お布施を入れる封筒とは?入れ方から渡し方のマナー3選

葬儀や法要時に渡すお布施は現金のまま直接ではなく、必ず封筒に入れた状態でお渡しをします。ですが、お布施を入れる封筒はどんな形状や種類のものでもよい、というわけではありません。一般的なお香典の袋とも似ている部分はあるものの、表書きの文字や中身の金額などは大きく異なってきます。また、お布施は葬儀時や法要時にお勤めをいただく僧侶に対して、感謝の気持ちとともにお渡しするものです。

そのため、相手方に失礼にならないようにするためにも、実際にお渡しをする際の挨拶の仕方やマナーなどをしっかりと心得ておく必要があるでしょう。そこで今回はお布施を入れる封筒や金額の相場だけでなく、入れ方・渡し方などのマナーについても詳しくご紹介します。

お布施とは?

お布施を入れる封筒とは?入れ方から渡し方のマナー3選01

お布施とは仏教特有の風習で、故人を供養してもらうことへのお礼の気持ちや、寺院に対しての金銭的な援助をする目的でお渡しをする現金のことを指します。なお「布」を「施す」という文字が入っている通り、遥か昔においてはお説法へのお礼として僧侶が着用するための衣類を寄付したという話からきているものですが、現在ではそうした意味はありません。

そのため、お布施はあくまで葬儀や法要時に読経をして頂いた謝礼としてお渡しをするものという考え方をとります。

お布施を入れる封筒の種類について

お布施は現金でご用意をするものですが、当然そのままの状態でお渡しすることはなく、しっかりと封筒に入れた状態で用意しておく必要があります。お勤めいただく僧侶に対して失礼のないように、お布施を入れる封筒の種類について詳しく見ていきましょう。

奉書紙が一番丁寧な形式

お布施を包む封筒として一番丁寧な形式は、奉書紙に包んだ状態にして用意することです。

奉書紙の由来は室町時代にまで遡るとされ、古くから役所の公文書などで使用をされてきました。原料に和紙が使用されるのが特徴で、あらかじめ折り目等がついた状態になっているものも広く市販されています。

奉書紙について、普段の生活の中ではあまり使用される機会はありません。ですが、葬儀や法要といった大切な場面で、僧侶に対する感謝の気持ちを丁寧に伝えたい場合には、奉書紙で包んだ状態でお渡しされると良いでしょう。

白封筒でも可能

奉書紙の用意が難しい場合には、市販されている白封筒に現金を入れてお渡しをしても差し支えありません。

ただし、白封筒を用意する際は、必ず郵便番号を記載する欄などが印字されていない無地のものを選ぶようにしましょう。また、最近ではあらかじめ「お布施」という文字が印字された専用の袋も市販されているため、そちらを使用されても問題ありません。

宗教による表書きの違い

  • 仏式の場合
    稀に寺院からの指定で「読経料」といった名目でお渡しするように言われる場合もありますが、仏式であれば基本的には「御布施」もしくは「お布施」という表書きで記入をします。
  • 神道の場合
    神道においては金銭面での御礼をお布施ではなく、「御祭祀料」という名目でお渡しをします。他にも「御礼」「御祈祷料」といった表書きでもよいとされていますが、用意する封筒には仏花である菊などが印字されていないタイプのものを選ぶようにしましょう。
  • キリスト教の場合
    キリスト教では特に表書きの形式の指定はありませんが、一般的には「御礼」や「謝礼」といった表記にされることが多いです。こちらも他の宗教と同様に、必ず白封筒で用意をするようにしましょう。

お布施で渡す金額の目安は?

  • 葬儀時の場合
    お布施の金額については地域やお寺によって異なるものの、葬儀時は25万〜80万程度の金額でご用意されることが多いです。もし自身の付き合いの寺院ではいくらお包みすれば良いか迷った際は、住職へ直接お伺いをしても問題ありません。
    なお、葬儀社やインターネットでの仲介を通して読経を依頼をした場合には、戒名の位(くらい)に応じて金額が変わってくるため注意しましょう。
  • 法要の場合
    四十九日など法要の際に渡すお布施であれば、5万円〜10万円程度が相場です。以降の1周忌や三回忌などについては少しずつ下がる傾向にありますが、こちらも不安であれば直接お寺に確認をしておくとよいでしょう。

お布施を渡すタイミングや適切な挨拶とは?

  • 葬儀時の場合
    葬儀でのお勤めを依頼する場合は、一般的に開式前のタイミングでお布施をお渡しします。その際は僧侶の控室にお伺いし、「お越しいただきましてありがとうございます。本日は何卒よろしくお願いいたします。」と一言添えてから渡すようにしましょう。
  • 法要の場合
    法要は専用の法要施設や自宅、墓前でのお勤めなど、場所が定まっていない中でのお勤めを頂くことが多いため、ご状況によっては控室等の用意がないこともあります。そのため、法要の場合は読経が終わった後に僧侶がお帰りになるタイミングで、お布施をお渡しされるとよいでしょう。
    その際にも「本日は亡き故人の法要のためにご供養いただきまして、ありがとうございます。」といった御礼の言葉を忘れずにお伝えします。

お布施を渡す際に気をつけたいマナーについて

最後にお布施を渡す際のマナーについて代表的なものを3つご紹介いたします。お勤めを頂く僧侶に対して失礼のないように、しっかりとポイントを抑えておくようにしましょう。

  • 封筒内にお札を入れる向き

    奉書紙や封筒を開けた際に、肖像画が一番初めに見えるようにお札を入れましょう。その際は向きがバラバラにならないように、しっかりとお札を揃えた状態でお包みします。なお、お札の新旧については特に気にする必要はありませんが、状態の悪いお札が紛れていないかどうかを必ず事前に確認しておくようにしましょう。
  • 袋の表書きや裏面に書く文字

    「お布施」といった表書きの下部分には、「〇〇家」といった名前を記入するようにします。また、裏面の左下部分に住所と金額を記載する形式が一般的です。その際に使用する数字については、必ず漢数字(壱万円や参万円など)にて記載をするようにしましょう。
  • 切手盆や袱紗を用意する

    お布施を手渡しにて直接お渡しするよりも、切手盆に乗せた状態でお渡しをすると、より丁寧な印象を持たれます。また、鞄の中に封筒をそのまま入れてしまうと、折り目や汚れが付いてしまう可能性もあるため、お香典などと同様に袱紗や風呂敷で包んだ状態で持参されるとよいでしょう。

お布施を入れる封筒と入れ方から渡し方のマナー3選のまとめ

お布施の封筒は奉書紙での準備が一番丁寧な形式になるものの、ご用意が難しい場合などは市販のお布施袋や白封筒での支度でも差し支えありません。ただし、仏教・神道・キリスト教でそれぞれ封筒の表書きが異なるため注意が必要です。

お布施の金額については地域やお寺によって異なるものの、葬儀時で25万〜80万程度、法要時で5万〜10万程度が目安の相場となっています。なお、金額に迷った場合は、お勤めを頂くお寺に伺っても失礼にはあたらないため、ご家族の方より直接確認をしてみてもよいでしょう。

お渡しする際には封筒内の所定の箇所に名前や住所を記入し、袱紗に包んだ状態で持参するのがマナーとなっています。葬儀の準備に限らず、いざという際に慌ててしまうことのないように、事前の準備を進めておくと安心です。

今日のポイント

  1. お布施の封筒は奉書紙か白封筒で用意する
  2. お布施の金額に迷った際はお寺に直接確認しても問題ない
  3. 切手盆や袱紗などを事前に用意できると良い
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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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