終活コラム "おひとりさまの終活と働けなくなった時の備え"

おひとりさまの終活でカギを握るのは“人”の存在です。おひとりさまが望んだ通りに葬儀をしてくれる“人”、生前予約したお墓に納骨してくれる“人”。
そんな“人”がいるあなたは幸せです。では、“人”がいないおひとりさまはどうしたらよいのでしょうか。

おひとりさまの終活や備えは早めのスタートがポイント

おひとりさまの終活と働けなくなった時の備え01

2015年に行われた国勢調査(総務省)「年齢別(5歳階級)別 未婚率の推移」では、男女共に未婚率が上昇傾向にあるという結果が得られました。具体的には、男性では25~29歳の72.7%、30~34歳の47.1%、35~39歳の35.0%が未婚です。女性では、25~29歳の61.3%、30~34歳の34.6%、35~39歳の23.9%が未婚です。

出典:https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/mikonritsu.html
国勢調査(総務省)「年齢別(5歳階級)別 未婚率の推移」2015年

おひとりさまが一人という自由と気楽さを楽しむ一方、一人という不安や心配もあります。

それは、自分が亡くなった時や病気・事故で働けなくなった時のことです。若いから大丈夫、ということはありません。早いうちに終活や万が一の備えをしておくことで、安心して生活ができます。

頼れる親族がいる人は、エンディングノートの準備を

頼れる親や兄弟姉妹などの親族がいるおひとりさまは、エンディングノートを準備しておきましょう。頼れる親族がいるということは、自分の死後に葬儀や納骨のお世話、身の回りの始末をしてくれる人がいるという大変幸せなことです。同時に、その親族に迷惑をかけないように必要なことはきちんと伝える・準備しておく必要もあるということです。

エンディングノートを通して自分の意志や身の回りのことを書き伝え、準備しなければならないことを見つけた時は少しずつでも整理していきましょう。

ここで注意したいのはエンディングノートには法的拘束力がないことです。もしも、財産承継を法的に行いたい場合は遺言を作成しましょう。

また、普段から親族との交流を密にしておくことも大切です。

頼れる親族がいない人は自分で葬儀・お墓・“人の力”の準備を

頼れる親族がいない(絶縁状態、認知症や病気で頼りにできない、兄弟姉妹がいない、など)おひとりさまは、自分で葬儀・お墓などの準備をします。すると、ある疑問に気が付くはずです。誰が自分の決めた葬儀屋に連絡をしてくれて、誰が自分の決めたお墓に納骨してくれるのか。

頼れる親族がいないおひとりさまの弱点は“人の力”です。

しかし、“人の力”を補う方法は2つあります。

1つ目は、頼れる友人です。自分が亡くなった時のことをお願いする以上、相当な信頼関係にある友人でないといけません。

2つ目は、第三者の専門家(士業事務所や団体など)との死後事務委任契約です。葬儀社の手配や納骨、クレジットカードの解約や公共料金の支払いなど、死後の手続きを行ってくれます。

生活支援としては、定期的な連絡、日常生活のサポート、病院入院時や老人ホーム入所時の身元引受などがあります。また、将来、認知症など、判断能力が低下した時のために、財産管理や、諸々の手配を依頼しておける後見人契約もあります。 さらに、万が一の時には、葬儀から納骨、役所手続き、各種契約の解約、遺品整理など、死後に必要な事務全般を請け負ってくれます。

費用は、それぞれ依頼する組織や業務内容によって異なり、数10万円というケースもあれば、100万円を超える場合もあります。自分で行う部分、知人に依頼する部分などを決めて、必要な業務だけ依頼するとよいでしょう。

病気やケガで働けなくなった時のために自分でできる備え

おひとりさまの終活と働けなくなった時の備え04

 40代・50代の時に突然の病気やケガで働くことができなくなった時やおひとりさま老後の備えはどうしたらよいでしょうか。一番心配なのは、お金のことです。病気・ケガの治療費の他、生活するお金も必要です。

