酸素吸入・点滴などのことを指します。褥瘡(=床ずれ)の防止や排泄ケアなどのお世話は医療的ケアを行わない“看取り”でも行われています。残された大切な時間に行われるケアの内容をしっかりと話し合っておきましょう。

どこで最期を迎えたいですか?

ターミナルケアは、①病院・介護施設 ②ご自宅 で行うことができます。ご本人はどこで最期を迎えたいと思っているでしょうか。ただし、ご自宅でのターミナルケアは家族の協力が必要不可欠です。医師や看護師が定期的に診察に来てくれたり、必要な時には電話をすれば来てもらえますが基本的には家族がケアをします。ターミナルケアの場所を選ぶ時は、家族との相談も大切です。

ターミナルケアを行う場所とメリット・デメリット、選び方

病院・介護施設のメリット・デメリット

メリット

医療面(医師・看護師)と介護面(介護士)のプロがケアを行うため安心感があり家族の負担が軽減することです。特に病院は様子がおかしいと思ったらすぐに来てくれるので安心です。ただし、病院でのターミナルケアは厚生労働省の定めにより、ガン患者とエイズ患者に限られています。その他の病気や老衰でのケアは受けられませんので注意してください。

デメリット

家族がそばにいれる時間が限られることです。面会時間が決まっているため寂しく思う方もいます。また、家族が頻繁に病院や施設に足を運ぶ大変さもあります。しかし、介護施設では他の利用者や介護士とコミュニケーションを取る機会が多く、新しいコミュニティーが広がる可能性もあります。また、ご自宅でのケアと比べると入院費や入居費の費用がかかってしまうこともデメリットです。

介護施設の選び方

介護施設ではほとんどの施設が終末期の方に対するケアを行っており、選ぶ際に迷うことがあると思います。そこで選ぶ時のポイントをご紹介します。

1「看取り介護加算」をしている
「看取り介護加算」とは、厚生労働省が定める医療体制・介護体制を満たしている施設が終末期のケアを行った時に料金加算ができるシステムです。料金が加算されてしまうことにはなりますが、厚生労働省が定める医療体制・介護体制を満たしている証明にもなります。
2終末期の対応
介護施設で最期を迎えようと考えて入居したのに、最期は病院搬送されてしまい病院で亡くなってしまうケースがあります。終末期にどのような対応をとるのかよく説明を聞き、ご本人や家族の希望と一致しているかを確認しましょう。

人気のある介護施設は入居待機者がいます。すぐに入居したいと思っても順番待ちをしなければならない場合がありますので、介護施設でのターミナルケアを考えている方は早めに見学などを行いましょう。特に、特別養護老人ホームは人気があります。

経済負担を軽減できる制度

医療費に限ってのお話になりますが、経済負担を軽減できる制度をご紹介します。入院費(差額ベッド代、寝具代、食費など)や入居費には適用できません。

後期高齢者医療制度

75歳以上の窓口医療費負担は1割になります。

高額療養費制度

70歳以上(年収156~370万円)の方の1ヶ月に支払う医療費の上限は個人単位で1万8000円、世帯合計で5万7600円です。これより多く医療費を支払った場合は返還されます。ただし、基本的には自分で申請しない限りは返還されません。申請できるのは医療費の支払いから2年以内なので、該当する方(世帯)は加入している健康保険の窓口に早めに相談しましょう。

ご自宅のメリット・デメリット

メリット

ずっと暮らしてきた家で最期を迎えることができることです。家族がずっとそばにいてくれることもご本人にとっては大きな安心です。

デメリット

家族が24時間体制でお世話をする必要があり負担が大きいことです。特に寝たきりの状態になると、数時間おきに褥瘡防止のため体勢を変えるなど体力も必要になります。定期的な往診や介護サービスのサポートを利用するとしても、どうしても家族の協力が必要不可欠であることには変わりません。

終末期を迎えた方に家族ができること

終末期はできるだけ家族がそばに寄り沿い話しかけましょう。話す内容は今日の出来事や思い出話など特別なものでなくても構いません。また、家族の今後の予定や将来のことなど未来のことについても話すのを控える必要はありません。これから家族と一緒にいられなくなっても、家族一人ひとりが希望を持ちしっかりと生きていくことができるという安心感につながります。

今までの感謝の気持ちや“最期まであなたのそばにいる”ことを伝え続けるのも大切です。体にやさしく触ることも心も安楽につながります。

たとえ話すことができなくても、会話に反応することができなくなっていても、誰かがそばにいる気配を感じることはできますし周りの声も届いています。誰かの気配や誰かの声は死への恐怖を和らげてくれるものです。ご本人が安心した気持ちで最期を迎えられるように静かに寄り沿いましょう。

まとめ

ターミナルケアとは、疾病などにより回復が見込めず死が避けられない時に行われるケアで医療的ケア(経鼻経管栄養、胃ろう増設、酸素吸入・点滴など)が中心になります。延命治療は行わず、身体的・精神的苦痛を緩和しながら穏やかに残された時間を過ごすことが優先されます。

ケアを行う場所は病院・施設・ご自宅から選ぶことができます。ご本人の希望や家族の事情も考慮しながら慎重に選びましょう。

終末期にご本人が話せなくなったり会話に反応しなくなっても、家族にできることはたくさんあります。最期の瞬間までご本人が心安らかに過ごせるよう家族全員で工夫しましょう。

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