【終活なんて、失礼だよな】という人の意外なホンネとは?みんな、終活一年生

【終活なんて、失礼だよな】という人の意外なホンネとは?

こんにちは。終活プロデューサー(終活P)の池原充子です。先日某自治体の時局講演会に登壇しました。コロナ禍で開催予定が延期となり、ようやく今回お話することができました。

テーマは、「なぜ、今終活が必要なのか?」だったのですが、約80名の方にご参加いただいたにも関わらず、なんというか・・・ 反応、薄っ。

って感じだったので、「あれ、私、なんかおかしなこと言ってる??全く反応ないんだけど」と途中で迷子になったような感覚でした。終活セミナーに参加されるのは、圧倒的に女性が多いです。

講義聞きながら、自分の人生と重ね合わせ、「うちは、こうなのよ!」と内輪話に花を咲かせながら、わいわい楽しく、満足感MAXで帰って行かれます。

で、今回の時局講演会は、圧倒的に男性参加者が多かったです。しかしながら、その参加理由は、「聞きたかったから、興味があったから参加した」という前向きなものというより、「講演会をするので、参加してください」的な、暗黙の強制力に促されて参加したという、ちょっと(しかたなく感)が会場に漂っていた雰囲気がありました。

その伏線は、登壇前の控室にも。 同じ控室にいらっしゃった役員さん方の会話で、世間話から、ボソッと漏れたひとこと。「カミさんの母親の遺品整理、カミさんができないっていうから、仕方なく俺がやったんだけど、そもそも親に終活しろ、なんて、失礼だよな。」

ああ、紛れもない本音。 終活に対するぬぐいようのない嫌悪感。 現役時代、社会的地位が高かった男性に多い傾向。(※あくまで個人の感想です)「親に終活しろ、なんて、失礼」という言葉の中に、ものすごくいろんな感情が入り混じっていて、 無理やり言葉にすると、こんな感じなのかな、と思います。

「戦後何もない日本を立て直すために、一生懸命働いてきた。 家庭も持って、日本のために、子供のために、ひたすら働いてきて、やっと年金をもらえるようになったら、 今度は、老害だ、長生きリスクだ、尊厳死だ、終活だ、断捨離だ、遺言書書いてくれだと?働けなくなったら、お払い箱か? その前に、日本に、お前たち(息子娘孫など)に貢献してきた俺たちに、なにかもっと他に言うことがあるんじゃないのか?

こういう思いがあるから、講演会の間、最前列で腕組んで眉間に皺を寄せながら聞くことになったんだろうと思います。「終活の必要性は、何となく気づいてるが、気持ちが追い付いていない状態」の方に対し、伝える側が一番忘れてはいけないのは、 聞き手のこれまでの人生をリスペクトする という事です。

上っ面の言葉を並べるだけでは、すぐ、うわべだと見抜かれます。本当に、今まで生きてこられたこと自体が凄いです。日本社会に、家族に貢献してくださってありがとうございます。の気持ちをもって、話をすることが何より大切だと思います。

そして、それは、家族も同じです。家族だからこそ、恥ずかしくて言えない感謝の気持ち。でも、言わないと、伝わらないんです。どうしても言葉にできないなら、何か形に。 親御さんの好きな食べ物でも、曲でも、場所でも、メッセージカードでも。 「たまたま通りかかったお店で見つけたんだけど、お父さん(お母さん)こんなん、好きやったんちゃうかなぁ~と思って。よかったらどうぞ」 的なさりげなさで。

最初は何も変化がなくても、断続的に続けていくことによって、必ず気持ちは伝わります。氷のように凝り固まった気持ちでも、いつか必ず溶けていきます。親御さんに終活をして欲しいがために、無駄に危機感を煽ったり、焦らせたり、高圧的になったりすると、逆ギレされるのがオチですので、どうかお忘れなく。

暖簾に腕押し的な感触で、講演を終え、ドアを出たところに、なんと出待ちのシニア男子様が。 「いやぁ~、よかったよ。今日の話。ほんとに心に響きましたわ。これからもこの調子で頑張ってくださいよ!」 って、なんで上から目線のコメント?? 事務所の社長かっ、あんたはっ!

そして後日たくさんのアンケート結果が届き、その中に、 「終活を後ろ向き、消極的な面でとらえていたことが、ふっ切れた感じです。「死」を前向きにとらえ「生」を考えていきたいと残り少ない人生を積極的に生きていきたい」 という感想をいただきました。 よかった。伝えたいことが伝わってる。

反応なかったけど、ちゃんと響いてくれた人もいたんだ!と嬉しくなりました。 人は死ぬ、という事を自分事に捉えるのは、結構大変です。普段から思ってても、いざ!というときは、やっぱり怖いと思うものです。

だから、終活をやらないと!と意気込むより、趣味的に、日常生活の中に取り込んでいくことをおススメしてます。まずは、自分の事を振り返ってみるのはいかがでしょうか?

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