代襲相続とは?代襲相続人の要件や養子がいる場合の注意点を解説

代襲相続とは

代襲相続とは?代襲相続人の要件や養子がいる場合の注意点を解説01

代襲相続とは被相続人の子や兄弟姉妹が、相続の開始前に死亡するなどして相続権を失った場合に、その子どもが代わりに相続権を得ることです。

代襲相続が発生する要件には、以下のの3つがあります。

  • 以前死亡
  • 欠格
  • 排除

以前死亡とは、被相続人よりも先に亡くなること、欠格とは法律で定める欠格事由に該当すること(例えば、脅すなどして生前の被相続人に遺言書を書かせたり、被相続人や他の相続人を殺害したりするなど)をいい、排除とは、虐待などを原因として被相続人が家庭裁判所に申し出ることにより、相続人から排除されることをいいます。

相続放棄した場合の代襲相続は?

相続放棄で相続権を失った場合には、代襲相続は発生しません。 理由は、相続税逃れの防止です。 相続放棄は誰でも手続きさえ行えば簡単に行うことができます。

そのため自分の子に親の財産を意図的に相続させ、相続税の課税を一世代飛ばすことができてしまうのです。 したがって、相続放棄をした人に代襲相続は発生しません。

代襲相続の相続分

代襲相続による相続分は、代襲する前の相続人の相続分と同じになります。

例えば被相続人の子Aの相続分が2分の1であった場合、それを孫(子Aの子ども)が代襲相続した際の相続分もまた、2分の1です。

代襲相続で法定相続人が増えることも

相続税の基礎控除額の計算方法は、3,000万円+600万円×法定相続人の数です。

代襲相続があった場合の法定相続人の人数は、代襲相続人の人数を含めて計算します。例えば法定相続人が被相続人の子1人のみのケースで代襲相続が発生し、孫Xと孫Yが代襲相続人となった場合、法定相続人の数は2人(孫Xと孫Y)になります。

つまり代襲相続により、法定相続人が増えて基礎控除額が大きくなることもあるのです。

代襲相続の範囲

代襲相続の対象となるのは、被相続人の子か兄弟姉妹に、前記3つの代襲相続の要件(以前死亡・欠格・排除)が発生した場合のみです。配偶者や両親に代襲相続は発生しません。また子と兄弟姉妹では、代襲相続の範囲に違いがあります。

  • 子の代襲相続人

    子の代襲相続では、孫やひ孫への再代襲、再々代襲が可能です。もし代襲相続人となった子にも代襲相続の要件が発生している場合、次は孫が代襲相続人となり、その孫にも代襲相続の要件が発生している場合はひ孫が代襲相続人となります。

  • 兄弟姉妹の代襲相続人

    兄弟姉妹の代襲相続では、孫やひ孫への再代襲、再々代襲ができません。代襲相続権があるのは兄弟姉妹の子まで、つまり被相続人からみて甥、姪までとなります。

代襲相続の代表的なパターンを解説

代襲相続の代表的なパターンを事例で見ていきましょう。

パターン1 孫が代襲相続する場合

(家族構成等)
配偶者、長男A、次男B(欠格に該当)、次男Bの子XとY

(相続人)
配偶者(2分の1)、長男A(4分の1)、次男Bの子XとY(8分の1ずつ)

1 欠格は代襲相続の発生要件です。したがって、XとYはBの相続分(4分の1)を代襲します。 Bの相続分を2人で分けるのであって、Aと3等分ではないことに注意しましょう。

パターン2 姪が代襲相続する場合

(家族構成等)
・配偶者、兄A(以前死亡)、妹B、兄Aの娘X
・子、両親はいない

(相続人)
配偶者(4分の3)、妹B(8分の1)、兄の娘X(8分の1)

1 被相続人の兄弟姉妹が相続人となるには、子や両親がいない場合に限られます。 配偶者が居れば、法定相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1、配偶者も居なければ全て兄弟姉妹となります。 兄弟姉妹の代襲相続はその子(つまり甥か姪)までしか発生せず、再代襲はありません。
 
