高齢者に身元保証人が必要となる3つのケース|身寄りがいない場合の対処法

高齢者になると、身元保証人が必要となるケースが増えてきます。そもそも、身元保証人とは一体何なのでしょうか。似た言葉に連帯保証人や後見人がありますが、実は担う役割や意味が全く違います。
また、高齢者に身元保証人が求められる場合、若い人に比べて身寄りがなかったり頼れる友人がいなかったりと、苦労してしまいがちです。

高齢者は万が一の場合に備えて、身元保証人について考えておくのが、本人のためにも周りの人のためにも大切になってきます。
今回は、高齢者に身元保証人が必要となる3つのケースのご紹介です。高齢者に多い身元保証人トラブルや、身寄りがいない場合の対処法もご解説しているので、ご参考にしてください。

身元保証人とは?

高齢者に身元保証人が必要となる3つのケース|身寄りがいない場合の対処法01

身元保証人とは、言葉のとおり本人の身元を保証してくれる人のことですが、役割はそれだけではありません。

身元保証人が求められるのは、

企業に就職するとき

病院に入院するとき

介護施設に入居するとき

などが一般的です。

ただ身元を保証するだけでなく、本人に代わって責任を負ったり、支払いを行ったりと重大な役割を要する場合があります。

しかし、実は身元保証人は法律で定められている制度ではありません。

企業は本人の問題行動による損害などのリスク回避のために、病院と介護施設は費用の未払いなどを防ぐために身元保証人を求めますが、原則として強制はできない特徴があります。

身元保証人と連帯保証人との違い

身元保証人と似た言葉に、「連帯保証人」があります。身元保証人と連帯保証人の最大の違いは、責任を負う範囲です。

身元保証人は本人が問題行動を起こしたとしても、負う責任の範囲は狭く、限定的になります。

しかし、連帯保証人の場合は本人が問題行動を起こした場合、損害に対する全ての責任を負わなくてはいけません。

例 損害賠償を100%の金額支払う など

身元保証人よりも連帯保証人の方が、より大きな責任と役割を担っています。

病院や介護施設では、身元保証人と連帯保証人の両方を求められるケースはほとんどなく、どちらかを用意するよう要求されるのが一般的です。

身元保証人と後見人との違い

もう一つ、身元保証人と似た言葉に、「後見人」があります。

身元保証人と後見人の最大の違いは、担う役割です。

身元保証人の主な役割は、

  • 身元を保証する
  • 病院や介護施設へ付添う
  • 損害の責任を負う(支払いの保証)
  • 緊急時に駆けつけて判断を行う
  • 死亡時に身柄を引き取り手続きをする

など多岐に渡りますが、後見人の主な役割は、

  • 財産管理をする
  • 身上監護を行う(生活環境の調整や手続き)

