武蔵野市高齢者支援課・相談支援係 山内さんにインタビュー

日本の少子化・核家族化とともに近年徐々に浸透してきている「終活」というキーワード。
そうした時代背景もあり、終活や高齢者の方への相談・支援に取り組む市区町村役場の窓口は増えつつあります。

しかしながら、取り組みの内容は市区町村によって様々でもありますので、終活サポートではインタビューを通してそれぞれの市区町村の終活への取り組み内容を伺っていきたいと考えています!今回は、武蔵野市高齢者支援課・相談支援係の山内 梨奈さんにインタビューいたしました。

武蔵野市役所の山内さんにインタビュー

武蔵野市高齢者支援課・相談支援係 山内さんにインタビュー01

武蔵野市でエンディング支援事業を始めたきっかけはありますか?

エンディング支援事業に限らず、行政が行う施策は計画に基づいて進めていくのですが、 エンディング支援事業に関しても高齢者福祉計画・第8期介護保険事業計画に基づいてさまざまな施策を進めています。この計画では団塊の世代が75歳になられる2025年がキーポイントになっています。 2025年に向けて、武蔵野市が目指す❝高齢者の姿とまちづくり❞として、

  • いつまでもいきいきと健康に
  • ひとり暮らしでも
  • 認知症になっても
  • 中・重度の要介護状態になっても

誰もが住み慣れた地域で生活を継続できるということをまずは目標にしています。武蔵野市民は現在約4.5人に1人が高齢者で、さらにその中の3人に1人がお一人暮らしです。また、高齢者の方々向けのアンケート調査も計画を策定する際に行っているのですが、その中でも

  • 今は元気でも病気になったときに不安
  • 自分の人生の締めくくりについて不安がある

という回答が大変多かったことから、武蔵野市ではエンディング支援事業にも力を入れていこうという方針になりました。

武蔵野市で現在注力している終活支援の内容を教えていただけますか?

主に2つあり、1つはエンディング相談支援という形で市役所の窓口で高齢者の方のご相談にお応えするということを行っています。 予約等も特には不要で、ざっくばらんに相談をしていただける場所として窓口を設けています。

もう1つは、エンディングノートの配布に加え、ご希望があれば出前講座も行っています。

窓口でよく相談されることはどんなことですか?

お一人暮らしの方で今後に対する漠然とした不安がある方が多いと感じています。相談内容は、エンディング関連のことも多いのですが、エンディングには直接関係ないご相談も多いですよ。 市の福祉サービスですとか、介護保険を使って解決できる課題もあったりしますので、まずは構えずに気楽に相談に来てくだされば良いなと思います。

ご相談内容によっては、より具体的な支援を行うことができる「公益財団法人武蔵野市福祉公社」をご案内するという場合もあります。 武蔵野市福祉公社の権利擁護センターでは、エンディング関連の詳しいご相談もできますし、お一人暮らしだったり身寄りのない方向けのつながりサポート事業や没後支援サービスなども行っています。

出前講座ではどのような講座を行ってますか?

出前講座では「終活とはなにか」という終活の入り口の部分や、終活の目的に関するご説明からはじまり、エンディングノートを実際に開いてみて、「どんな項目があるのか」「どういう所から書き始めるのが良いのか」などをお伝えしています。

あとは、市役所で行っている高齢者向けの事業も紹介していますよ。 大体これらが講座のワンパッケージになっているのですが、その他「こういうことを説明してほしい」というご要望があれば柔軟に応えるようにしています。

高齢者支援事業について、どのような事業を紹介していますか?

出前講座を受けられる方の多くは要介護、要支援などの認定をお持ちではなく、特に他の介護支援サービスと繋がっていない方が多いので、そういった認定を持っていない方でもご利用いただけるサービスを主に紹介しています。

代表的な例で言えば、レスキューヘルパー(高齢者等緊急訪問介護)があります。これはひとり暮らしまたは高齢者のみの世帯の方で介護認定をお持ちではないものの、一時的な怪我や入院等で家事を行うのが難しい…といった場合に一時的にヘルパーを派遣するというサービスを受けられるんです。

エンディングノートにはどのようなこだわりがありますか?

