障害年金をもらえない人の条件3つ【不支給の理由や再申請方法を解説】

障害年金をもらえない人には理由がありますが、手続き内容を見直せば申請が通ることもあります。障害年金は、病気や怪我によって生活や仕事に支障をきたしている人を救済する、重要な制度です。審査は慎重かつ厳しく行われますが、不支給の結果を受けても諦めずに再申請することで、受給できるようになった人は少なくありません。障害年金の基本と受給要件をしっかり理解して、対処することが大切です。

今回は、障害年金をもらえない人の条件3つを紹介します。
・障害年金の基本と受給要件
・働いていても手帳を持っていなくてももらえること
・不支給の理由や再申請方法
・困ったときに頼れる機関
についても解説するので、ご参考にしてみてください。

障害年金とは

障害年金をもらえない人の条件3つ【不支給の理由や再申請方法を解説】01

障害年金とは、病気や怪我が原因で生活や仕事が制限されるようになった場合に、受給できる年金のことです。年金といっても高齢者だけが対象ではなく、20代の若い世代でも受給できます。

障害年金を受給するにはいくつか条件がありますが、身体的な病気や怪我だけでなく、精神疾患を抱えている人も対象です。支給される障害年金の金額は、加入している年金の種類、病気や怪我の程度、配偶者や子どもの有無によって変動します。

参考例:障害基礎年金適用で18歳未満の子どもがいない場合

障害等級1級の人の年間支給金額 約98万円(月額約8万円)
障害等級2級の人の年間支給金額 約78万円(月額約6万5千円)

障害年金を受給するためには、自分(代理人でも可)で申請手続きを行う必要があります。 自分一人で行うのが難しい場合は、年金事務所や相談センター、民間のサービスなどにサポートしてもらいながら、手続きを進めていくのがおすすめです。

障害年金の受給要件

障害年金の受給要件の代表的なものは、以下の3つになります。

  1. 初診日要件
  2. 保険料納付要件
  3. 障害状態該当要件

まず、初診日要件とは傷病の初診日が、国民年金や厚生年金保険の被保険者期間中であることです。初診日とは、対象となる傷病の確定診断を受けた日ではなく、初めて病院を訪れた日を指します。

4月1日:胃痛で内科を訪れる→神経性の疑いがあるため、心療内科を勧められる

4月5日:心療内科を訪れる→うつ病の診断を受ける

その後:うつ病の病状が悪化し生活や仕事に支障が出てきたため、障害年金の受給を検討する

この場合の初診日とは、障害年金の対象となる傷病である、うつ病の診断を受けた日ではなく、4月1日のことを指す

次に、保険料納付要件とは、初診日において保険料を「加入期間の3分の2以上納めている」もしくは「直近1年間に滞納期間がない」ことです。初診日がわかれば、その時期の保険料納付状況は、市役所や年金事務所で確認できます。

保険料の免除申請を行っていた場合も、支払っていた時期としてカウントされるのがポイントです。最後に、障害状態該当要件は、傷病の状態が障害等級に該当していると認められていることです。原則として、1、2、3級の障害等級の人が対象になります。

障害等級の認定は医師が行うのではなく、診断結果などを参考に、損害保険料率算出機構や、自賠責保険・共済紛争処理機構などの機関が実施します。

障害年金をもらえない人の条件3つ

障害年金の受給要件は複雑です。手続きの進め方によって受給/不支給が変わってくることもあるので、もらえない人の明確な条件を知っておくと、対策しやすくなります。障害年金をもらえない人の条件3つを紹介します。

年齢が20歳未満(障害基礎年金の場合)

障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。初診日に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金を請求できます。

障害基礎年金の場合は、原則として年齢が20歳以上の人が、障害年金の対象となります。理由は、国民年金に加入するのは20歳からであるためです。ただし、障害厚生年金の場合は、就労していれば20歳未満でも、障害年金の対象者になるケースがあります。

厚生年金は、15歳から加入できるからです。国民年金に加入している20歳未満の人は、原則として障害年金をもらえません。厚生年金に加入している20歳未満の人は、障害年金をもらえる可能性があります。

生活保護を受けている

生活保護を受けている人は、障害年金を受給できません。生活保護と障害年金の同時受給はできないため、傷病などの理由によって生活や仕事をするのが難しい場合は、どちらかを選択する形になります。

