納骨式のお布施は、葬儀や法要のお布施と書き方が少し違います。回忌法要と違い、あまり機会がないために、袋の選び方や表書きの書き方に迷う人もいるでしょう。また、神式やキリスト教式で葬儀を行う人もおり、基本的には葬儀を行った神主や牧師、神父に納骨式をお願いするのが一般的です。宗教が違えばお布施の袋や書き方も違います。
この記事では、納骨式の概要を簡単に解説した上で、宗教別にお布施の書き方と袋の選び方をご紹介します。最後には、お布施の渡し方についてもご案内しています。「明日、納骨式がある」などの切羽詰まった状況でもサッと読めて役に立つ内容です。
納骨式のお布施の書き方は?袋の選び方やお布施の渡し方も解説
納骨式とはお墓に遺骨を納める儀式

納骨式とは、お墓へ新たに遺骨を納める儀式です。あらかじめ清掃したお墓に、お花や供物をお供えして準備し、僧侶に墓前で読経してもらいます。
読経の後にお墓の納骨室を開け、骨壺をそのまま、もしくは骨壺から遺骨をあけて納骨します。納骨室の下がコンクリートではなく、土中と繋がっている場合は、骨壺から遺骨を取り出して納骨するケースが多いでしょう。
その後、喪主から順番に線香を手向け、納骨式は終了です。シンプルな儀式のため、20分程度で終了することが多いでしょう。その後、参加者全員で会食へ出向くこともあります。
納骨式のお布施の書き方と袋の選び方
納骨式のお布施の書き方、袋の選び方は、宗教によって違います。仏式、神式、キリスト教式の3つのパターンについて、順にご案内します。いずれについても、黒の筆ペンか、あるいは毛筆を使いましょう。もし、どうしても筆書きが苦手な場合は、サインペンでもけっこうです。
仏式の場合
仏式の納骨式では、お布施の袋として水引のついていない奉書紙(文具店等でお布施の袋として売られているもの)か、白い封筒を使います。ただし、地域によっては白黒、もしくは黄白の水引がついた不祝儀袋を使用する場合もあります。
特に関西地方では、黄白の水引がついた不祝儀袋を使用する例が多くみられます。文具店で購入するなら、お店の方に地域の風習について尋ねてみるといいでしょう。お店の方から分からないと言われた場合には、近くに住んでいる親族や友人に尋ねるのがおすすめです。
封筒の中央上側に「御布施」と書き、その下に「○○家」あるいは施主のフルネームを書きます。右肩に小さく「納骨法要」と書くと丁寧ですが、必ず書かなければならないわけではありません。
神式の場合
神式の納骨式では、神官へのお礼をする袋として水引のついていない奉書紙(文具店等でお布施の袋として売られているもの)か、白い封筒を使います。ただ、仏式同様に、地域によっては黒白や黄白の水引がついた不祝儀袋を使用する場合もあります。親族などに確認するとよいでしょう。
もしも風習を知らず、水引のついていない封筒を使ったとしても失礼にはあたりません。身近に尋ねる人が見当たらない場合は、水引のついていない白無地の袋を使うのが最も無難です。封筒の中央上側に「御榊料」と表書きし、その下に「○○家」あるいは施主のフルネームを書きます。表書きとしては、「御祭祀料」「御祈禱料」「御礼」といった言葉も選べます。
キリスト教の場合
キリスト教の納骨式では、水引のついた不祝儀袋は使いません。白い封筒を使います。もし文具店などで、十字架のマークやユリの絵があしらわれたキリスト教用の不祝儀袋を見つけたら、それを使っても良いでしょう。
封筒の中央上側に、カトリックの場合は「御礼」あるいは「御弥撒料」「御花料」と書きます。プロテスタントの場合は「献金」あるいは「御礼」「御花料」と書き、その下に「○○家」あるいは施主のフルネームを書きます。
お布施の渡し方
納骨式でお布施を渡すタイミングは、基本的には納骨式を終えた直後がよいとされています。式を終え、僧侶がお寺や控室へ戻ったタイミングで喪主が挨拶に訪れ、「きょうはありがとうございました」とお礼を言い添えながら手渡しするのが理想です。
避けたいのは、納骨式の直前などに、お墓で僧侶へお布施を手渡しすることです。儀式直前のタイミングでお布施を手渡されたら、僧侶は現金であるお布施を袂に入れたまま法要を行わなければなりません。
大切なのは、僧侶がお布施を管理しやすい環境下で手渡すことです。僧侶がお寺や法要会館の控室へ戻られたときが最も安心ですし、もしお寺まで見送りができないようなら、お帰りになるときに最後の挨拶をしながら手渡しましょう。
【まとめ】お布施の書き方に気をつけて失礼のない納骨式を
【監修】奥山晶子(終活カウンセラー、FP(2級))
これまでの略歴
葬儀業界を経験した後、出版社勤務を経て終活全般のライターへ。2012年より2年間「葬送の自由をすすめる会」理事。終活カウンセラー、FP(2級)。近著に『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)がある

これまでの略歴
葬儀業界を経験した後、出版社勤務を経て終活全般のライターへ。2012年より2年間「葬送の自由をすすめる会」理事。終活カウンセラー、FP(2級)。近著に『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)がある
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