【人は死んで名を残す】はもう古い?!死後、有機肥料になる究極のSDGs葬とは? みんな、終活一年生

【人は死んで名を残す】はもう古い?!死後、有機肥料になる究極のSDGs葬とは?

こんにちは。終活プロデューサーの池原充子です。

問:皆さんは、自分が死んだらどうしたいですか?

って、「死んだらお墓に入る」のが当然と思っている方にこんな質問しても

なんのこっちゃ。 って、なっちゃいますよね。 お墓にもいろいろな種類があるのはご存じかと思いますが、現状、こんな感じになってます↓↓

(出典:「第13回 お墓の消費者全国実態調査(2022年)」)

「一般墓」(いわゆる昔ながらの石材のお墓)の割合が減って、「樹木葬」(樹木の周りに埋葬するお墓)の割合がぐんと増えているんですね。樹木葬は「自然に還りたい」願望をほどよく満たしてくれるし、一般墓より価格的にもリーズナブルなので(下図参照)、特に女性から人気が高いのもうなずけます。

(出典:「第13回 お墓の消費者全国実態調査(2022年)」)

上の図には載っていませんが、徐々に人気が上がっているのが「散骨」(粉砕した遺骨を海や山に撒く)。

「一般社団法人 全国優良石材店の会」が2020年に行った調査によると、国内での海洋散骨は、年間約25,000人、山林約9,000人だそうで、そのうち東京湾への散骨は年間約3,000人、東京の山林へは年間約600人と推定されるそうです。

2020年の死亡者数は、約137万人でしたので、約2.4%が散骨を選んでいるということになりますが、調査団体によると、「散骨は、将来10倍以上に増える可能性がある」と推測しています。

(*ちなみに日本では、散骨は、法律すれすれのグレーゾーンです。) 「死んだら自然に還りたい」を一番叶えてくれるのは、日本では散骨ですが、アメリカでは、SDGsを地で行く葬送スタイルがあります。 それは、「コンポスト葬」。もうね、マジですごいっすよ。 去年このコンポスト葬の記事を読んで衝撃を受けたのですが、具体的にどうするのかというと、

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死後、遺体はオーガニックなウッドチップで敷き詰められた再利用可能なモジュール式の棺に収められ、遺族や友人との告別式が執り行われる。式が終わると遺体はオーガニックな素材を被せられ、棺ごとコンポストを行う専用のカプセルに収容される。

その後落ち葉が土に戻っていくように約30日間かけて骨や歯までもがゆっくりと土に還っていく。容器内は微生物やバクテリアが活動しやすい環境に整えられており、より効率的な分解が促される仕組みになっている。

分解後は、1立方ヤード(0.76立方メートル)ほどの豊穣な土に変わる。遺族や友人はこの土を持ち帰って通常の土と同じように植物を植えるのに使うなど再利用することが可能で、持ち帰らない場合はRECOMPOSEが提携している森林の育成に使用される。

これにより、人間は死後、自然の一部として循環することが可能になる。出典:人間を土に還す。シアトルで始まる、世界初の「堆肥葬」

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つまり、有機肥料を作っちゃう。ご遺体で。ってことですね。一言でいうと。 で、「栄養分たっぷりの土になった堆肥」を持ち帰って、ガーデニングに使ってくださいね~。っておっしゃってます。

まさに「自然に還る」。これをSDGsと言わずして何という?! そして、このコンポスト葬は、アメリカワシントン州、シアトルで2019年合法化されたのですが、その後、他の州でも次々と可決され、コロラド州、オレゴン州、バーモント州、カリフォルニア州に続き、ニューヨーク州でも可決されました。

この「コンポスト葬」の最大の利点は、従来の埋葬方法と違い、 環境を汚さない こと。土葬から火葬が増えつつあるアメリカで、環境への悪影響が懸念されているという背景も、合法化を後押しした模様です。下の引用記事を読むと、死後も環境を汚し続けることに対する罪悪感を感じざるを得ません。

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1体の遺体を火葬するためには燃料が100リットルほど必要で、焼却を通して200〜300kgの二酸化炭素が排出されているという。 他にも、葬送に必要な材料の消費も問題視されている。

遺体を安置する棺には大量の木材と金属が必要で、遺骨を安置する納骨堂にも強化コンクリートや金属が使用されている。一度埋めた墓は何世紀にも渡って残り続け、素材のリサイクルも難しいため、消費し続けるという観点ではサステナブルな方法とはいえないだろう。

出典:人間を土に還す。シアトルで始まる、世界初の「堆肥葬」

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このような遺体の堆肥化は、アメリカだけでなく、スウェーデン全土で合法化されており、イギリスでは棺を使わない、または生分解性の棺で埋葬する自然埋葬が合法化されているそうですよ。

日本では当然認められていませんが、このコンポスト葬、ご遺体を輸送することができれば、海外からでも受け入れ可能だそうですので、ご興味のある方は、検討されて、エンディングノートにもしっかり書いておいてくださいね!

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