農地を手放したいと思ったらするべきこと3つ!買い取りや国に返せるのかも解説

「農地を手放したいけど、どんな手続きをすればいいかわからない…」お悩みの人は、多いのではないでしょうか。最近は終活の一環として、使っていない農地を手放したいと考えている人が、たくさんいます。ただ、農地は普通の土地とは扱いが違うため、手放すのが難しいのが問題です。農地を手放す方法はいくつか選択肢があるので、自分の納得のいく形で、手続きを進めていく必要があります。

今回は、農地を手放したいと思ったらするべきこと3つを解説します。農地を手放す方法や、国に返せるのかどうかもわかりやすくまとめているので、ご参考にしてみてください。

農地を手放す方法

農地を手放したいと思ったらするべきこと3つ!買い取りや国に返せるのかも解説01

農地を手放す方法で最も一般的なのは、売却することです。ただ、遺産として相続する場合は、相続放棄で手放すこともできます。農地を手放す方法と選択肢を紹介します。

売却する

農地は、条件を満たした農業従業者に対してであれば、売却できます。最も多いのは、知り合いの農家に売却するケースです。ただし、農地のまま売却する場合は、農業従業者以外には売ることができません。農地のままの売却は、農業従業者が減少している現代の日本では買い手が見つかりにくく、売値も低くなるのがデメリットです。

売値を高くしたい場合は、農地を転用して売却する方法もあります。農地の転用が認められれば、農地従業者以外にも売却できるようになるため、買い手の幅が広がり、売値も高くなるのがメリットです。ただ、農地を転用するためには、多くの条件を満たす必要があります。農地の区分によっては、そもそも転用が認められない可能性も。

農地を転用して売却するのは最もおすすめな方法ですが、手続きが難しいので、専門家のアドバイスとサポートを受けながら、進めていくのが現実的です。

相続放棄する

相続するか迷う息子

相続する遺産に農地があるけど、いらないから拒否したい…そんなときは、相続放棄で手放せます。ただし、相続放棄をすると、他の遺産もすべて一緒に拒否することになります。農地だけを相続放棄して、預貯金や不動産など他の遺産だけを受け取る、ということはできません。農地の相続放棄は、他の遺産を含めて、すべて拒否したいときのみ有効な方法です。

新制度を活用する

農地が相続して得たものである場合は、「相続土地国庫帰属制度」を利用して手放すこともできます。相続土地国庫帰属制度とは、相続した不要な土地を、国に引き取ってもらう制度のことです。

2023年から施行されるこの制度を利用すれば、使わない農地を国に引き取ってもらえます。ただし、制度を利用するためには国の審査を通過する必要があります。審査手数料や10年分の管理費用なども請求されるため、利用は慎重に検討するようにしましょう。

農地を手放したいと思ったらするべきこと3つ

農地は普通の土地とは違って、売却するときに多くの許可申請をしなくてはいけません。許可を得ずに勝手に農地を譲渡したり売却したりすると、法律で罰せられるので要注意です。農地を手放したいと思ったらするべきこと3つを解説します。

農地の区分を確認する

農地には、立地、自然条件、都市環境などによって以下のような区分があります。

農地

  • 農振農用地区域内農地
  • 甲種農地
  • 第1種農地
  • 第2種農地
  • 第3種農地

農地は区分によって、手放す方法の選択肢が変わってきます。

例)

  • 「第1種農地」は原則として農地転用ができないため、売却するなら買ってくれる農業従業者を探すしかない
  • 「第3種農地」は原則として農地転用が許可されるため、売却の幅が広い

所有している農地の区分は、自治体の農政課などに問い合わせれば、把握できます。農地を手放すときは、まずは区分を知ることから始めましょう。

非農地証明が出た土地は売却しやすい

非農地証明とは、地目は農地でも、現状が違うと認められた場合に発行される証明書のことです。農地法施行以前に転用されたものや、災害や耕作放棄によって農地として不適切となった土地などが、主に対象になります。

元は農地でも、現状は宅地などがある場合、非農地証明を発行してもらえる可能性があります。非農地証明が出た土地は、農地法の規制がなくなるため、売却しやすいのがメリットです。一般的な土地と同じように、売買できます。

所有している農地が現在、明らかに違う用途で使われている場合や、古くから相続してきたものであるなら、非農地証明を発行してもらえないか確認してみましょう。非農地証明を出してもらえるかどうかは、農業委員会で確認できます。

非農地証明が出なかった土地は農地転用を考える

農業委員会に確認した結果、非農地証明を発行してもらえなかった場合は、農地転用を検討しましょう。農地転用せずに農地のまま売却することもできますが、買い手が見つかりにくく、売値も安くなるデメリットがあります。

農地転用は多くの条件を満たしながら、手続きを進めていく必要がありますが、成功すれば大きな資産になります。非農地証明が出なかったからと諦めずに、前向きに農地転用での売却を検討してみることをおすすめします。

農地は国に返せる?

農地を国に返すためには、2023年から施行される新制度「相続土地国庫帰属制度」を活用するしかありません。ただし、この制度を利用できるのは、所有する農地が相続したものである人だけです。

制度を利用するためには、国の審査を通過する必要があり、費用もかかります。農地を手放すのに最もおすすめな方法は、売却することです。

終活サポートでは、使っていない農地を手放したい人に向けて、無料相談を承っています。

  • 「農地の区分がわからないから知りたい」
  • 「農地を売却したらどれくらいの値段になるか気になる」
  • 「農地を手放すための具体的な手続き方法や手順を教えてほしい」

など、農地を手放すことに関するご相談なら、何でもお答えさせていただきます。専門家がしっかりアドバイスさせていただきますので、どんなに小さなことでもお気軽にご相談ください。

農地を手放したいなら売却がおすすめ(まとめ)

農地を手放す方法で最もおすすめなのは、売却することです。相続した農地であれば、相続放棄や「相続土地国庫帰属制度」の活用で手放すこともできますが、どちらも利益にはならず、大きな手間や費用が発生します。

農地を売却するのも手間や費用は発生しますが、転用して売れば、思わぬ高利益を獲得できることも。農地は使っていなくても固定資産税や管理費などが発生するので、終活の一環として、早めに売却の手続きを進めておけると安心です。

終活サポートでは農地を手放したい人向けに、無料の相談窓口もご用意しています。手放したい農地のことで心配事がある方は、お気軽にご連絡ください。

今日のポイント

  1. 農地を手放す方法は売却するか相続放棄するか新制度を活用するか
  2. 農地を手放したいと思ったらするべきこと3つは「区分の確認」「非農地証明が発行できるかの確認」「売却方法の検討」
  3. 農地は相続したものであれば「相続土地国庫帰属制度」の利用で国に返せる

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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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