市町村配布のエンディングノートとは?おすすめする5つの理由

エンディングノートを市町村の自治体が作成し無料配布をしていることをご存知でしょうか。無料といっても内容は市販品に劣らず、おすすめしたい理由もたくさんあります。まずは一度活用してみませんか?

自治体が配布するエンディングノートとは

市町村配布のエンディングノートとは?おすすめする5つの理由01

特徴

自治体が配布するエンディングノートは、高齢者のこれからの人生がよりいきいきとしたものとなること、もしもの時の望み(介護が必要になった時、亡くなった時、など)を知ることを目的として作成されています。

一部自治体を除きほとんどが無料で配布され、地域の情報や相談窓口案内があることが特徴です。また、各自治体がオリジナルで作成しているため内容や書き方、ページ数にちがいがあります。

市販品とのちがい

市販のエンディングノートと内容に大きな差はありません。エンディングノートの基本的な情報(プロフィール、介護、延命治療、葬儀・お墓、財産、など)は、どの自治体でも記入できるようになっています。

自治体によっては地域の情報や相談窓口情報(相談窓口の名称、住所、電話番号)を掲載しているところもあります。相談内容は高齢になった時に必要な福祉サービスや成年後見制度、任意後見人制度、遺言、不動産担保型生活資金、などです。

入手方法

入手方法は、

  • 配布場所でもらう
  • 自治体公式のホームページからダウンロードする  の2つです。

両方行っている場合と片方しか行っていない場合がありますので、自治体公式のホームページで確認しましょう。

地方自治体で配布している無料エンディングノートリストまだ全国の自治体がすべて配布しているわけではないのですが、確実に増えています。
かっこ内は、配布している課です。
東京都狛江市 (高齢障がい課)・大阪府堺市南区(地域福祉課)
・滋賀県守山市(福祉保健センター)・神奈川県厚木市(介護福祉課)
・埼玉県八潮市(長寿介護課)・福岡県宇美町(福祉課)
・栃木県足利市(元気高齢課)・愛知県豊川市(介護高齢課)
・奈良県橿原市(地域包括支援課)・大分県杵築市(市民課)
<有料配布>東京都府中市高齢支援課(一冊350円)

上記リストに掲載されていなくても、配布場所は自治体の役場の福祉課、支援センター、ケアプラザなどです。配布対象者が限定されていることもあります(65歳以上、65歳以上の方の家族・支援者、など)。こちらも自治体公式のホームページに配布場所や配布対象者が掲載されているので確認しましょう。

ダウンロードは自治体公式のホームページから行います。PDF版が主流ですが、Word版でも行っている自治体もあります。Word版はそのままパソコンで入力できるので便利です。

お住まいの自治体でエンディングノートの無料配布を行っているか調べる方法

お住まいの自治体で無料配布が行われているかわからない人は、次の方法で調べてみましょう。

  • 役場に電話で問い合わせを行う
  • 直接役場に行き総合案内所で聞く
  • 広報に配布情報かないか確認する
  • 自治体公式ホームページのサイト内検索で「エンディングノート」と検索する

お住まいの自治体以外のエンディングノートを調べる方法

  • 調べたい自治体が決まっている場合
  • すでに調べたい自治体が決まっている場合は、その自治体公式ホームページのサイト内検索で「エンディングノート」と検索してみましょう。

  • 調べたい自治体が決まっていない場合
  • 調べたい自治体が決まっていない、そもそもどの自治体がエンディングノートの無料配布を行っているかわからない場合、やみくもに各自治体公式ホームページから検索をしても手間がかかります。 そのような時は、インターネットで「市 エンディングノート」や「町 エンディングノート」と検索してみましょう。エンディングノートを作成・配布している自治体が検索結果に表示されます。