※生活保護を受けている状況では、障害年金が振り込まれても、生活保護費から差し引かれます。ただし、生活保護を受けている人が障害年金の対象者になった場合、生活保護に障害者加算が付き、生活保護費が増えることがあります。

障害者加算の金額は、月額約16,000〜24,000円です。

生活保護を受けている人でも、障害年金申請をすることで、生活保護費の支給額が高くなる可能性があります。

年金を支払っていない

障害年金は、年金加入者として年金を支払っている人が対象です。年金を全く支払っていない場合は、障害年金の受給はできません。ただし、一部期間の未払いや滞納歴であれば、場合によっては受給できる可能性があります。

鍵となるのは、障害年金の受給対象となる病気や怪我の、初診日の年金支払い状況です。原則として、初診日において保険料を加入期間の3分の2以上納めていれば、一部未払いがあっても障害年金の対象者となります。

保険料を加入期間の3分の2以上納めていない場合でも、直近1年間に滞納期間がなければ障害年金の審査に通ることもあります。年金の免除期間も支払っている状態として扱われるので、一部未払いや滞納歴があっても諦めずに、初診日の年金支払い状況を確認してみましょう。

障害年金は働いていても手帳を持っていなくてももらえる

障害年金のよくある誤解に、

  • 働いている人はもらえない
  • 障害者手帳を持っていないともらえない

というのがありますが、そんなことはありません。障害年金は原則として、働いていても受給できます。ただし、世帯人数にもよりますが、前年の所得額が約470万円を超える場合は、障害年金の全額、約370万円を超える場合は、2分の1が支給停止となります。

※扶養親族がいる場合は、扶養親族1人に付き所得制限額が約38万円加算されます。また、精神疾患の場合は、労働の有無や状況が障害年金の等級判断に大きく影響します。

精神疾患があっても働きながら、障害年金を受給している人はたくさんいます。ただし、労働状況によっては、障害の程度が軽いと判断されやすいのが難しいところです。障害年金と混合されがちな障害者手帳ですが、実は両者は直接の関係がありません。

障害年金は、障害者手帳を持っていなくてももらえます。

  • 障害者手帳を持っているけれど、障害年金を受給していない人
  • 障害者手帳を持っていないけれど、障害年金を受給している人

どちらもいます。

障害年金が不支給になる理由

障害年金を申請するためには、多くの証明が必要になります。傷病によって生活や仕事に支障をきたしていても、受給要件を満たしている証明ができる書類がなければ、審査に通ることはできません。障害年金が不支給になる理由を解説します。

障害の程度が軽い

障害年金の対象となる障害等級は、

  • 障害基礎年金…1級、2級
  • 障害厚生年金…1級、2級、3級

です。障害の程度がこれより軽い場合は、障害年金の対象にはなりません。注意点は、障害者手帳の等級とは関係がないことです。障害年金と障害者手帳の障害等級は判定方法が違うため、必ずしも同じ程度になるとは限りません。

例として、傷病によっては障害者手帳が1級でも、障害年金は2級になることがあります。障害者手帳の等級に関係なく、障害年金受給のための障害の程度を判断してもらう必要があります。

初診日がわからない

障害年金の受給要件では、明確な初診日がわかる証明書類が必須です。初診時に病院へ依頼して発行してもらう、「受診状況等証明書」もしくは「診断書」を提出しなくてはいけません。

ただし、これらの書類が用意できない場合であっても、初診日について第三者(家族、友人、民生委員など)が証明する書類があり、参考資料を添付できるのであれば、認定可能になっています。この省令改正は、平成27年10月1日から実施されました。

よって、初診日がわからないという理由でこの期間よりも前に、障害年金の不支給が下された人は、再申請すれば審査に通る可能性があります。

障害年金を再申請する方法

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「障害年金の対象者であるはずなのに、不支給になってしまった…。」そんな人は少なくありません。実は、障害年金は一度不支給の結果が出ても、再申請できます。障害年金を再申請する方法について解説します。

審査請求か再請求の手続きを行う

障害年金を再申請する方法は、「審査請求」か「再請求」の2種類があります。審査請求とは、障害年金申請時に提出した書類の、再審査を求める方法です。誤った審査方法や不備の可能性などを訴えられますが、書類を提出し直したり追加したりすることはできません。

