【不動産は、相続放棄できる?】現金は欲しいけど不動産はいらない、は不可能!みんな、終活一年生

【不動産は、相続放棄できる?】現金は欲しいけど不動産はいらない、は不可能!

先日、鈴鹿市社会福祉協議会様からのご依頼で終活講演会に登壇させていただきました。なんと、募集開始からたった1週間で会場が埋まってしまったという(会場70名)脅威の集客力をお持ちの主催者様。オンラインでの受講人数も当初想定数の3倍のお申し込みがあったということで(オンライン20名→60名に増設)、鈴鹿市民の皆様の終活熱がアツすぎることに、ありがたいやらびっくりするやら。ご参加いただきました皆様ありがとうございました

セミナーに登壇する講師

90分の講演でしたが、最後に質疑応答タイムがあり、お二人手が上がりました。講演が終わった後にも、登壇席にお越しいただいた方が3名ほどいらっしゃり、皆さん、ほぼ同じことで、頭を悩ませていらっしゃるご様子でした。

それは、不動産は、相続放棄できるのか?

答えは、「可能」です。ただし、不動産だけを放棄してその他の遺産は相続します、ということはできません。不動産を含むすべての遺産を相続放棄するか、借金などのマイナス資産を引き受ける代わりに、同程度のプラスの遺産も部分的に相続します、という限定承認をするか、ざっくりこの2択になります。(厳密にはほかにもありますが、本気度の高いご相談は、専門家におつなぎしますので、一人で抱え込まないでくださいね)

今回質疑応答で手を挙げていただいたお父さまのご質問は、

「娘二人に不動産を残そうと思っていたのに、娘たちにそのことを話したら、二人とも、『いらん!』といいます。それなら、孫にやろうと思ったら、孫も『いらん!』というんです。わしゃ、どうしたらいいんでしょうか?」というものでした。

私思わず「おとうさん、大変ですね」とこぼしちゃいましたが、こういうご相談、本当に多いです。 昭和の時代を苦労して生きてこられた方々は、「不動産」というものは、「非常に貴重」で「価値が高く」、「末代まで引き継ぐことができる大切な資産」であると思っていらっしゃいます。

なので、人生の大半をかけてマイホームを取得し、その不動産を「資産価値が高い遺産として、子供たちへ遺してやろう」と思われています。しかし、日本では、848万9千戸もの空き家があり、全国の住宅の13.6%(約7.5軒に1軒は空き家)を占めていることをご存じでしょうか?

空き家については、少子高齢化の進展や人口移動の変化などを背景に、増加の一途をたどっており、管理が行き届いていない空き家が、防災、衛生、景観等の面で人々の生活環境に影響を及ぼすという社会問題が起きています。
(出典:総務省統計局平成30年住宅・土地統計調査 特別集計)

少子高齢化プラス過疎化に拍車がかかり、特に地方の不動産は、売りたくても売れない状況になっています。子どもたちが地元に残っているならまだしも、生活基盤が都市部にある場合、地方に不動産を遺されても、どうしていいかわからない、というのが子どもたちの本音ではないかと思います。

  • 時代の変化は本当に早い。価値基準もどんどん変わっていきます。
  • 自分が大切だと思っているものが、家族にとっても大切だとは限らない。

もはや精神論や根性論では解決しない問題なので、不動産を次の世代に遺すのかどうか?は、終活の一環として、前向きに考えていただきたいテーマの一つです。

  • 遺すならだれに託すのか?
  • どう活用してもらうのか?
  • 不動産の名義は誰になっているか?
  • 登記簿はどこにあるか?
  • 境界線はちゃんと表示されているか?

この辺りをしっかり確認して、次の世代に託していただきたいなと思います。素人ではかなり無理があるので、専門家に相談して、心のもやもやを解消すると、本当にその後の人生がスッキリ元気に過ごせますよ。

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