遺産相続は誰にどのタイミングで相談するがいいか?

遺産相続の相談を誰にするかによって、解決するまでにかかる時間や発生する費用が変わります。遺産相続は、お金に関わる重要な問題です。正しい形で手続きを進めないと、資産を相続できなかったり、親族とトラブルになったりする可能性があります。遺産相続の手続きには期限があることも多く、早めに対応することが重要です。

とはいえ、遺産相続の相談を誰にしたらいいのか、判断するのは難しいですよね。今回は、遺産相続のおすすめの相談先7つを特性を述べながら紹介します。遺産相続の相談先に迷ったときの選び方や費用についても解説するので、ご参考にしてみてください。

遺産相続の相談は無料でできる?

遺産相続は誰にどのタイミングで相談するがいいか?01

遺産相続の相談は、無料でもできます。代表的なのは、市役所や区役所が主催する遺産相続の無料相談会です。弁護士や税理士を招いて開催されるため、無料で専門的な知識や意見を聞けるのがメリット。個別相談にも対応してくれます。ただし、無料なのはあくまで「相談のみ」です。

実際に遺産相続の手続きを進めていくうえで専門家が必要な場合は、自分で依頼をして費用を支払わなくてはなりません。また、市役所や区役所が開催する無料相談会は募集人数が少なく、自分の好きなタイミングで参加できないこともあります。

オンライン対応は基本的にないため、会場まで足を運ばないといけないのもデメリットです。弁護士や税理士も無料相談を請け負っているところがありますが、市役所や区役所と同じく、実際に手続きを依頼するには費用が発生します。

遺産相続の手続きは複数の専門家に依頼が必要となることもあるため、慎重に依頼先を選んで進めていくことが大切です。

遺産相続の相談から手続きまで、一貫してサポートを受けたい場合は、民間サービスの利用もおすすめです。遺産相続のサポートに特化した民間サービスを利用すれば、個別相談から専門家の手配まで、必要な手続きを一任できます。

利用料金は発生しますが、自分で大きな時間と労力をかけて手続きを進めることを考えれば、依頼する方がコストパフォーマンスが良くなる可能性も。民間サービスも相談や見積もりは無料でしてくれるので、遺産相続のこと全般がよくわからない、自分で手続きをするのが不安な人は、ご検討してみてください。

遺産相続の相談をするのにおすすめの相談先7つ

遺産相続は誰にどのタイミングで相談するがいいか?02

遺産相続の相談をできる人、場所はたくさんあります。ただし、それぞれに特性があり、どこに相談しても同じというわけではありません。

遺産相続の相談をするのにおすすめの相談先7つを紹介します。

銀行

銀行でも、遺産相続の無料相談会を開催していることがあります。メインバンクがあり、担当者がいる場合は、直接遺産相続の相談をすることもできます。ただし、銀行で相談・解決できるのはあくまで、資産継承に関することです。相続資産をどう運用していくかの相談が主になります。

銀行には弁護士や税理士など、遺産相続の専門家が居るわけではないため、法的な問題を相談しても、回答を得られないのがデメリットです。銀行で相談をすると口座開設や運用プランの勧誘を受けることもあるので、抵抗のある人は要注意です。

市役所

市役所や区役所では、遺産相続の無料相談会が定期的に開催されています。自治体が主催しているので安心感があり、個人情報保護の観点でも信頼できます。気をつけたいのは、市役所や区役所の窓口に足を運んでも、遺産相続の相談は基本的にできないことです。

市役所や区役所に遺産相続の専門家が在籍しているわけではないので、相談会が開催されていないときに訪れても、的確なアドバイスを受けることはできません。また、無料相談会はあくまで相談が目的なので、その場で専門家に依頼はできない点に気をつけましょう。

弁護士

弁護士には、遺産相続の法的なことに関する相談ができます。遺産相続を巡って親族と揉めたくない人や、既にトラブルが起きている人は、弁護士に相談するのがおすすめです。デメリットは裁判に及ぶことになった場合、依頼費用が高くなってしまうことです。ただ、法的な問題の専門的な相談やアドバイス、手続きは弁護士にしか依頼できないため、必要に応じて検討するようにしましょう。