再請求とは、必要書類などを見直して、新たに提出することで再申請する方法です。診断書に傷病の程度が軽く書かれており、見直してもらった場合などに有効です。審査請求と再請求は、同時に手続きを行えます。

どちらの方法で再申請をした方が良いのか(もしくは両方するべきか)の判断は難しいため、自治体や民間サービスなどのサポートを受けながら、進めるのがおすすめです。

障害年金をもらえなくて困ったときに頼れる機関

障害年金の手続きや申請を一人で進めるのは難しく、不支給の原因にもなります。少しでも早く受給を始めるためにも、頼れる機関は積極的に利用しましょう。障害年金をもらえなくて困ったときに頼れる機関を紹介します。

市役所や区役所の相談窓口

市役所や区役所には、障害年金のことを相談できる窓口があります。無料で障害年金の基本や手続き方法、必要な書類や進め方を教えてもらえるので、おすすめです。

ただし、障害年金専門の窓口ではないため、徹底したサポートは受けられない可能性があります。相談する窓口や担当者によって対応が違うこともあるので、何度か足を運ぶことも大切です。

NPO法人 障害年金支援ネットワーク

NPO法人 障害年金支援ネットワークは、障害年金の受給をサポートしてくれる、全国規模の非営利団体です。全国各地で無料セミナー、個別相談会を開催しており、電話相談にも応じてくれます。

  • 障害年金の手続きで困っている
  • 障害年金を請求したのに認められなかった
  • 受給していた障害年金が止まってしまった

こういった障害年金のお悩み全般を、支援してくれるのが特徴です。NPO法人(特定非営利活動法人)なので、利用料金は無料。※電話相談による通話料や、紹介してもらった専門家への手続き代行依頼には、料金が発生することがあります。障害年金の相談累計9万件の実績を誇る、安心して頼れる心強い機関です。

障害年金サポート.com

障害年金サポート.comは、うつ病に特化した民間のサポートサービスです。実は、障害年金の手続きや審査は、身体的な傷病に比べて精神的な疾患の方が、認定されるのが難しい傾向にあります。うつ病や統合失調症などの精神疾患も、障害年金の対象となる傷病です。

  • 精神疾患が重くて自分では手続きできない
  • 自治体の相談窓口に足を運んだが、受給できないだろうと言われてしまった

など、精神疾患を抱えながら障害年金に悩んでいる人を、専門にサポートしてくれます。民間サービスなので料金は発生しますが、33,000円(税込)の着手金+成功報酬なので、不支給になっても負担が少なく安心です。

初回カウンセリングは無料で、電話やフォームから大まかな受給判定をしてもらえます。まずは、自分が障害年金を受給できる可能性を知りたいという人にもおすすめです。

障害年金はもらえるまで諦めないことが大切(まとめ)

障害年金は、病気や怪我による生活や仕事の経済的負担を軽減してくれる、大切な制度です。先天的・後天的な傷病に関係なく、身体的疾患も精神的疾患も対象になります。障害年金の申請は自分で行う必要がありますが、受給要件がいくつかあります。

受給要項の中には、特定の障害等級(障害者手帳の等級とは関係なし)や初診日の証明、年金の納付状況などがあり、手続きは少し複雑です。しかし、障害年金をもらえる人は多く、条件を満たしているうえで正確な手続きができれば、必ず受給対象になります。

生活保護を受けている人も、障害年金申請をすることで、生活保護費が上がる可能性があります。障害年金は再申請もできるので、もらえないだろうと諦めずに、頼れる機関を活用しながら、申請を検討してみてください。

今日のポイント

  1. 障害年金とは病気や怪我が原因で生活や仕事が制限されるようになった場合に受給できる年金のこと
  2. 障害年金をもらえない人の条件3つは、年齢が20歳未満(障害基礎年金の場合)、生活保護を受けている、年金を支払っていないこと
  3. 障害年金は働いていても手帳を持っていなくてももらえる
  4. 障害年金は過去に不支給認定を受けていても再申請できる
  5. 障害年金の手続きや再申請は難しいので自治体やNPO法人、民間サービスを頼るのがおすすめ
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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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