これから終活を始める人にもおすすめしたい5つの理由

1無料で手に入る
ほとんどの自治体が無料でエンディングノートを配布・ダウンロードできるようにしています。一部有料のところもありますが、300円程度と市販のものよりは安価です。 自治体配布のエンディングノートは無料で基本的な情報にしぼった内容のつくりになっているので、終活を始める人の第一歩として最適です。
せっかく高いエンディングノートを買ったのに記入ページが多く挫折してしまった、となるとお金の損失や書けなかったことに対する自己嫌悪につながります。 先に無料配布のエンディングノートを書いてみて物足りなく感じたら、ページ数のボリュームがある市販品に挑戦しても良いでしょう。
2自宅にいながら手に入る
自宅にパソコンとプリンターがある方は、自治体の配布場所に行かなくても簡単にエンディングノートを手に入れることができます。時間の都合や体の調子が悪く配布場所に取りに行くことが困難な方、配布対象者以外の方でも手に入れることができるのでおすすめです。
また、お住まいの地域以外の自治体が作成したエンディングノートでも自宅にいながら手に入るので便利です。
3お住まいの地域以外の自治体のノートも手に入る
自治体配布のエンディングノートは自治体のオリジナル品です。エンディングノートとして成立する最低限必要な情報項目はどの自治体のノートにも記載されていますが、その他の部分には自治体ごとのカラーが出ているので比べてみると面白いです。
例えば、自分の歴史、家系図、家族へのメッセージ、思い出の写真を添付するページ、入院・死亡・葬儀の際に連絡をして欲しい人のリスト、などがプラスされています。 また、同じ項目でも書き方に違いがあります。例えば、アレルギー記載欄です。フリースペースを設け自分でアレルギー物質を記入するタイプと、代表的なアレルギー物質(小麦・乳・そば、スギ・ヒノキ・ヨモギ、など)が記載してあり丸をつけるタイプがあります。
記入例の有無や更新用に同じ欄が複数個用意されているところもあり、自治体によってさまざまです。必ずしもお住まいの地域のものでなければならない、ということはありません。内容を確認しご自身の好みにあったものを選んで使ってみましょう。
4何度でも・簡単に更新ができる
エンディングノートは一度書いたら終わりというものではありません。介護や延命治療などに対するご自身の考え方が変わることもあるでしょうし、終活を進める中でお墓を購入したりすることもあるでしょう。また、加入保険・銀行口座なども変わるかもしれません。変更の都度に更新するのが好ましいですが、最低でも1年ごとに見直して常に最新の情報にしておきましょう。
市販のエンディングノートの場合、更新する度に新しく購入するのは金銭的に負担がかかります。さらに、更新しないページの情報を転記するのも一苦労です。 しかし、自治体配布のエンディングノートはダウンロードしたデータを保存しておけば、更新したいページだけを印刷し差替えることで何度でも・簡単に更新ができます。お財布に優しく、更新しないページはそのまま使えるのでおすすめです。
5Word版は手書きの必要がなく、書き直し・保存も簡単
Word版のエンディングノートであれば、手書きせずにパソコンでの入力が可能です。パソコン入力の良いところは更新を含め書き直しが簡単で、書いた内容の保存も簡単にできることです。
万が一、実物のエンディングノートを紛失した場合にもデータ保存してあれば復元ができます。 ただし、データ情報は容易にコピーされて盗まれる可能性があり、そして、コピーされてもデータがなくなる訳ではないため気付きにくいという欠点もあります。

自治体が無料配布する理由は?

市町村がエンディングノートを積極的に配布する理由として、「高齢者の増加」「単身者の増加」「空き家問題」などがあげられます。

高齢者のサポートは主に地域の福祉課や民生委員が行っています。

しかし、高齢者、特に単身高齢者に万が一のことがあったときに本人の希望がわからないと「どうすることが本人にとって一番良いのか」がわからずに、まわりが慌ててしまうことがあります。

エンディングノートに様々な情報や個人の希望を書いてもらうことで、介護や相続、葬儀まで本人の希望通りに、スムーズに行うことができるというメリットがあるのです。また、エンディングノートに取り組むことは、高齢者の今後の人生のためでもあります。

過去を振り返り、現在の自分の状況を把握することで

  • 残された人生をどのように行きたいのか
  • これからやりたいことは何か

を考えるきっかけになるからです。 どの自治体でも高齢者が増えており、今後もますます増えると予想されます。

エンディングノートをきっかけにして高齢者が生き生きと前向きな生活を送ることができれば、それが自治体を明るく、元気あるものにしてくれるのではないかという期待も込めて、ノートが配布されています。

まとめ

エンディングノートは終活を始める人にとって最初の一歩とも言える大事なものです。自治体配布のエンディングノートは無料配布・入手のしやすさ・適度なボリュームから、市販品よりもハードルが低く取り組みやすくなっています。

ぜひ、自治体配布のエンディングノートを利用して今までの自分を振り返り、これからの人生をよりいきいきとした良いものにして欲しいと思います。

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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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