「終活写真」の準備|人生の最期にふさわしい写真の選択とは

生前に遺影を準備する、「終活写真」の活動を始めましょう。遺影を準備しておくことに「縁起が悪い」と不安を覚える人もいると思われますが、「終活」という言葉が身近になった現代では、遺影を生きているうちから準備しておく人も増えています。写真館や葬儀社などの終活イベントでも、遺影撮影会を行っているほどです。

この記事では、終活写真の選択方法について解説します。すでにある写真から選ぶ場合のポイントと、遺影を意識して撮影する場合の場所についてご案内しているため、ご自身に合った方法を選んでください。人生の最期にふさわしい写真を選んでおけば、終活の心配事が1つ消えるはずです。

終活写真の選び方5つのポイント

「終活写真」の準備|人生の最期にふさわしい写真の選択とは01

まずはすでにある写真の中から終活写真を選ぶときのポイントについて解説します。以下、5つを意識して選びましょう。

元気なときの写真を選ぶ

なるべく元気ではつらつとしているときの写真を選びます。遺影は葬儀のとき、参列者の目に入る写真です。病気のときの暗い表情や、やつれてしまっていることが分かる写真だと、葬儀全体が寂しい印象になってしまいます。

もしあなたが「まだ遺影を選ぶ段階ではない」と考えているとしても、今の元気な姿を映した写真の中からピックアップしておくのがおすすめです。ご長寿であればあるほど、遺影写真は10年ほど前のものの方がいいとされます。晩年はどうしてもお顔の表情が寂しくなりがちだからです。

いくつかの候補から家族に選んでもらう

できればいくつか遺影候補をピックアップして、家族に選んでもらうのがおすすめです。遺影を実際に見て過ごすのは家族だからです。葬儀で飾り、毎日手を合わせることをイメージしながら選んでもらいましょう。

紙焼きもデータも、そのまま残しておく

紙焼きの写真を大きく引き延ばしたり、データを紙に印刷したりする必要はありません。写真館で撮影した大きな写真も、そのままのサイズで残しておいて大丈夫です。 祭壇に飾られる遺影の一般的なサイズは四つ切り(254mm×305mm)ですが、葬儀社によって必要な遺影のサイズが違う可能性があるためです。中には、データ化した写真をプロジェクターで投影するだけで、大きい紙焼きの遺影写真を使わない葬儀社もあります。

背景がイマイチでも構わない

写真を選ぶときは人物の写りを優先しましょう。背景が気に入らない場合は、背景だけを差し替えることもできるためです。背景をグレーや青の無地としたり、花畑にしたりできます。背景の種類は、葬儀社によって違います。

修正箇所を指示しておくのもOK

写真の中で気に入らない箇所があれば、修正指示も可能です。「服装を和装にしてほしい」「暗い仕上がりの写真を明るめにしてほしい」「髪を整った印象にしてほしい」など、修正指示を残すことができます。

ただ、大きなホクロを消すなど顔の印象を大幅に変えてしまうような変更を行うと、その人らしさが感じられなくなる可能性があるため、注意が必要です。

終活写真を撮影する場所

手持ちの写真に遺影向けのものがないと感じたり、せっかくなら遺影を意識して写真を撮りたいと考えたりした場合は、家族や写真のプロに依頼して撮影しましょう。撮影場所としておすすめなのは、以下の5つです。

思い出の旅行先で

夫婦旅行や家族旅行で出かけて楽しかったと思える場所があれば、再度訪問して終活写真を撮影するのはいかがでしょう。家族が遺影に手を合わせるたびに、故人と過ごした懐かしい時間を思い起こすことができます。

今後、新しく訪問する旅行先で、終活写真を意識して思い出の一枚を撮影するのもおすすめです。

我が家の玄関や庭先で

長く過ごした我が家の玄関や庭先で撮影すれば、遺影がそのまま「この家で生きた証」となります。配偶者や子世代が遺影に手を合わせるたび、家族の絆を感じることができます。

地元を象徴する山や川、海をバックに

地元を愛していたことを葬儀の参列者に伝えたいという気持ちが強ければ、地元を象徴するものをバックに終活写真を撮影するのがおすすめです。地元に住んでいる人であれば「あの場所だ」とすぐピンとくるようなところを選びましょう。葬儀のとき、きっと話題に上ります。

家族の記念日に写真館で

自身の喜寿や米寿などの歳祝い、孫の七五三など家族のイベントが生じたとき、記念に写真館で家族写真を撮影し、その際に終活写真も撮るのはいかが。プロの手でしっかり撮影してほしい人は、活用しましょう。

カメラマンには遺影写真にすることを伝え、遺影の一般的なサイズである四つ切り写真と焼香台前に置かれるL版写真、そして写真データを購入します。ただし遺影のサイズは葬儀社によって違う場合があり、保管にも気を遣います。紙焼きでの仕上がりを確認しなくても構わない場合はデータだけの購入がおすすめです。

 終活イベントで

近年、各地の写真館や葬儀社が終活イベントとして遺影撮影会を行っています。プロのカメラマンに安価で遺影を撮影してもらえるチャンスです。お気に入りの服を着用して出かけましょう。美容院でヘアメイクを仕上げてもらってから出向く人もいます。なかには、プロのヘアメイクさんが控えている撮影会もあるため、事前に調べてみましょう。

【まとめ】終活写真は家族と相談して決めよう

終活写真を選んだり、撮影しておいたりしても、数年後に見返すと「今とはだいぶ印象が違う」と感じるケースがあります。だいぶ違和感があるなら、家族と相談して選び直す時間を設けましょう。みんなで写真を選ぶ時間は、家族の絆を確認できるかけがえのないものです。

すでにある写真から遺影を選ぶ場合も、終活写真を撮影する場合も、大事なのは自分らしさを感じる写真を意識することです。家族に相談しながら写真を選べば、自分の思う「自分らしさ」と、他人の感じているそれとは少し違うと感じることもあります。新たな自分を発見する気持ちで、終活写真に取り組みましょう。

終活全般相談窓口メールでのご相談
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【監修】奥山晶子(終活カウンセラー、FP(2級))

奥山晶子

これまでの略歴

葬儀業界を経験した後、出版社勤務を経て終活全般のライターへ。2012年より2年間「葬送の自由をすすめる会」理事。終活カウンセラー、FP(2級)。近著に『ゆる終活のための 親にかけたい55の言葉』(オークラ出版)がある

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