【なんと約8割が病院で最期を迎えている!】最後に家族ができることとは? みんな、終活一年生

【なんと約8割が病院で最期を迎えている!】最後に家族ができることとは?

こんにちは。終活プロデューサー(終活P)の池原充子です。数年前になりますが、ネット記事で見かけた書評を見て即買いしたのが、看護師でありケアマネジャーであり僧侶である玉置妙憂さんの「死にゆく人の心に寄りそう」。ちょっとしたご縁がありまして、また読み返してみました。

以前読んだ印象と少し違うのは、私が仏教を学んでいるからかもしれません。著者の言いたいことがすごく腑に落ちます。

特にこの記述
===============

玉置さん書籍ところが、宗教的なものを排し続けてきた結果、医療の現場では宗教的なものに触れることができなくなってしました。宗教的なものを消しすぎた結果、心の拠(よ)り所(どころ)がなくなってしまった、と言ってもいいでしょう。

(中略)けれども私たちは、受験の前には合格祈願をしますし、寺社に無病息災を願ったりもします。日々努力を重ねても、それだけでは心が落ち着かないことがあり、そのようなときには神仏に祈るのです。

それと同じように医療の場でも、ときには「念珠が効く」と思ってもいいのではないでしょうか?医療と同じ場に宗教もあって、患者さんが自由に触れることができれば、それがいちばんいいのではないかと思うのです。(出典:死にゆく人の心に寄りそう P.146)

==================

これぞ、まさにスピリチュアルケア*の核心!

*スピリチュアルケアとは、スピリチュアルペインをケアする事。 (だから、それがわからんって!) スピリチュアルペインとは、直訳すると、「魂とか霊的な痛み」。(でも、スピ系じゃない)

例えば、「自分の存在意義とは何か?」「生きる意味があるのか?」的な、答えがない問いにずっと苦しみ続ける状態、と言えば伝わります??メンヘラとかじゃなくて、命の終わりが近づいてくると、「自分の人生、なんだったの?」ってなるんですね。多くの場合。それがスピリチュアルペインです。

この不条理で、混とんとした世界で、すべてに科学的根拠を求めていたら、解決しないことだらけで、もう生きづらすぎて泣けてきます。人智を超えた大きな力に己をゆだねることで身も心も楽になることが、たくさんあるのではないでしょうか。まして、「死」というどうすることもできない、絶対的なものを前にした人には、なおさら必要なのではないかと思います。 ご存じかと思いますが、日本では、およそ8割近くが、病院で最期を迎えています(下図参照)。

日本では8割が病院死

(出典:幻冬舎 ゴールドオンライン 日本では8割が病院死「自宅で最期を迎えたい」が叶わないワケ)

2021年には、約144万人の方がお亡くなりになり、今後20年ぐらいは、死者数が増加すると予想されています。そうなると、もはや病床が足りず、望んでも病院で最期を迎えることができなくなるのではないか、と言われてるんですね。

医療費をなんとか抑制したい政府も、できるだけ在宅で最期を迎えてほしいところなんでしょうが、家族構成、医療体制の未整備、死生観の欠如などから、在宅での看取りがなかなか増えないのが現状です。

どこで最期を迎えるにせよ、亡くなる本人も、その家族も、「死が近づいたら、人はどうなるのか?」を知っておく必要がありますし、「人の命には終わりがある」ということを、自分のこととして考えておく必要があります。なぜなら、終末期の過剰な医療行為は、本人を苦しめることにもなるし、「死を受け入れられない」という気持ちの裏返しに他ならないからです。

当然ながら、医療費の増加の原因でもあります。(人は、一生に使う医療費の半分以上を70歳以降に使うという下記データもあります)

医療費の推移

(出典:2011年 三井住友信託銀行)

この本の著者は、看護師であり、僧侶でもある、臨床宗教師です。ホスピスなどへの訪問スピリチュアルケア活動を通じて、終末期の「答えのない問い」に苦しむ人たちの心に寄り添っています。そういった活動家が、日本にもっと増えればいいのですが、人材育成も、受け入れ態勢も、なかなか難しいようです。

ちなみに、お隣の台湾では、終末期ケアの体制が非常に進んでいます。これこそ日本が学ぶべき!と著者が自ら全国を回って上映会を行っている、台湾のスピリチュアルケア活動を記録した映画「フェイモウ」。

映画(フェイモウ)

そして、すごいご縁がありまして、兵庫県尼崎市総合文化センターでの「フェイモウ」上映会に、私も、現地スタッフとして参加させていただきました。この映画は、全国で上映会を開催する予定ですので、「見たい!」と思った方は、ホームページをチェックしてくださいね。

自分の、家族の、最期をどう過ごすのか?を考えるきっかけになると思います。そして、思いが熱いうちに、エンディングノートに自分の気持ちを書いておくと、二重丸です!

エンディングノート医療のページ

本コンテンツを閲覧するには有料会員登録が必要です。
有料会員登録はこちら
有料会員の方はこちらからログインください

▲この記事をシェア

有料会員限定に関連する記事

←「終活コラム一覧」に戻る
会員登録・ログイン
終活相談窓口 いい葬儀お客様センター
電話で相談する メールで相談する LINEで相談する 会員ログイン