【葬儀は、絶対、事前見積を取った方がいい!後編】その理由とは? みんな、終活一年生
【葬儀は、絶対、事前見積を取った方がいい!後編】その理由とは?
こんにちは。終活プロデューサーの池原充子です。
前回からの続きです。これは、葬儀社さんの悪口ではありませんので誤解なさらないように。私が実際にご葬儀の見積でかなり衝撃を受けた出来事があったので、ご紹介します。あくまで、
ただの、一消費者としての目線
と思って聞いてくださいね。 先日とある大手葬儀社さんに行く機会があったので、葬儀ホールにお邪魔してきました。まだ葬儀の喪主になったことがない私は、葬儀ホールの中をくまなく拝見するのは初めてで、興味津々で色々お話を伺ってきました。
打ち合わせのお部屋に案内されると、葬儀で使う小物やお花などが並んでいて、机の上には、「エンバーミング」のチラシがありました。
エンバーミングとは、血液系を利用して血液と防腐剤を完全に入れ替え、全身を灌流固定すること。 一般社団法人 日本遺体衛生保全協会 (ちょっと説明が専門的過ぎてわかりませんね)
エンバーミングって、なに??
簡単に言うと、人がお亡くなりになってから火葬までの間、ご遺体から血液を抜いて、代わりに防腐剤を入れ、腐敗しないように処理することです。火葬まで時間がかかる場合や、海外など遠方へご遺体のまま搬送する場合に利用されます。
処理の施されたご遺体は、まるで生きているみたいに、自然なお姿のままお別れをすることができるので、ご遺族の計り知れない悲しみを癒すことができるかもしれません。
エンバーミングの発祥は、アメリカなので、北米では、90%以上がエンバーミング処理されるらしいのですが、それは、日本と違い土葬の文化が残っているからだと考えられます。(近年はアメリカでも火葬が過半数を占める州もある)
ちなみに、日本でエンバーミングが施されるのは、約1.7%(都市部では約5~6%程度)で、まだまだ知られていない技術です。(出典:株式会社ディーサポート)
エンバーミングの最大のメリットは、ご遺体が腐敗しないので、ドライアイスを充てる必要がないことと、血液の代わりに防腐剤を入れるので、腐敗によっておこる感染症を防止することです。
特に事故や事件、災害などで突然大切な人を失った方々にとって、お別れに時間をかけるためにご遺体を保全することはとても大切。そういう意味では、エンバーミングは非常に有効な技術だと思います。
エンバーミングをやる人って、いるの??
机のチラシが気になったので、実際にエンバーミングを施されるご遺族さんがいらっしゃるのかどうかを聞いてみると、「弊社では、6~7割の喪家さんが、エンバーミングをされています。」 とおっしゃるではありませんかっ!! 先ほど申し上げた通り、日本でエンバーミングが施されるのは、約1.7%ですよ?!それが、こちらの葬儀社さんでは、約6~7割がやっているというんです。
どういうこと?? さらに聞いてみると、「他社様の場合は、外部へ委託されるので、20万~30万円ほどかかりますが、弊社では、自社施設があるのでエンバーミングが15万円でできます。」 なんと!自社の専門施設をお持ちとは。
なるほど他社より安くできるのであれば、それは自社の強みとしてご遺族様にご紹介しますよね。でも業界的には破格でエンバーミングができるとしても、関西では火葬までの待ち時間がそれほどかからないのに、施す必要性がよくわからんなぁ?と思っていると、「(ご遺体保全に使う)ドライアイスが、一日10万円、消臭剤が3万円、湯灌(ご遺体をお湯で綺麗に洗い清めること)が7万円なので、それならエンバーミングの方が安いと、エンバーミングを希望される喪家さんが多いです。」
私「え??い、一日ですか?ドライアイス代が一日10万円かかるんですか?(驚きで声がひっくり返る)」
葬儀社「はい。そうです。」 ((いやぁ、ちょっと待ってよ。))←(これは心の声) 確かに私、喪主はやったことないけど、終活プロデューサーという職業柄、葬儀の相場、結構調べてますよ。
なんせ、15社ほど資料請求&見積もらってるので。ドライアイスの相場って、一日10,000円弱ですよ。 んなわけ、ないやん。「一日分」っていうのが私の聞き間違いだったのか?でも二回も聞きなおしたんだよな?釈然としない思いで、帰宅してから手帳を確認すると、
(汚ったない手書きの手帳) 確かに、その通り書いてある。
でも、これは、やっぱり「一日分」じゃなくて、「一回の葬儀」で、という意味でおっしゃったのだと思う。そんなすぐばれるウソつくはずがないし。
だってね。 実際、今回お邪魔した大手葬儀社さんは、オンラインでも見積可能なので、後日オンラインで見積もりしてみると、ドライアイス9,500円(1回) と出てくる。
じゃあ、火葬までドライアイス10回変える必要があるってこと?どんだけ灼熱地域にある巨漢のご遺体やねん! (通常、ご遺体にドライアイス入れるのは1日1回ぐらい。関西では、火葬場の待ち時間はそれほどないから、お亡くなりになってから3、4日ほどで火葬される。となると、ドライアイスを入れるのは、火葬前日までの2~3回ほどが通常なのです。お体の大きなご遺体や、真夏の場合は多めにドライアイスを入れる場合もあります。)
故意ではなく、言い間違いだったとしても、私が平常心だったからよかったけど、今まさに大切な人を失くされて悲しみに打ちひしがれているご遺族さんが、この通りの説明を受けたら、 じゃあ、エンバーミングで。となっちゃいますよね。
もちろん、エンバーミングが悪いわけでは全くないんですよ。 その説明の仕方にかなりの違和感を感じるというか。釈然としない。 実際、私のエンディングノート講座の受講生さんが、この大手葬儀社さん(支店は違う)でお葬式をした際、エンバーミングを施したそうで、
私「火葬まで待ち時間が長かったんですか?」
受講生「いや、そうじゃないけど、エンバーミングの方が(トータルで)安いって言われて。でも最後まで人形のように綺麗な顔だったから、みんな『すごくよかったね』と言ってました。」
そっかー。なるほどなー。これは、こちらで勝手に正解を決めてはいけないということか。何と言っても、 ご遺族さんが納得しているのが一番なんだから。誰が何と言おうと、 ご遺族さんが「よかったね」と言っていることが結局大正解なので、外野がエンバーミングがいい悪いという問題ではないのだな、と思いました。
ただ先ほど書いた通り、 その説明の仕方にかなりの違和感を感じるというか。釈然としない。 という思いは半年以上経った今も鮮明に残ります。こういう思いを残さないようにするにはどうするべきなのか?
事前に葬儀の見積もりすること 結局これに尽きます。元気で笑って話せるうちに、冷静に判断ができる時に、いろんな情報を収集しておく。すぐに決めなくても、そういった情報を持っているだけでも心の余裕が全く違うし、「自分で事前に動いて調べたからこれでいいんだ」という納得が生まれて、結果的に後悔が少なくなると思います。
どうやっていいかわからないという方は、終活プロデューサーの私が手取り足取りお教えしますので、是非お声がけ下さいね。
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