日本の高齢化社会の進展とともに、家庭の安全と安心を守るための先進的なソリューションが注目を集めています。
中でも今回着眼したのが「高齢者見守りサービス」です。
今回は、ALSOKのHOME ALSOK事業部の石田様にインタビューを行い、「みまもりサポート」の内容や利用者の声、
そして他社サービスとの差別化ポイントなどサービスの深層について伺いました。
高齢者を見守るだけでなく、家族にも安心を提供する「みまもりサポート」の魅力に迫ります。
ALSOKのHOME ALSOK事業部の石田様にインタビュー
「みまもりサポート」のサービスはどのようなものですか?
「みまもりサポート」は簡単に言えば緊急通報ができるサービスです。 急な体調不良時などに、装置に備え付けられた緊急ボタンを押すことでガードマン(警備員)が駆けつけるという仕組みになっています。
また、トイレは通常、誰もが1日に1回以上は利用するものですが、トイレ扉の開閉動作が24時間なかった場合も異常があると見なされ、ガードマンが駆けつける仕組みです。(オプション)その他オプションでは色々な機能があるのですが、
- 台所の上部に熱センサーを付けて火災を監視する
- 台風や大雨などの緊急速報メール読み上げ機能(音声でアナウンスする)
- 熱中症対策として温湿度センサーを使用した注意喚起機能(音声でアナウンスする)
などがあります。 特に熱中症対策機能については、現在他社にはない、弊社独自の機能であり、温湿度に異常数値が出た場合は「暑くなっていますので窓を開けてください」という音声でアナウンスしたり、ご家族の方にメールが送られたりする仕組みになっています。
どのような方がご利用されていますか?
ご利用頂いているのは高齢者の方が多いのですが、そういった見守りが必要な方の中でも、自分でコントローラーの操作ができたりボタンを押せる方が多いです。 少し体が悪いくらいだったら問題ないのですが、例えば寝たきり等になってしまうと、ボタンを押すことが難しいという場合もありますからね。
みまもりが必要なご本人か、そのご家族の契約どちらが多いですか?
統計データは取ったことはないのですが、おそらく半々くらいです。
ALSOKでは介護に関する事業会社もあると思うのですが、場合によってはお客様に介護施設という選択肢もご提案されているのですか?
おっしゃるとおり、ALSOKは介護にも力を入れている会社ではあるのですが、「みまもりサポート」から介護の方へシームレスに繋いでいくという体制は完全に構築できていない状態です。
しかし、これは今後の課題の一つであると捉えてますので、「みまもりサポート」が利用できなくなったお客様を「ALSOK介護」の部門に引き継いでいくという流れは作っていきたいと考えています。
現在ではどれくらいの数の導入実績がありますか?
自治体の緊急通報事業にも携わっており、グループ全体で520自治体と契約があり、利用者数が84,000世帯です。
やはりすごい数ですね。営業は自治体経由がメインなのですか?
自治体経由だけではなく、直接個人と契約する割合も多いです。例えば、弊社の営業担当が不動産会社様などに営業し、ご高齢な入居者の方を紹介していただいたりしています。
それだけ多くの世帯で導入されていると、緊急ボタンによる日々の出動回数もかなりの数になるのではないですか?
そうですね。 そこは弊社のガードマンが頑張ってくれているところではあります。 みまもりサポート以外でも、防犯などの業務もある中でマルチに業務をこなしていますよ!
すごいことですね。他社様の見守りサービスもいくつかあると思いますが、ALSOKの「みまもりサポート」が選ばれる理由にはどんなところがありますか?
やはりALSOKは警備会社なので、ガードマンの駆けつけがあるというのは最大の差別化ポイントであり、選ばれる理由となっています。
他社の見守りサービスでは、緊急時の対応が電話でのサポートに留まるケースも多いのですが、ALSOKではガードマンが迅速に駆けつけるというのがお客様の安心に繋がっていると思います。 また、熱中症のアラート機能があるのも大きいです。
昨今では熱中症の危険がますます身近になっていますので、高齢者の方はもちろんなのですが、学生寮に導入するといった例も増えてきました。
利用者から寄せられた声やエピソードで、よくあるものがあれば教えてください。
日々全国から、ガードマンがどういった警報で出動したかというレポートが本社に上がってくるのですが、その中からいくつか抜粋して紹介させていただくと、以下のようなものがあります。
- 救急車を呼ぶ大切なきっかけになった
緊急ボタンが押されてガードマンが到着したときに、高齢者の人はどうしても我慢してしまう傾向があり、実際にお体の状態が危なくても救急車を呼びたがらない方も多いのですが、そこでガードマンが救急車を呼んだことで、大事に至らずに済んで良かった…といった声は比較的多くいただきます。 - ちょっとした手助けが大きな助けに
緊急ボタンを押される理由で、意外とよくあるのが「足が悪くて倒れてしまい、起き上がれない」などのケースもあるのですが、そういうときにガードマンが伺って起き上がるサポートをしたりするのですが、そういうサポートが助かるという声も多くあります。もちろん「みまもりサポート」のサービスは介護のサービスではないので、介護まで踏み込んで行うわけではないのですが、緊急時の介助という意味では重宝してされており、感謝のお声を頂く場合が多いです。
やはり駆けつけがあるということが利用者にとって大きな支えになっているのですね。救急車等では、本来不要な出動があったりという問題もあるようですが、ALSOKさんの緊急駆けつけでもそういう例(空振り出動)は多々あるものでしょうか?
みまもりサポートについてはさほど多くはないと思います。これは私の感想ですが、緊急ボタンが押されたときについては本当に必要なときだけ押されている印象で、空振りは少ないと思います。
一方で、トイレ扉に設置したセンサーについては扉の開け締めを習慣的に行わない方もいらっしゃるので、意外と空振り出動になってしまう場合もありますよ。
逆に、遠慮などの気持ちから「押しづらい」といった声はあるのでしょうか?
あまりないと思います。 弊社サービスの場合、お客様には毎月料金を支払っていただいているので、お客様側も「お金払ってるんだから遠慮なくボタンを押せばいいじゃん!」というお気持ちになって頂けていると思いますよ。
逆に、自治体の緊急通報サービスで民生委員が駆けつけるなどのサービスですと、
- 近所の人に来てもらうのが恥ずかしい
- 来てもらうのが申し訳ない
などの遠慮の気持ちから、なかなかSOSを出せなかったりするケースがあったりします…。
今後、みまもりサポートに導入予定の新機能やアップデートはありますか?
「2023年3月時点」
現時点ではありません。 しかし、この先のみまもりサービスのあるべき姿を思い浮かべながら試行錯誤しているところです。
例えば、いずれは
- ボタンも押さなくて済む
- 体に何も身に着けなくて済む
などの問題解決ができれば、導入頂いた方にはかつての生活と何ら変わらない状態で安心の見守りを提供できるので理想的だと思います。
そのために、一例ですが「レーダーで人が倒れている様子を感知して警報を出す」などといった技術を確立していかなければならないので、いろんな開発会社さんとの技術提携・協業も検討しているところです。
最後に、見守りサービスの導入を検討している方へメッセージをお願いします。
見守りたいけど、物理的に難しい…
そんな見守る側の不安を軽減させるというのが、みまもりサービスの本質です。
より安価な選択肢もありますが、弊社のサービスは特に「第三者が駆けつける」という安心がプラスされているため、料金に見合ったサービスと自負しています。
みなさまが笑顔で暮らせるサポートをしたいと思いますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
インタビューを終えて
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