開眼供養とは?儀式の内容と流れやお布施の相場を解説

開眼供養(かいげんくよう)とは、新しいお墓や仏壇を初めて使用する前に行う儀式です。僧侶に読経してもらうことで、お墓や仏壇を「モノ」から「供養の対象」にします。「入魂式」や「お性根(しょうね)入れ」と呼ばれることもあります。

開眼供養のタイミングは、お墓であれば完成して最初の納骨などを行うときです。仏壇であれば、家に仏壇が搬入され、法要などで初めてお供え物をするときとなります。

この記事では、開眼供養の意味や内容、開眼供養の流れ、お布施の相場について解説しています。お墓や仏壇を購入し、「開眼供養が必要だと聞いたけれど、どんなものなのかよく分からない」とお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。

開眼供養とは新しいお墓や仏壇に魂を込めるための儀式

開眼供養とは?儀式の内容と流れやお布施の相場を解説01

開眼供養とは、新調したお墓や仏壇に魂を込め、供養の対象にふさわしいものにするための儀式です。仏教の考えでは、お墓や仏壇が完成しただけでは、そこへ納骨したり、位牌を安置したり、お参りしたりするための準備が整っていません。

僧侶がお墓や仏壇の前で読経し、魂入れの儀式を行うことで、初めて供養の対象として完成します。開眼供養を行うことで、私たちは安心して新調したお墓へお参りしたり、仏壇に手を合わせたりすることができます。

なお、お墓を取り壊したり、仏壇を処分したりする前には、お墓や仏壇から魂を抜く儀式が行われます。これを「閉眼供養」(へいがんくよう)といいます。「お性根(しょうね)抜き」「魂抜き」とも呼ばれます。

開眼供養をするまでの流れ

お墓の開眼供養を例として、僧侶に依頼してから開眼供養が終わるまでの流れを解説します。

お墓の完成時期を確認

お墓の開眼供養は、お墓が完成してから可能になります。開眼供養の日程を決めるため、石材店に問い合わせ、お墓の完成時期を確認しましょう。 悪天候などにより工事ができない日が続くと、完成日は後ろへずれ込む可能性があります。開眼供養の日程を検討するときは、日にちに余裕を持ちましょう。

開眼供養の日程を僧侶に相談

開眼供養の日程にめどがついたら、僧侶に相談します。いくつか候補日をつくり、僧侶に都合のよい日程を選んでもらいましょう。また、四十九日や一周忌、納骨など、開眼供養と一緒に済ませたい法要があったら、同じ日にちにできないか僧侶に相談します。

なお、開眼供養後に会食を設けようと考えている場合は、僧侶に参加可能か尋ねておきましょう。

開眼供養の日程を参加者に知らせる

開眼供養の日程が決まり次第、まずは石材店に伝えます。墓石を覆っている幕を外したり、納骨室を開けたりするのに、石材店の立ち合いが必要だからです。

その後、開眼供養に立ち会う親族などへ日程を知らせます。四十九日法要や納骨式と同時に開眼供養を行う場合は、その旨を法要の参加者に伝えましょう。法要や納骨を伴わない開眼供養の場合は、参加してもらう親族の範囲に迷う人もいるでしょう。

開眼供養のみの場合、家族だけなど主な親族のみの立ち合いで差し支えありません。遠方の親族や、高齢で外出が困難な親族には、事後報告としましょう。

開眼供養の準備

開眼供養のみを行う場合、開眼供養はお墓が完成したおめでたいこと、つまり慶事とみなされるため、喪服を着る必要はありません。ただし仏事なので華やかな服装は避け、落ち着いた色合いの平服を着用します。

 平服とは、セレモニー用の礼服ではなく、かつ普段着ではない、かしこまったお出かけ着のことです。男性はスーツを着用し、女性はワンピースにジャケットを羽織るか、スーツを着用します。茶色、紺色、グレーなどの地味な色を選びましょう。Tシャツやジーンズなどラフな格好はふさわしくありません。

開眼供養と同時に法要や納骨式も行う場合は、喪服を着用するのが一般的です。男性はブラックフォーマルのスーツ一式を、女性は黒いワンピースにジャケットを用意しましょう。持ち物の準備は、お墓参りに準じます。線香、ロウソク、マッチやライター、数珠、お供え物を用意し、花束を一対(同じものを2束)購入します。

お供え物は普段のお墓参りよりも多めに、花束もやや大きめのものを意識しましょう。なお、お布施が必要です。開眼供養に会食も伴う場合は、法要会館や料亭を予約しておきます。

香典返しや引き出物が必要かどうかは、同時に法要も行うか、家族のみではなく親族も参加するかなどによって違います。必要であれば早めに手配しましょう。

開眼供養当日

開眼供養当日は、お墓の前に集合します。水や花束、供物をお供えし、僧侶による読経が始まります。読経の最中、あるいは終了後に、施主から順番に線香をお供えし、お墓に手を合わせます。 焼香が終わったら、お供え物を片づけて開眼供養は終了です。会食がある場合は、会食場所へ移動します。

開眼供養のお布施の相場

開眼供養のお布施の相場は、3万円から5万円です。開眼供養のみの場合は、紅白結び切りの水引があしらわれたご祝儀袋に「お布施」と表書きし、表書きの右肩に「開眼法要」と書き入れます。

他の法要と同時に開眼法要を行う場合は、白無地の封筒や、白黒結び切りの水引があしらわれた不祝儀袋を使用します。お布施は法要が全て終了した後、会食の前に僧侶へ渡しましょう。

【まとめ】開眼供養の準備は他に法要があるか否かで違う

他の法要を同時に行わず開眼供養だけを家族のみで行う場合、準備はいたってシンプルです。しかし、家族以外に参加者がいるのであれば会食や引き出物の手配が必要になり、他の法要を同時に行うなら法要の準備も必要になります。

参加者や他の法要の有無で複雑になる開眼供養の準備ですが、なんのために、誰のために、何が必要なのかを押さえておけば、慌てずに済みます。不安なことがあれば、逐一菩提寺に相談しましょう。霊園の担当者や、会食を行う法要会館の担当者も、心強い相談相手となります。

終活全般相談窓口メールでのご相談
終活全般相談窓口メールでのご相談

▲この記事をシェア

【監修】奥山晶子(終活カウンセラー、FP(2級))

奥山晶子

これまでの略歴

葬儀業界を経験した後、出版社勤務を経て終活全般のライターへ。2012年より2年間「葬送の自由をすすめる会」理事。終活カウンセラー、FP(2級)。近著に『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)がある

お墓に関連する記事

←「終活コラム一覧」に戻る
会員登録・ログイン
終活相談窓口 いい葬儀お客様センター
電話で相談する メールで相談する LINEで相談する 会員ログイン