この2点になります。

後見人とは、認知症などで判断能力が低下した高齢者を中心に、生前(入院中や介護施設入居中)の財産管理や身上監護を行う人を指します。

身元保証人のように損害の責任を負ったり、病院や介護施設へ付添ったり、死亡時に身柄を引き取ったり、ということは行いません。

身元保証人と後見人をそれぞれ用意するよう求める病院や介護施設もあれば、どちらかだけでいいとするところもあります。

高齢者に身元保証人が必要となる3つのケース

高齢になると、若いときよりも身元保証人を求められる機会が多くなります。

いざというときに慌てないためにも、どんな場合に身元保証人が必要となるのか知っておくのが大切です。

高齢者に身元保証人が必要となる3つのケースをご紹介します。

入院をするとき

入院は、準備や手続きなど手間がかかるものです。高齢者が一人でこれらを行うのは難しく、家族や身元保証人のサポートが必要になります。

身元保証人が病院に対して負う主な責任は、

  • 準備や手続きのサポート
  • 緊急時の連絡先と相談先
  • 入院費や手術費の支払い保証

です。 高齢者は入院中に生じるリスクが若い人よりも高いため、身元保証人の用意が必須となるケースが多い傾向にあります。

介護施設に入居するとき

介護施設に入居するときも、入院と同じく準備や手続きなど手間がかかります。

入居中も、入居者間のトラブルや病気、怪我の治療など、何らかの問題が発生する可能性は0ではありません。

身元保証人が介護施設に対して負う主な責任は、

  • 準備や手続きのサポート
  • 緊急時の連絡先と相談先
  • 入居費(月額)の支払い保証

です。 強制ではありませんが、高齢者との定期的な面会や健康状態の確認なども、身元保証人が行います。

高齢者本人が亡くなったとき

高齢者が入院中や入居中に亡くなってしまった場合、身柄を引き取ってくれる人が必要になります。

死亡時に身柄を引き取るのは、身元保証人の大きな役割の一つです。

また、家族や親族がいない場合は、身元保証人が病院や介護施設の退去手続きを行います。葬儀の準備まで担うケースも、少なくありません。

高齢者に多い身元保証人トラブル

身元保証人に関するトラブルは、若い人よりも高齢者の方が多くなります。頼れる家族がいなかったり、悪質な詐欺に狙われやすくなったりするからです。

高齢者に多い身元保証人トラブルをご紹介します。

家族や親族がいない

身元保証人は、家族や親族になってもらうのが一般的です。しかし、高齢者には家族や親族がいない場合が多く、頼れる人がいないトラブルがよく見受けられます。

友人も高齢で負担が大きく頼めない

実は、身元保証人は家族や親族でなくても構いません。信頼の置ける友人や同僚に、身元保証人を依頼してもいいのですが、

  • 高齢者
  • 遠方に住んでいる人

の場合は、十分な支援ができない可能性があるため、身元保証人として認められない場合があります。

家族や親族がいないため友人に頼もうと思ったけれど、相手も高齢者で負担が大きく依頼できないというトラブルもよくある話です。

身元保証人詐欺に引っかかってしまう

身元保証人がいなくて困っていると、悪質な代行業者や財産目当ての知り合いなどに声をかけられ、詐欺に引っかかってしまう可能性もあります。

身元保証人は、命に関わる重大な責務です。

このあと、高齢者で身寄りがいない場合の適切な対処法をお伝えしますので、慌てて誤った判断をしないように気をつけましょう。

高齢者で身寄りがいない場合の対処法

高齢者の中には、頼れる家族や友人がいなくて、身寄りがない方がたくさんいます。若い人なら身元保証人を親や祖父母、友人に頼めますが、高齢者の場合はそうもいきません。

身元保証人を求められたけれど、高齢者で身寄りがいない場合の対処法についてご紹介します。

身元保証人を求められない病院や介護施設を探す

高齢者の多くが身元保証人を病院や介護施設から求められますが、中には身元保証人がいなくても入院や入居ができるところもあります。

また、病院や介護施設によってはクレジットカードの登録で費用を担保すれば、身元保証人の用意を免除してくれるケースも。

どうしても身元保証人を頼める人がいない場合は、身元保証人を求められない病院や介護施設を探したり、免除要件を確認したりという手段があります。

身元保証人を代行してくれるサービスを活用する

身元保証人サービスとは、身元保証人を頼める人がいない場合に、身元保証人を代行してくれるサービスです。

終活サポートでは、一般社団法人「全国シルバーライフ保証協会」と業務提携をして身元保証のご相談をお受けしております。全国シルバーライフ保証協会の身元保証サービスでは、

  • 身寄りがない
  • 家族や友人はいるが頼めない

という高齢者のために、身元保証人として入院や介護施設入居のサポートを行ってくれます。

特に介護施設入居に関するサポート内容は手厚く、

  • 施設費用などの支払い保証
  • 入院や治療、介護の手配協力
  • 退去時の身元引受と現状復旧のための支払い保証
  • 退去時の施設居室内の残置物搬出
  • 利用契約終了時の返還金受取口座指定

など、介護施設入居と退去に必要な支援が満載です。

入院や介護施設入居の身元保証人を頼める人がいなくて悩んでいる人は、ご相談だけでもご連絡お待ちしております。

オプションとして、お買い物代行、銀行手続き代行、遺言書作成サポート、などのお手伝いサービスも利用できます。

全国11ヶ所【東京・北海道・宮城・福島(3拠点)・愛知・京都・滋賀・大阪・岡山・広島・福岡の全国13拠点の司法書士・行政書士をはじめとした各専門家が連携して対応させて頂いております。】に相談窓口があり、電話(0120-432-040)やメールでのお問い合わせも可能です。

入院の身元保証人を頼める人がいなくて悩んでいる方は、身元保証を専門家がサポートさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。

高齢者の身元保証人問題には早めの対策を(まとめ)

高齢になると身元保証人が必要となるケースが増えてきますが、残念なことに頼れる人は少なくなる一方という問題があります。

入院や介護施設への入居、万が一亡くなったときのために、身元保証人は必要です。しかし、高齢者になってからでは家族や親族がおらず、友人も高齢で頼れないというケースが多く見受けられます。

どうしても身元保証人を用意できない場合は、身元保証人を求められない病院や介護施設を探したり、代行してくれるサービスを活用したりといった対処法があります。

特に、身元保証人代行サービスはサポートが手厚く、周りの人に負担をかけずに済むのがメリットです。

高齢になって身動きが取れなくなってから、身元保証人をお願いしたりサービスを活用したりするのは難しいため、事前に頼んでおいたりサービスに申し込んだりと、早めの対策をおすすめします。

今日のポイント

  1. 身元保証人とは、本人に代わって責任を負ったり支払いを行ったりする人のこと
  2. 高齢者に身元保証人が必要となる3つのケースは、入院をするとき、介護施設に入居するとき、亡くなったとき
  3. 高齢者に多い身元保証人トラブルは、頼れる家族や親族、友人がいなかったり、身元保証人詐欺に引っかかりやすくなったりすること
  4. 高齢者で身寄りがいない場合の対処法は、身元保証人を求められない病院や介護施設を探すか、身元保証人を代行してくれるサービスを活用すること
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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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