税理士

税理士は税に関する専門家なので、相続税の相談ができます。実は相続税の正確な計算ができるのは、税理士だけです。相続税について知りたい人、税金の正確な金額が気になる人は、税理士に相談するようにしましょう。

司法書士

司法書士には、遺産相続の不動産に関する相談ができます。不動産の名義変更は司法書士しかできないので、相続登記をする場合は、必ず依頼することになります。ただし、司法書士は遺産相続に特化した専門家ではないため、不動産の相続登記以外の相談はできない可能性があります。

行政書士

行政書士には、遺産相続に必要な書類や手続きの相談ができます。行政書士は弁護士や司法書士に比べて事務所の数が多く、相談や依頼をする敷居が低いことがメリットです。「家系図を作ってほしい」「金融機関の手続きだけしてほしい」など、スポットでの相談や依頼もできます。

民間のサービス

遺産相続に特化した、民間のサービスを利用する選択肢もあります。民間のサービスを利用するメリットは、遺産相続に関するサポートを一任できることです。

例えば、自分で遺産相続の手続きを進める場合は、以下のような流れになります。

  1. 市役所や区役所の無料相談会に参加
  2. 自分で弁護士、司法書士、税理士を探して必要な手続きを依頼
  3. 自分でできる手続きを進めながら、対応できないところは行政書士に依頼

相談をする場所、手続きを依頼する人、それぞれ違う管轄であることが多いため、複数の場所を訪れなくてはいけません。 遺産相続の各手続きには期限があるので、これらの作業を早急に進めていく必要がありますが、一人でこなすのはとても大変です。民間のサービスでは各専門家と提携しているため、一つの窓口で全ての手続きが進みます。 悩んだときにいつでも親身になって、相談に乗ってくれるのも魅力です。

遺産相続の相談を誰にするか迷ったときの選び方

遺産相続の相談を誰にするかの選択肢は多く、どうしても迷ってしまう人もいるでしょう。自分や家族にとって最適な相談先を見つけることが、遺産相続問題を早急に解決するために重要になってきます。

遺産相続の相談を誰にするか迷ったときの選び方を紹介します。

遺産の金額が大きいなら銀行

相続する資産の金額が大きいなら、銀行への相談がおすすめです。普段使っているメインバンクに、相談するようにしましょう。資産運用に関する提案もしてくれるので、投資などに興味のある人にも最適です。

銀行に相談するのがおすすめな人

  • 多額の相続資産がある
  • お世話になっている銀行がある
  • 資産運用や投資に興味がある

相続に関すること全般を知りたいなら市役所

市役所や区役所の無料相談会では、遺産相続の基本から教えてくれるのがメリットです。何の手続きをどういう手順で行えばいいのか、知識0の状態でもわかりやすく説明してくれます。自治体が開催している相談会なので、ビジネス勧誘がなく、安心してアドバイスを受けられます。

市役所に相談するのがおすすめな人

  • 遺産相続に関する知識がない
  • まずは無料相談会に参加してみたい

相続トラブルがあるなら弁護士

弁護士に相談できるのは、遺産相続の法的トラブルに関することです。相続人同士が不仲で話し合いができない、自分の法定相続分を超える権利を主張をする親族がいるなど、相続トラブルの相談ができます。遺産相続の問題で裁判を考えている人も、弁護士に相談をすると解決法が明らかになりスムーズです。

弁護士に相談するのがおすすめな人

  • 遺産相続のことで親族と揉めている
  • 遺産相続のことで納得できないことがある
  • 遺産相続のことで裁判を起こすことも考えている

相続税の悩みがあるなら税理士

税理士には、相続税の相談ができます。ただし、相続税が発生するのは、多額の資産を相続する場合のみです。相続税が発生しないケースの方が多いのですが、よくわからなくて不安な人は、税理士への相談をおすすめします。

相続税の正確な金額や支払い方、控除についてもアドバイスを受けられます。

税理士に相談するのがおすすめな人

  • 相続税が発生するか知りたい
  • 相続税の正確な金額を知りたい

不動産の相続登記が多いなら司法書士

相続する資産に不動産が含まれている場合は、司法書士への相談がおすすめです。不動産の相続登記は、司法書士にしかできません。特に相続する不動産が複数ある場合は、始めから司法書士に相談することで、相続登記の手続がスムーズに運びます。