武蔵野市高齢者支援課・相談支援係 山内さんにインタビュー02

事業開始当初は民間事業者が提供しているデザインのノートを配布していたのですが、より市民ニーズに合った武蔵野市オリジナルのノートを作ろうということで、武蔵野市福祉公社と共に内容やデザインを検討しました。

こだわったポイントとしては、内容を最小限に絞ることで、初めての方にも手にとってもらえて、書いてもらいやすいエンディングノートであることです。

武蔵野市のエンディングノートはシンプルでわかりやすい印象ですものね!

はい。一般的な市販のエンディングノートは様々ありますが、とにかく分厚い冊子でどこから書いていけばよいかわからないという方も多いです。そのため、武蔵野市では記載項目を最小限に絞ったのが大きなポイントです デザインに関しても市役所の職員でイラストが得意な人が作成したんですよ!

相談者とのコミュニケーションで大事にしている点はありますか?

まずは相談者様がお持ちの悩みの正体が何なのか、どのような解決方法があるのかということを一緒になって考えるということに重きを置いています! 相談に来られる方は、ご自身で相談したいことを明確に言葉にできないという方もいらっしゃるので、まずはじっくりとお話を伺って、何が不安なのか、その不安を解消するためにどのような準備が必要となるのか、、、そんなことを一緒に考えることを大事にしています

素晴らしいことですね。実際に相談したり支援を受けた方からはどのような声をいただきますか?

  • 終活について興味はあるものの、具体的によく分からなかったのが、わかるようになってよかった
  • 終活というと暗いイメージなので気が進まなかったが、講座をきっかけに前向きに進めてみようと思うようになった

といったお声を多くいただいています。

こういったお声をいただくことで、 終活を「ちょっとやってみようかな…」という方がより具体的に踏み出せるきっかけになっていると実感できるため、非常にうれしい部分でもあります。

今後、高齢者の終活支援のために市役所が計画している新しい取り組みはありますか?

現時点では真新しいプロジェクトというものはないのですが、細かな改善や改良は重ねていく予定です。 例えば、エンディングノートに関しても紙とペンで書くというよりも「パソコンで書きたい」という方も増えてきているので、エクセルやWordのデータで配布できるように準備しています。

デジタル派の高齢者の方も増えてきそうですものね。

そうなんです。 ただし、デジタルの場合は、データの保管方法や保管場所、それを誰に伝えるのかを明確にしておくという点が非常に大事になりますので、その点は注意を促しています。 エンディングノートをせっかく書いたのに、パソコンのパスワードがわからず誰も見つけられなくなったら大変ですからね…!

終活をこれから始めようとしている武蔵野市民の方へメッセージがあればお願いします!

エンディングの準備を始めるのに遅すぎたり早すぎたりすることはありません。特に「自分にはまだ早いのではないか」と思っている方には、まずエンディングノートを手にとっていただき、書き始めてみていただきたいと思っています。

実際にエンディングノートを書き始めると、悩むことや決断することが多く、自分のことなのにうまく書けない…ということもあるかと思います。少しでもお困りのことや疑問に思うことがありましたら、お気軽に市役所までご相談ください。

インタビューを終えて

武蔵野市高齢者支援課・相談支援係 山内さんにインタビュー06

いかがでしたでしょうか?
実は武蔵野市では、エンディング事業以外でも高齢者安心コールテンミリオンハウス事業など、高齢者の方が安心して住めるサービスや仕組みがかなり充実している市なんです。

終活サポートでも日々多くの方から終活に関するご相談の電話を頂いており、「どこに相談してよいかわからない」という方が非常に多くいらっしゃいます…。

武蔵野市役所ではエンディングに限らず、高齢者の方が持つ悩みを幅広く相談できる窓口があるので、お気軽に相談されてみてはいかがでしょうか。

>>武蔵野市の高齢者支援関連ページはこちら

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