【樹木葬について】みんな、終活一年生
【樹木葬について】今週の終活ウォーミングアップ
先週、墓じまいについてお話ししましたが、今週は、最近人気が高まっている墓じまいの必要がない埋葬方法「樹木葬」についてお話します。
・樹木葬とは?
従来のように墓地に墓石を建てるのではなく、樹木や草木を墓標として埋葬する弔い方です。墓地に墓石を立てるより比較的安く、土に還りたい、という自然派志向の方に支持されています。代々墓のように必ずしも墓守が必要ではないため、子供がいない、子供に手間をかけたくないという方にも人気があります。
昭和23年に「墓地、埋葬などに関する法律」(以下、墓埋法)が制定される以前は、人が亡くなると、山の中に遺骨を埋葬し、その上に石を乗せたり、樹木を植えたりする埋葬方法が一般的でした。墓埋法ができてからは、墓地として管理される場所にしか、遺骨を埋葬することができなくなったため、墓地に墓石を建てるお墓が一般的になったのですが、樹木の下に埋葬するという埋葬法は、もともとあったものだったのですね。
・樹木葬のメリット
- 自然に還りたいという想いを尊重できる
- 石材のお墓より比較的安い
- 宗教・宗旨・宗派を問わないことが多い
- 永代供養なので、墓守がいなくても大丈夫
樹木葬のディメリット
- 一定期間経過後は、合祀になることが多く、合祀後は遺骨を取り出して分骨、墓じまい、改葬することはできない
- 里山型の樹木葬は、アクセスが悪いことが多い
- 代々承継していくことができない
- ろうそくや線香に火をつけることを禁止している霊園や寺院があるため、一般の墓参りのような参り方ができないことがある
樹木葬には、一人につき一本樹木を植えるタイプや、1本の樹木の周りに複数の遺骨を埋めるタイプなど様々なスタイルがあり、自分で好きな樹木を選べる楽しさもあります。
最近樹木葬の人気が高まっている理由は、お墓を継承する必要のない、一代限りのお墓が多いためです。埋葬して一定期間が過ぎると(10年や30年など)墓地管理者による供養が行われ、その後、合祀されて永代供養されます。そのため、お墓のお世話をしてくれる墓守が必要ないので、子供や孫に面倒や手間をかける心配がありません。
しかし、合祀した後は、個別の遺骨を取り出すことができないため、「やっぱり墓を建てたい」「手元供養をしたいので、遺骨を分骨したい」といっても不可能です。
また、「自然に還りたい、土に還りたい」という想いから樹木葬を選択したのに、墓石と同じようにカロート(遺骨を納めるコンクリート製のスペース)に骨壺を納める場合、直接土に遺骨を埋めるわけではないので土に還ることはできません。したがって、霊園や墓地管理事務所に事前にしっかり確認することが大切です。
どのような埋葬方法を選択するにせよ、本人の意思と家族の気持ちが大切ですので、あらかじめ家族間で話をしておくことが大事ですね。次週は、散骨についてお話したいと思います。
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