おひとりさまの老後の心配(病気・お金・孤独死)を解消するには

おひとりさまの老後は“ひとり”であるが故の心配事(病気・お金・孤独死など)に直面します。
老後も“ひとり”を楽しむことができるよう、今からできる備えや知識を蓄え、不安を解消してみませんか。

病気になった時と備えについて

おひとりさまの老後の心配(病気・お金・孤独死)を解消するには01

おひとりさまが老後に病気になった時に心配なのは、「身元保証人」と「お金」です。

若い時は病気知らずでも、年を重ねると長年負担がかかっていた部分に不調が現れ始めます。入院や手術が必要になる時もあるでしょう。

命に関わるような重大な病気でなくても、入院や手術をする時には「連帯保証人」と「身元引受人」が必要です(この2つを合わせて「身元保証人」と呼びます)。

身元保証人は手術・入院費用の連帯保証の役割や退院・転院の責任も負います。また、患者さんが亡くなった場合は、遺体を引き取る責任もあります。そのため、すでに退職し収入のない両親や友人に対して気軽に身元保証人を依頼することは難しいのです。

そんな時に頼りになるのが、“身元保証サービス”です。身元保証サービスは、サービスを提供している団体に対して料金を支払うことで身元保証人を依頼できるしくみです。

お金の備えに関しては、貯蓄も良いですが、保険に加入しておくと安心です。

保険は亡くなった時のお葬式代等に充てるための死亡保障と、入院・手術・通院・治療の医療に充てるための医療保障があります。亡くなった時の費用よりも、大きな手術や長期治療で医療にかかる費用のほうが多くなることがほとんどですので、死亡保障より医療保障を手厚くしておくことがおすすめです。

また、直接的なお金の備えにはなりませんが、高額な医療費で生活が圧迫されることを防ぐ制度もあります。これらの制度は自分で申請しなければ利用できないものなので、注意しましょう。

  1. 後期高齢者医療制度…75歳以上の後期高齢者の医療費が1割負担になります。寝たきり等の方は65歳から適用になります。
  2. 高額療養費制度…1ヶ月間に負担する医療費の上限額が決まっていて(所得による)、その上限を超えた分の医療費を支給してくれる。
  3. 高額介護合算療養費制度…医療保険と介護保険の両方を利用している世帯において、2つの保険の自己負担額が限度額(所得による)を超えた場合、超えた分の費用を支給してくれる。

老後資金のひとつ「個人年金保険」とは?

個人年金保険は、生命保険の一種で老後の生活費などを補うための保険です。受け取りの期間は自分で設定できますが、“年金”という言葉からも想像がつくように60歳や65歳からの受け取りになります。

国民年金や厚生年金といった公的年金とは異なり自動的にお給料から支払われるものではなく、自分で保険会社と契約し支払いを行います。

個人年金保険のメリットは2つあります。

1貯蓄が苦手な人でも半強制的に積み立てができ、継続しやすい
保険料の支払いは指定口座からの自動引き落としなので、期日までにお金を準備しておくだけで老後までおろすことのできない貯蓄になります。 また、継続しやすいことには秘密があります。それは、途中で解約すると支払ったお金の全額は戻ってこないことです。特に加入して数年の間に解約すると半分も戻ってこないことが多いようです。老後資金のために個人年金保険に入ろうと決めて加入したら、半端な気持ちでは解約できません。
2節税ができる
個人年金保険で支払ったお金は、確定申告の「個人年金保険料控除」の対象になります。控除上限額は所得税が4万円、住民税が2.8万円です。ただし、保険料の払込期間が10年以上であることが条件なので、加入の際に注意が必要です。

残念ながら、デメリットも2つあります。

  1. 途中で解約すると全額は戻ってこない。
    どうしても解約しなくてはならない状況になった時、残念ながら支払ったお金の全額は戻ってきません。このことは継続しやすいというメリットになる反面、デメリットにもなり得ます。ですので、契約をする時は将来の支払い能力等も考えて継続できる範囲で加入しましょう。
  2. 定額型はインフレに弱く、変額型は投資リスクがあり元割れの可能性も。
    個人年金保険は数十年後に支払われるお金のため、将来と現在のお金の価値が変わっている可能性があります。
    今後、インフレやデフレが起こる可能性は誰にもわかりません。受け取る年金額には定額型と変額型があります。定額型は受け取る金額が決まっているので、インフレが起きると損をします。
    一方、変額型は運用実績によって受け取る金額が決まるため、投資リスクがあり支払った金額より受け取る金額が少ない元割れを起こす可能性もあります。どちらにもリスクはありますが、定額型で契約する人の方が圧倒的に多いようです。

孤独死を防ぐ、早く気付いてもらうための方法

孤独死を防ぐには、「自分の異変を知らせること」と「異変があった時に誰かが来てくれること」がポイントです。

この2つをカバーできるのが、ホームセキュリティ会社やガス会社などが取り扱っている“見守りサービス”です。

見守りサービスの内容はさまざまありますが、人感センサーで異常を検知した時や本人からのSOS発信があった時に自宅まで駆けつけてくれるサービスは一人で暮らす人には魅力的です。あらかじめ自宅の鍵を預かってもらえるサービスもあり、一刻を争う緊急事態の時にスムーズに自宅のドアを開け、救急搬送した後、自宅を施錠してもらうことができます。ただし、サービスを行っている会社とは言え、他人に自宅の鍵を預けることに抵抗を感じる方は利用しないほうがよいでしょう。

万が一、自宅で倒れたり、亡くなったりした時に早く気付いてもらうためには、「定期的に自宅に訪問してくれるようにサービスを利用すること」がポイントです。

訪問サービスには訪問介護や訪問看護の他、食材や食事の宅配サービスも有効です。訪問日にベルを鳴らしても出てこないことで異常に気付いてもらうことができます。また、ある食材宅配サービスと乳酸菌飲料の宅配サービスでは高齢者の安否確認も兼ねて宅配を行っています。郵便物がポストに溜まっている時や前回お届けした商品が置きっぱなしになっている時など、異常を感じると会社規定によって安否確認が行われるので高齢のおひとりさまには心強いサービスです。

また、各自治体で高齢の一人暮らし世帯を対象に訪問や在宅支援を行っているところもありますので、お住まいの自治体の福祉課等に問い合わせてみましょう。

高齢者サークル活動の様子サービスを利用しない気軽な方法として、家の外にコミュニティを持つことも有効です。趣味のサークル活動に参加したり、よく利用するお店の人や散歩中によく会う人と仲良くなることでも構いません。孤独死の対策だけでなく、人とのつながりは生活に潤いを与え毎日が楽しくなります。

おひとりさまの老後のまとめ

  • 入院や手術には身元保証人が必要です。身元保証人は費用の連帯保証や遺体引き取りなど重大な責任があるため簡単に他人にはお願いできないため、困った時は身元保証サービスを利用しましょう。
  • 個人年金保険は自分で契約するタイプの年金で老後資金の一つになります。ただ、メリットばかりでなくデメリットもあるため、契約は慎重に行うことをおすすめします。
  • 孤独死対策には見守りサービスと訪問サービスが有効です。特に、緊急時に自宅まで駆け、状況によっては救急搬送まで行ってくれるサービスはおひとりさまにとって心強いサービスです。
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