• 「終活、何から始めればいい?」
• 「成年後見制度ってどんな制度?」
そんな不安や疑問を抱える方に寄り添ってくれるのが春日井市権利擁護センターです。
終活の相談支援や成年後見制度の利用支援など、多岐にわたる活動を行っている同センター。
今回のインタビューでは、その具体的な取り組み内容を詳しく伺ってみましたよ!
春日井市権利擁護センターの藤丸様、山口様、春日井市役所 地域共生推進課の奥村様にインタビュー
春日井市権利擁護センター様の主な活動について詳しく教えてください。
大きく分けて2つあるのですが、1つ目は終活の相談支援事業です。 終活の相談支援に関しては、判断能力はあるものの、今後のことが心配な方が主な対象となるのですが、相談者の方のニーズや希望に沿って、春日井市で登録している終活関連の登録団体や事業者をご紹介しています。
ご紹介だけではなく、契約に至るまでの立ち会いも行なっており、また、必要に応じて終活安心カードというものをお渡ししています。 また、終活に悩んでいる方の中には
- 「何から始めていいかわからない」
- 「どうしていいかわからない」
という方も多々いらっしゃいますので、終活の足がかりになるような体験型講座(例:エンディングノートを一緒に書いてみる など)の開催も行なっています。
終活安心カードというものは初めて聞いたのですが、どのようなものなのでしょうか?
ご本人様が亡くなった後に、誰も契約内容を知らないという問題がよく起こるのですが、簡単に言うと、そういった問題を防ぐためのカードです。 カードの表面には契約した事業者の名前や契約内容、電話番号が書いてあり、裏面にはご本人様のお名前と緊急連絡先が書いてあります。
春日井市としては、相談者と事業者をお引き合わせし、契約するまでがゴールという訳ではなく、契約後もサポートするためにこういうカードをお渡ししています。
なるほど。春日井市の終活相談支援はとても幅広いのですね!
そうですね。 権利擁護センターとしては、終活に関する悩みはもちろん、全然関係ない話であったとしても、まずは断らずに話をきくというスタンスなので、何か悩みがあればお気軽に相談しに来ていただきたいと思っています。
2つ目は成年後見制度の支援事業です。 認知症などで判断能力が不十分になった方などに成年後見制度の利用ができるようにするための相談支援を行っていたり、春日井市の市民の方が後見人になるための市民後見人の育成も行なっています。
成年後見制度の利用支援についてはどのような方がご相談にいらっしゃいますか?
制度を利用されるご本人さまが来られる場合もありますが、最も多いのは親族の方やケアマネジャーや地域包括支援センターなどその方を支援する方からです。
成年後見制度についてはネガティブな報道もありますが、実際にトラブルなども多いのでしょうか?
実際、メディアで報道されているようなトラブルは少し極端なケースだと思います。 トラブルが起こってしまう現実的な一例としては、法律職の方が後見人としてついていて、法律的な課題に対する対応は行うものの、ご本人に定期的に会いに行って、ご本人が理想とする生活ができているかをこまめにチェックする役割(身上配慮義務)を蔑ろにしてしまうなどの例があります。
そういったごく一部の問題を、あたかも成年後見制度の全てであるかのようにメディアで報道されてしまっているため、制度そのものへの信頼が揺らいでしまっている状況もあるのですが、春日井市の成年後見制度に携わってくださっている法律職の方たちは本当にご本人に寄り添ってくれる良い方たちばかりですよ。
また、市民後見人の方たちは月に2回ほど会いに行くのがデフォルトになっており、とても献身的にやってくれています。
市民後見人をつけた方(ご本人や親族の方)からはどのようなお声をいただきますか?
基本的に「助かった」という趣旨のお声が多いです。 丁寧にやっているので、クレームをもらうことは基本的にないですよ。
将来的に拡充しようと考えている支援はありますか?
新たな支援や事業を行うというよりは、既存の取り組みを地道に拡大していきたいと考えています。
例えば、今後、より市民後見人が求められる事案が増えてくると想定していますので、これまで以上に積極的に多くの人数を養成し、どんどん(後見人としての任務を)受任できるように支援していきたいです。
市民後見人になるのはどのような方ですか?
弁護士や司法書士、社会福祉士といった専門職ではなく、一般的な市民でボランティア精神のある方です。
専門職でなくても良いのですね。
後見人の業務では、必ずしも専門職が行うことが必須ではない業務も多々あります。 むしろ、そういう業務を専門職が行うことで、結果として専門職の人手が足りなくなるという問題もあるんですよ。
なので、同じ地域(春日井市)に住んでいて、高齢者の方に寄り添ってくれる方に市民後見人になってもらえるのは非常にありがたいことです。
後見人をつけたいと相談に来る方に対し、市民後見人が後見人として抜擢されるケースは多いんですか?
あくまで相談者の方の状況をヒアリングした上で慎重に判断しているのですが、現状では市民後見人を抜擢する割合は2割弱程度です。
後見人は(高齢者の方など)ご本人に寄り添う人生の代理人と言うべき重要な存在なので、弁護士などの法律の専門家が良いのか、社会福祉士が良いのか、市民後見人が良いのか…といったことは市役所も含め、関係団体と共に慎重に検討しています。
また、市民後見人の抜擢が2割程度に収まっている1つの理由として、あまり多額の財産を持っている方には市民後見人をつけないようにしているというのもあります。 具体的に言えば、市民後見人が選ばれるのは資産で言うと1,000万円以内くらいの事案です。
市民後見人になった人からはどのような声をもらっていますか?
市民後見人をやっている方の話をきくと、地域のためになりたいから始めたものの、結果的に自分のためになっていると実感できるという声が多いですね。
自分のこれからの人生についても考えるようになったし、自分の糧になっているという声を多くいただきますよ! そういうお声が本当に多いので、実際に市民後見人が出演する動画も作りたいと思っているぐらいです(笑)
インタビューを終えて
いかがでしたでしょうか?
春日井市権利擁護センターでは、ちょっとした終活の悩みから成年後見制度の利用相談まで、幅広く対応してくれます。また、インタビューを通して終活支援事業に携わる職員の方たちの想いの強さや親切さを知ることができました。
終活に関するお悩みや疑問がある方は、ぜひ相談に行ってみてくださいね!
▼春日井市社会福祉協議会および高齢者・障がい者権利擁護センターのホームページはこちら
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