自分でできる備えは、貯蓄と保険です。
貯蓄は現在の生活費の半年~1年分が目安とされています。

保険は病気・ケガの治療費を補うものと、生活費を補うものがあります。

治療費を補うのは、「医療保険」です。ガンや三大疾病、女性特有の病気など各保険会社で商品はさまざまあります。日本では誰もが何らかの健康保険に加入しているので治療費は3割負担ですが、入院中には全額負担しなければならない費用(差額ベッド代、食事代、衣料品、日用品)もあります。3割負担分の治療費はもちろん、こういった全額負担の費用分も考えておくとよいでしょう。

生活費を補うのは、「所得補償保険」や「就業不能保険」です。病気やケガで働けなくなった時、年収の最大7割程度まで保障してくれます。保険金額は性別・年齢・職業などによって決まります。似ている保険として「収入保障保険」もありますが、こちらは死亡保険の一種で、亡くなった時に残された家族の生活保障をするためのものです。

病気やケガで働けなくなった時の公的保障

自分で備えるに以外にも、公的保障で治療費や生活費を補うことができます。

「傷病手当て」は、業務外の病気・ケガで会社を3日連続で休んだ場合、4日目以降から1年6ヶ月の間、収入の3分の2相当が給付されます。

ただし、この制度を利用できるのは全国健康保険協会、健康保険組合、各種共済組合に加入している人のみです。自営業やフリーランスの人が加入している国民健康保険は対象外なので、自分でしっかり備えなければなりません。

その他の公的保障として、業務中の病気・ケガの治療費には「労災保険」、業務中の病気・ケガで働けなくなった時は「休業補償給付」、障害が残って働けなくなった時は「障害年金」があります。

また、「高額療養費制度」もあります。医療機関や薬局で支払った医療費がひと月に定額を超えた場合、超えた分を支給する制度です。年齢や所得によって定額の金額が変わります。治療費や生活費の直接的な補てんにはなりませんが、高額な医療を受ける場合には大変助かる制度です。

終の棲家として、シニア向けの住まいを考える

2011年の法改正によって「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」が登場しました。
サ高住とは、安否確認や緊急時の対応、食事の提供、洗濯や掃除の補助、買い物代行などの援助をしてくれる住宅です。

要介護となった場合は、外部の介護業者に別途依頼することになりますが、そのまま住むことができ、住居によっては、看取りまで対応してくれる場合もあります。

費用は、食費や共益費などを含めて月1020万円程度で、入居時に敷金が必要になります。
また、費用を抑えたい場合や、他人とのコミュニケーションを希望する場合は、「シニア向けシェアハウス」という選択肢もあります。自分用の個室があって、リビングや、キッチン、お風呂、トイレなどを共有で利用するスタイルで、比較的安価な費用で借りることができます。生活は自身で行っていくものの、万が一の時にお互いが支え合えるという安心感があります。

おひとりさまの終活は、死後の事務手続だけでなく、残りの人生をどう過ごすかも重要な問題です。

人生100年という時代、今後の生活をどうするか、元気なうちに考えておくことが大切です。

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まとめ

  • 日本の未婚率は男女共に増加傾向にあります。亡くなった時や病気・ケガで働けなくなった時に備えて、早めの終活や万が一の備えをしましょう。
  • 頼れる親族のいるおひとりさまは、エンディングノートを準備しましょう。自分の希望するお世話をしてもらうためだけでなく、親族に迷惑をかけないように大切なことを書き伝えるためです。
  • 頼れる親族のいないおひとりさまは、自分で葬儀やお墓などを準備する他に“人の力”が必要です。頼りになる友人にお願いするか、第三者の専門家(司法書士、行政書士)と死後事務委任契約をしましょう。
  • 病気やケガで働けなくなった時のために自分でできる備えは、貯蓄と保険です。保険は治療費を補う医療保険と、生活費を補う所得補償保険や就業不能保険があります。
  • 病気やケガで働けなくなった時の公的保障には、「傷病手当て」「労災保険」「休業補償給付」「障害年金」があります。ただし、傷病手当ては全国健康保険協会、健康保険組合、各種共済組合に加入している人のみの制度です。

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