司法書士に相談するのがおすすめな人

  • 相続する資産に不動産が含まれている
  • 相続する不動産が複数ある

必要書類の準備だけを頼りたいなら行政書士

行政書士には、必要書類の収集や金融機関の手続きなど、こまごまとした作業を依頼できます。反対に、不動産の名義変更や裁判所へ提出する書類の作成など、できない専門的な手続きもたくさんあります。弁護士や司法書士への相談や依頼と比べると費用が安くなるので、法的な手続きや不動産の相続登記などがない人には、おすすめな相談先です。

行政書士に相談するのがおすすめな人

  • 自分では難しい作業を代行してほしい
  • 弁護士や司法書士に依頼するのはハードルが高い

親身になっていつでも頼れる人が欲しいなら民間サービス

民間サービスは、相談から手続きまで、全てを一つの場所で済ませたい人におすすめです。親身な個別相談はもちろん、各専門家の紹介、手続きの進行まで行ってくれるので、スピーディーに遺産相続の問題を解消できます。

終活サポートが提携している「遺産相続手続まごころ代行センター」では、遺産相続手続きを専門に扱う国家資格者が、一人一人の状況に応じて、必要な手続きを全てサポートしてくれます。

行政書士、司法書士、税理士、社会保険労務士などのあらゆる専門家が在籍しているので、自分で依頼先を探す必要がなく、どんな依頼にも対応いたします。全国対応で、非対面(電話やメール、Web面談、郵送のやり取り)だけで手続きを進めることも可能です。ご要望があれば、自宅訪問での相談もできます。
※ご依頼に至らず相談だけで終わった場合は、交通費のみ相談者負担

また、相続人の中に連絡先のわからない人がいる、孤独死で財産状況が全くわからないなど、特殊なケースへの対応実績も数多くあります。

初回相談は完全無料で、全国どこからでも申込みできるので、遺産相続に関するお悩みや疑問がある方は、どんなに小さなことでもお気軽にご相談ください。

民間サービスに相談するのがおすすめな人

  • 遺産相続のことでわからないことが多く不安
  • 遺産相続の相談から手続きまで全てを一つの場所で済ませたい
  • 自分で弁護士や税理士を探して依頼するのはハードルが高くできる自信がない

遺産相続の相談をするときの費用

遺産相続の相談をするときの費用は、状況や資産の大きさ、依頼する範囲によって変動します。金額だけでなく、自分ですることを考えた場合の時間や労力も考慮して、見合うかどうかを考えましょう。

遺産相続の相談と手続きを依頼するときの、一般的な各費用を紹介します。

銀行

銀行での相談は基本的に無料ですが、遺産相続の手続き全般を依頼する場合は、最低でも110万円ほどの報酬金を請求されるのが一般的です。費用は口座に預けてある資産額や、その他の財産の金額によって変動しますが、相続額が大きいほど高額になります。

市役所

市役所や区役所が開催する相談会には、無料で参加できます。自治体が主催しているので、紹介料などもかかりません。ただし、弁護士や税理士などに手続きを依頼する場合は、各専門家に依頼料金を支払う必要があります。

弁護士

弁護士に相談する費用は、何を依頼するかによって決定します。相談は無料なところもあれば、30分5,000円など有料のケースもあります。弁護士に遺産相続の手続きを依頼する場合の、一般的な費用はこちらです。

遺言書の作成と実行 作成手数料…約10~20万円
遺言執行手数料…約30万円~
相続放棄 約10万円~
遺産分割協議 着手金…約20万円~
報酬額…経済的利益で変動
遺留分侵害額請求 着手金…経済的利益で変動
報酬額…経済的利益で変動
内容証明郵便の作成手数料…約3~5万円
遺産分割調停 着手金…約20~30万円
報酬額…経済的利益で変動する

