【その思い込み危険です!】遺言書を書く前に、必ず子どもたちの状況を確認して! みんな、終活一年生

【その思い込み危険です!】遺言書書く前に、必ず子どもたちの状況を確認して!

こんにちは。先日、エンディングノート講座の受講者さんに「先生は、終活の駆け込み寺になり得ますね。」と言われた終活プロデューサー(終活P)の池原充子です。

私:「あぁ、そうですよね。廃寺とかたくさんあるので、それを活用して気軽に来られるスペースを・・・」

受講者:「あ、そういうことではなくて。終活って、何をどうすればいいのか、誰に聞けばいいのか、わからないじゃないですか?それを先生にご相談すれば、救ってくださるっていう意味で。」 ・・・はい。大変失礼いたしました。

おっしゃる通りでございます。終活のモヤモヤを解決するのが私の仕事ですので、 「こんなこと、聞いてバカにされないかしら?」 と思わずに、一人で抱え込まず、お気軽にご相談いただければと思います。

私はどこの団体にも属していませんので、しがらみもノルマも、一切ありません。「コストに厳しい主婦目線」で「自分事のように」にお話聞かせていただきます。・・・と、前置きが長くなってしまったところで、今日の本題。

ご相談内容は、

  • 相談者:女性70代 家土地あり夫婦二人暮らし
  • 子ども3人(娘1、息子2)
  • 一番下の息子が精神疾患(非正規で働いている)
  • 私たち夫婦のお金を一番下の息子に残したいと思っている
  • 終活をどう進めていけばいいのか?
  • 息子に全額相続させたとしても、相続税が払えるか心配

お子様が3人ということで、相続人は、配偶者と子ども3人で、計4名。

「基礎控除があるので、3000万円+(600万円x4人=)2400万円の5400万円までは相続税がかかりません。」 というお話をすると、「えっ?!そうなんですか?相続税かからないんですかっ?」はい。あくまで現段階ですが。

相続人が減ると、当然基礎控除額も変わりますので。「そうなんですね。よかった。それなら相続税かからないので安心です。」い、いやぁ、安心はまだ早いですよ。むしろ、ここからの話の方が超重要です。

「弟さんに全額、もしくはかなり多めに財産を残したいということであれば、遺言書を書かれるのがいいと思います。」 とお伝えすると、「そうですか。うちは、兄弟も仲がいいので、そういったこと(遺産相続)で揉めることはないと思いますが。

あ、甘い。 甘いっ! 甘すぎるっ!

「ちなみに、ご家族皆さんで集まってそういったこと(相続)をお話したことはありますか?」 と聞いたところ、

「それが・・・。お正月に集まる機会があったんですが、姉が来るなら、一番下の息子は行かないといって。

兄も姉も結婚してるので、自分は独身だから、話もし辛いし、(実家に)帰っても居場所がない、と思っているらしく、みんなで一緒に会ったことは最近ないんです。」

相談者さんは、さらに続けて、 「兄や姉の方も、弟と話すのが気まずいみたいで。おそらく兄弟同士で話をしたことも無いんじゃないかと思います。」 鋭いみなさまなら、お気づきかと思いますが、この会話、全て相談者さんの想像なんですね。

「~だと思ってるらしい」「~ではないか」と言う語尾から、親である相談者さんが、子どもたちの意図をくみ取って、「たぶん、そう思ってるだろう」 と想像しているんですね。これは、言葉を変えると、「思い込み」です。

この状態で、遺言書を書くのは、ひじょーにマズいです。何がマズいのか。事実確認をしないまま、勝手な思い込みだけで財産分与を決めてしまうと、なにがしかのトラブルの種を残してしまう恐れがあります。

「できれば、ご家族みなさんで集まる機会があるといいですね。元気で過ごしてるのか?仕事は順調なのか?ご兄弟さんが、それぞれのご兄弟さんについてどう思っているのか?」

それが難しいのであれば、遺言書を書く前に、ご兄弟それぞれ個別にお話を聞いて、現状把握された方がいいと思います。一番心配な弟さんのことがつい気になってしまうと思うのですが、もしかすると、お兄さんやお姉さんにもいろいろなご事情があっても、心配かけたくないからと明らかにされていないかもしれませんね。

例えば、コロナ禍で仕事がうまくいかず給料ダウンして生活が苦しくなったとか、本来なら退職金が出るはずだったのが、退職金カットになってしまって、老後の計画に狂いが出てしまったとか。

お姉さまもお兄さまもお仕事も順調で、とくにお金に困っていないということであれば、ご両親から、お姉さま、お兄さまに、「弟に多めにお金を残したいと思ってるんだけど、わかってもらえる?」 と承諾してもらったうえで、遺言書を残す方が、後々トラブルになる確率はぐっと下がります。

終活は、とにかく「思い込み」が一番怖い。このバイアス(先入観)があるだけで、「事実」 が見えなくなってしまいます。

  • ~姉や兄は元気にしてるはず
  • ~精神疾患のある弟には、多めにお金を残すべき

という「恥ずべき思い込み」を、まず、手放す。 そのためには、本人たちから直接話を聞いてみるのが一番です。 終活に近道はないですし、それぞれ事情がちがうので、絶対にこれがいい!という万能薬もありません。

だからこそ、どうしよう??と悩んでしまうので、そういう時に私を思い出してもらえると、すごくお力になれると思います。そして、聞いたこと、話したことをエンディングノートに書き残すことをお忘れなく!

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