遺言書とエンディングノートの4つの違い

遺言書とエンディングノートは“家族のために残すもの”として同じだと思っている人はいませんか?実は全くの別物です。 それぞれの長所・短所を見極めながら、ご自分やご家族の状況に合わせたものを残して欲しいと思います。

エンディングノートと遺言書の1番大きな違いは“法的効力”

遺言書とエンディングノートの4つの違い01

エンディングノートと遺言書の違いは複数ありますが、大きな違いは“法的効力の有無”にあります。遺言書には法的効力がありますが、エンディングノートにはありません。つまり、遺言書に書いた内容はご自分の死後に法的な効力を持って実行してもらうことができますが、エンディングノートに書いた内容は実行されるとは限らないということです。

また、内容を実行する上で隠ぺい・破棄への対応にも違いがあります。遺言書の場合、遺言書の内容に不満がある者が遺言書を故意に隠したり破棄したりすると、その人が相続の資格を失う可能性があります。エンディングノートの場合は、家族・親族間での揉め事になるだけです。

ただし、遺言書で法的効力を持たせることのできる範囲は決まっており(後述します)、どんな望みでも自分の思い通りにできる訳ではありません。また、相続人全ての同意を得ることができれば遺言書に従わないことも認められています。

法的効力以外の3つの違い

違い①:書く内容と書き方

エンディングノートの場合書く内容は自由です。ルールは一切ありませんが、残された家族が困らないようにするためご自身のプロフィール、介護、延命治療、葬儀・お墓、財産、などが一般的な項目として挙げられます。書き方も自由です。市販品や市町村で配布されるエンディングノートを使っても良いですし、大学ノートに必要な項目だけを記入しても良いです。手書きでなくパソコンで作成しても構いません。
遺言書の場合遺言書に書ける内容は法律で次の8つに決まっています。仮に決められたこと以外(葬儀のこと、家族と仲良く暮らすように、など)を書いても法的効力は持ちません。  
1.遺産分割方法の指定…誰にどの財産を相続させるかを指定する     
2.遺産分割の禁止…亡くなってからすぐに遺産分割を行うと家族が揉めそうな時、相続開始から5年以内の遺産分割を禁止することができる     
3.遺贈…法定相続人以外の人(息子の嫁、お世話になった介護士、福祉施設、内縁の妻、など)へ財産を残すことを指定する  
4.相続人の廃除…虐待や重大な侮辱をした法定相続人を相続人から除くことができる   
5.内縁の妻とその子の認知…認知することで子ども(隠し子)に相続権を与えることができる(認知自体は生前にもできます)  
6.後見人の指定…遺言者の死亡によって子ども(未成年)の親権者がいなくなる場合、財産管理などを行うための後見人として第三者を指定できる  
7.祭祀主宰者の指定…葬式や法事を主催する人の指定する  
8.遺言執行者の指定…遺産相続によって生じる名義変更などの事務処理を行う権限のある人を指定 する書き方も言葉の使い方に至るまで厳密に決まっています。
例えば、「相続させる」という言葉を「託す」「管理させる」「任せる」と書いてしまうと間違いです。定められたルールに従っていない場合、書いた内容が無効になるので注意しましょう。

違い②:費用

エンディングノートの場合市販品を買う場合は1000円程かかります。葬儀社や市町村が無料で配布しているものを活用すると、費用をかけずに手に入れることもできます。
遺言書の場合遺言書には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。種類によって費用が大幅に違いますので一つずつご紹介します。自筆証書遺言は遺言者が自筆で作成し、公証人が関わらない遺言です。費用は、必要書類取得のための数千円です。
公正証書遺言は遺言の作成を公証人が行います。公正証書作成手数料と公証人の日当が費用の内訳です。公正証書作成手数料は相続財産の金額によってかかる金額が異なり(財産額が大きい程、手数料もかかります)、公証人の日当も依頼先によって異なります。そのため、費用は数万円~数百万円と大きな幅があります。
秘密証書遺言は遺言者が遺言を作成し、公証人2名と共に公正役場へ行き遺言として保証してもらいます。費用は、必要書類取得のための数千円と公証人への手数料として1万1千円がかかります。こちらの手数料は相続財産の金額に関係なく一律に1万1千円です。

違い③:開封の仕方

エンディングノートの場合エンディングノートは開封の仕方(ノートを開いて見ること)に決まりはありません。エンディングノートを託された方が生前の故人といつ見るか・誰が見るかを約束していたならば、その通りにすべきでしょう。しかし、その約束が守られるとは限りませんし、託された方が遺産の分け方などを勝手に加筆・修正していても本人が亡くなっている以上は確認ができません。
遺言書の場合遺言書は開封時のルールが決められています。
自筆証書遺言と秘密証書遺言は、開封前に家庭裁判所で検認(私文書を公文書にする手続き)をする必要があります。検認前に遺族だけで開封してしまうと、(検認のルールがあることを知らなかったとしても)5万円以下の過料に処せられることがあります。このルールには理由があります。自筆証書遺言と秘密証書遺言は遺言作成の後、第三者が内容を保証していないためです。遺言者以外の人が勝手に開封し中身をすり替えることを防止するため、開封前の状態で家庭裁判所の検認を受けることが必要になります。
秘密証書遺言は遺言作成後に公正役場で手続きを行いますが、内容を保証する手続きではないため検認が必要です。 ただし、間違って検認前に開封してしまっても遺言自体の効力が失われることはありません。
公正証書遺言は、遺族たちだけで開封可能です。遺言の原本が公証役場に保管されているため家庭裁判所での検認は必要ありません。

家族が相続で揉めないためにできること

相続は「争族」とも書き替えができる程、揉め事が起こりやすいものです。自分の死後も家族が仲良く暮らしせるよう、相続についてしっかりと考えておきましょう。

誰に何を相続させるかが決まったら、できるだけ本人たちに伝えておきましょう。納得のできる分配になっていれば、自分の死後に揉めることはないでしょう。

愛人に全てを相続させる・長男に全てを相続させるといった極端な相続は揉める原因になります。また、
日本の法律には“遺留分(いりゅうぶん)”といって法定相続人が最低限の遺産を相続できる権利があります。この権利は、いくら遺言者の財産とは言っても家族の協力の上で得られた財産でもあるため、最低限の財産は家族に残すべきという考えから成り立っています。

したがって、遺言の上では全く遺産を分けてもらえない法定相続人が遺留分を主張すれば遺言の通りにはなりません。

また、相続できる程の財産はないと簡単に考えるのも危険です。自分名義の持ち家や自動車も立派な相続対象です。名義を誰に変更し、車は誰に使って欲しいのか考えておきましょう。

まとめ

エンディングノートや遺言書は自分の死後に家族が困らないようにするための大事なものです。
家族に残すのはエンディングノートのみで良いのか、遺言書も残した方が良いのか、ご自身の状況に合わせて早めに準備しましょう。

特に、遺言書の作成には時間がかかります。一度作成した遺言書には有効期限がなく書き直しもできるので、早すぎると思わずに準備することが家族のためにつながります。

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