【グリーフケアを2年も勉強したのに救われなかった】女性が、一瞬にして救われたコトとは? みんな、終活一年生

【グリーフケアを2年も勉強したのに救われなかった】女性が、一瞬にして救われたコトとは?

こんにちは。終活プロデューサー(終活P)の池原充子です。このタイトルは、先日エンディングノート講座を受講された方がおっしゃった言葉です。先日の講座は、4回シリーズのエンディングノート講座3回目の「お墓」について。

前回も受講されていたので、「墓じまいについて知りたい」とのリクエストを受けて、具体的な手続きと費用について詳しくお話しました。

受講者さんは、数年前、病気でご主人を亡くされました。一年間在宅で介護して見送られたそうです。そこだけを聞けば、とても献身的に介護して看取られたんだから、きっとご主人も感謝されていたことだろうと思って聞いていたのですが、なぜか、受講者さんの口からは、「主人が許してくれなかった、とずっと思っていた」とおっしゃるんです。

それは、「亡くなってから、一度も夢に出てきてくれなかった」と。夢に出てきてくれない、ということは、「きっと、主人は怒っているんだ」 と思っていたそうです。どうしてそう思ったのか?まではお伺いすることができませんでしたが、とにかくそのように受講者さんは思い込まれていた。

ただでさえ、大切な伴侶を亡くして悲しいのに、「許してくれない」「怒っている」と思い込むとは、どれほど辛い心境だったのか。想像するに余りあります。

深い悲しみにくれて、しばらく何もできなかった受講者さん。でも、ご主人がやろうとしてできなかった先祖の墓じまいを、自分が代わりにやってあげたい、と思い、深い悲しみから抜け出すために、動き始めたそうです。

グリーフケア(grief care)

「グリーフ」とは、深い悲しみ、悲嘆、苦悩のことで、特に、身内を失ったときに感じる大きな喪失は、グリーフにつながりやすいといわれています。

受講者さんも、ご主人を亡くされて呆然とした日々を過ごし、悲しみの底から抜け出したいと思って、ご自分でいろいろと調べて、グリーフケアで有名な大学の社会人講座を2年間学ばれたそうです。

でも・・・。「グリーフケアを2年勉強したんです。〇〇大学で。だけど救われなかったんです。」(ご本人談)

きっと、すがるような思いで、一生懸命学んだのだと思います。 「深い悲しみから抜け出したい」という一心で。でも、救われなかった。

知識だけでは、人は、救われないということなのでしょうか。そして、受講者さんは、次の希望の光を探します。 それは、高野山の森林セラピー。 高野山と言えば、言わずと知れた空海が開山した真言宗の総本山、金剛峯寺(こんごうぶじ)ですね。

その森林セラピーで、「大きな木を抱きしめてください」と言われ、「えぇ~。」と抵抗はあったものの、言われるがままに大きな木に近づき、手をまわして抱きしめた受講者さん。 生きている木のぬくもりを全身で感じた日の夜、

「主人が夢枕に立ったんです!それもすごい笑顔で!亡くなって7年も経って、やっと許してくれたんだと思いました!」

この言葉を聞いた瞬間、私、鳥肌が立ちました。 深い悲しみから救われた瞬間。(仏教的に言うと、自力を捨てて他力に救われた瞬間) 知識だけでは救えなかった深い悲しみから受講者さんを救ったのは、自然が持つ大きな力。熱量というのか、そのエネルギー。

何もしていないのに、なんだか私まで救われたような気持になりました。 ご主人が「許してくれない、怒っている」となぜ思っていたのか?はわかりません。会いたいのに会えない辛さが、そのように解釈させたのかもしれません。

しかし、長い時間をかけて、深い悲しみから抜け出すことができた彼女の話を聞いて、私は「こういう話を次の人たちへ伝える役割を与えられたのだな」とあらためて思いました。

エンディングノートお墓ページ

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