経済的利益とは、以下のことです。

経済的利益の額 着手金 報酬額
300万円以下 8% 16%
300万円超・3000万円以下 5%+9万円 10%+18万円
3000万円超・3億円以下 3%+69万円 6%+138万円
3億円超 2%+369万円 4%+738万円

費用は依頼する場所によっても違うため、複数の弁護士事務所の見積もりを比較・検討するのがおすすめです。

税理士

税理士の相談費用は弁護士と同じく、無料なところもあれば、30分5,000円など有料のケースもあります。税理士に相続税の手続きを依頼する場合の、一般的な費用はこちらです。

相続遺産の金額 税理士費用の相場
5,000万円 約25~50万円
1億円 約50~100万円
3億円 約150~300万円
5億円 約250~500万円

相続遺産が高額なほど必要な手続きが増えるため、費用は高くなります。 相続人が複数いたり、相続税の申告期限が近い場合は、加算報酬として上記の費用に10〜15%が上乗せされることもあります。

司法書士

司法書士の相談費用も弁護士や税理士と同じく、無料なところもあれば、30分5,000円など有料のケースもあります。 司法書士に不動産の相続登記手続きを依頼する場合の、一般的な費用はこちらです。

登録免許税 固定資産税評価額×0.4%
必要書類取得 約3,000円
手数料 約6万円
遺産分割協議書作成 約5~10万円(遺産総額の0.3~1%)

司法書士の費用も依頼する場所によって違うため、複数の事務所の見積もりを比較・検討するようにしましょう。

行政書士

行政書士への相談は、基本的に無料です。相談のみで依頼をしない場合は、料金が発生することもあります。行政書士に遺産相続の手続き全般を依頼する場合の、一般的な費用はこちらです。

相続財産額 報酬額
3,000万円以下 約20万円
3,000~5,000万円以下 約30万円
5,000~8,000万円以下 約35万円
8,000~1億円以下 約40万円
1~2億円 約50万円
2億円〜 個別相談(内容によって変動)

行政書士には必要書類の収集のみなど、スポット依頼もできます。 一項目だけを依頼する場合は相続財産額に関係なく、一律数万円〜の費用で済むこともあります。

民間サービス

終活サポートが提携している「遺産相続手続まごころ代行センター」は、初回相談完全無料です。 遺産相続の手続き全般を依頼する場合の費用はこちらです。

相続財産の総額
(不動産については評価額で計算)
報酬費用
2,000万円未満 18万円∼
4,000万円未満 22万円∼
6,000万円未満 26万円∼
8,000万円未満 32万円∼
1億円未満 38万円∼
1億円以上 個別相談

弁護士、税理士、行政書士に依頼する場合よりも、費用が安く済むのは大きなメリットです。 遺産相続の手続き全般ではなく、公正証書作成や死後事務委任など、スポット的な依頼もできます。

公正証書作成手数料 10万円~
遺言執行 30万円~
死後事務委任 20万円~

この他にも対応できる遺産相続の手続きは、たくさんあります。お気軽にご相談下さい。

遺産相続の相談は民間サービスがおすすめ(まとめ)

遺産相続の相談先はたくさんあります。無料で相談したいなら、市役所や区役所が開催している、相談会への参加がおすすめです。ただし、無料なのは相談のみで、手続きやサポートを専門家に依頼する場合は、費用が発生します。

費用は相続資産の総額やどの専門家に依頼するかによって変動しますが、弁護士や司法書士にしかできない手続きもあるので気をつけましょう。遺産相続の手続きを一人で進めることに不安のある人は、民間サービスの利用が向いています。

民間サービスの遺産相続手続まごころ代行センターでは、業界相場よりも安い費用で、国家資格者が一人一人の状況に応じ、必要な手続きを全てサポートしてくれます。初回相談は完全無料なので、小さなことでもお気軽にご相談下さい。

今日のポイント

  1. 遺産相続の相談は基本的に無料
  2. 遺産相続の相談をするのにおすすめの相談先は銀行、市役所、弁護士、税理士、司法書士、行政書士、民間サービス
  3. 遺産相続の相談を誰にするか迷ったときの選び方は目的と費用で考えること
  4. 民間サービスは費用が安く相談から手続きまで全てを一つの場所で済ませられるのでおすすめ

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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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