パターン3 祖父母や相続放棄人がいる場合
 

(家族構成等)
・配偶者、長女A(相続放棄)、長女Aの子X、被相続人の祖父
・被相続人の両親は他界している
・兄弟姉妹はいない

(相続人)
配偶者(全部)

1 相続放棄での代襲相続は発生しないため、Xに相続権はなく死亡した両親に移行します。 しかし両親もまた代襲相続は発生しないため、祖父に相続権はありません。 したがって相続人は、配偶者1人となります。

代襲相続人で養子がいる場合の注意点

代襲相続人と養子縁組

養子縁組とは、法律上の親子関係を形成する手続きで、養子縁組によって子になった人を養子といいます。

養子は、法律上の子として実子と同じく相続権をもちます。したがって、代襲相続人となることも可能です。

養子の子は代襲相続ができるのか?

養子の子が代襲相続人となるかどうかは、養子縁組の日より前に生まれたかどうかで判定されます。

養子縁組で親子関係が発生するのは、養子縁組の日からです。

したがって養子縁組の日に既に生まれていた養子の子との親子関係は、自動的には形成されないのです。

ただし養子縁組後に生まれた養子の子には、法律上の親族関係が自然発生し、代襲相続ができます。

代襲相続と養子の身分が重複した場合

相続税対策などの理由から、実の孫を養子にすることがあります。

この場合、孫の親、つまり実子に代襲相続が発生した場合、孫は親からの代襲相続権と養子としての相続権の両方を得ることになります。

相続分は2つの相続分の合計です。ただし、法定相続人としてのカウントは1人分になります。

養子がいる場合の法定相続人の数

養子に関する一般的な注意事項ですが、養子がいる場合、法定相続人のカウントには少し複雑な制限がかかります。

養子は子として法定相続人の数に算入することができますが、これを無制限に認めると、養子縁組さえすれば意図的に相続税の基礎控除額を増やすことができてしまいます。

そこで、法定相続人の数に算入できる養子の数は、実子が居る場合は1人まで、実子が居ない場合は2人が上限と決められているのです。(あくまで相続税を計算するためのルールで、養子縁組できる人数を制限するものではありません。)

また相続税法では、養子でも実子としてカウントされる「みなし実子」というものがあります。

代表的なものは特別養子縁組です。

特別養子縁組とは、前親との親子関係を消滅させる養親との結びつきが強い養子縁組のことで、この場合、相続税法上では実子としてカウントします。

みなし実子となる例は他にもあるため、養子が2人以上いる場合の基礎控除額の計算には注意が必要です。

養子が居る代襲相続人の代表的なパターン3つを解説

パターン1 養子が代襲相続する場合

(家族構成等)
・配偶者、長男A(以前死亡)、長男Aの養子X

(相続人)
配偶者(2分の1)、長男Aの養子X(2分の1)

(ポイント)
養子にも代襲相続による相続権が発生します。

パターン2 養子の子が代襲相続する場合

(家族構成等)
・配偶者、養子A(以前死亡)、養子Aの連れ子Y
・Yは、被相続人とAが養子縁組を行った日より前に生まれている

(相続人)
配偶者(全て)

(ポイント)
Yは養子縁組を行う日より前に生まれ、被相続人と養子縁組をしていないことから、代襲相続権は発生しません。

パターン3 代襲相続と養子の身分が重複した場合

(家族構成等)
・配偶者、長女A、次女B(以前死亡)、次女Bの子X
・Xは養子縁組により被相続人の養子となっている

(相続人)
配偶者(2分の1)、長女A(6分の1)、X(3分の1)

(ポイント)
Xは次女Bの代襲相続人としての地位で6分の1の相続分と、被相続人の養子としての地位でさらに6分の1の相続分を得ます。

したがってXの相続分は、合計で3分の1です。

代襲相続の相談は専門家に

代襲相続で注意が必要なのは、法定相続人の数です。

基礎控除額が増える場合はよいのですが、代襲相続に養子が関係する場合は安易な判定は危険です。

法定相続人の数に算入していた養子が、実はカウントできなかったとなると基礎控除額は大きく下がります。基礎控除額を超えれば、遺族には様々な負担がかかります。

代襲相続がある場合は、お気軽にご相談ください。

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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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