生前に遺影を用意するメリット3つ【料金・メイク・撮影の流れ】

生前に遺影を用意する人が増えています。遺影は、故人と家族をつなぐ大切なものです。遺影を準備しておくなんて縁起が悪い、不謹慎だと思う人もいるかもしれません。一方で、「遺影は好きな写真を自分で選びたい」「家族に負担をかけたくないので準備しておきたい」と終活の一環として、前向きに取り組んでいる人もいます。

生前に遺影を用意しておくのは、決して不吉なことではありません。自分が納得のいく遺影を準備しておけば、家族も写真選びに悩むことがなくなります。今回は、生前に遺影を用意するメリット3つを紹介します。生前に遺影を用意するときの料金や適切なメイク、流れなども詳しく解説するので、ご参考にしてください。

生前に遺影を用意するメリット3つ

生前に遺影を用意するメリット3つ【料金・メイク・撮影の流れ】01

生前に遺影を用意すると、自分にとっても家族にとってもメリットがあります。生前に遺影を用意するメリット3つを紹介します。

自分の好きな写真を選べる

生前に遺影を用意する最大のメリットは、自分の好きな写真を選べることです。遺影はお通夜や葬儀の場に飾られるだけでなく、自宅にも置かれます。

故人を思い出すための大切なものとして扱われますが、たった1枚の写真なので、自分が納得できるお気に入りの写真を使ってほしいと思う人は、多いのではないでしょうか。

生前に遺影を用意するとなれば、たくさんの写真の中から、自分の好きなものを吟味できます。遺影の写真を勝手に決められたくないという人も、生前準備はおすすめです。

家族の負担を軽減できる

自分の遺影を準備していなかった場合、万が一のことがあったときには、家族が用意をすることになります。人の死は、いつ訪れるかわからないものです。遺族にはお通夜や葬儀、納骨、お墓の準備など、するべきことがたくさんあります。

特に遺影は、すぐに執り行われるお通夜や葬儀の場で必要となるので、早急に準備しなくてはいけません。遺影を用意するためには、写真選びだけでなくサイズ変更のオーダーや額縁の選定など、決めなければならないことがたくさんあります。

遺影の作成は、想像以上に労力と負担のかかる作業です。写真が見つからず苦労したり、選ぶ余裕が無くて後悔の残る遺影になってしまったり、失敗談も少なくありません。自分の遺影は生前に用意を済ませて、家族に渡しておけると、いつ何があっても安心です。

理想通りに加工できる

遺影写真には、加工を施すこともできます。肌質などの美容加工だけでなく、髪型や服装を調整してもらうことも可能です。「室内の写真で顔周りが暗いので明るくしたい」「表情は気に入っているけれど、服装が派手すぎるので変更したい」こんな要望も叶えられます。

実は、遺影写真に明確な決まりはありません。自分でアプリやソフトを使って加工しても、プロに依頼して特殊加工をしてもらっても、どちらでも問題ありません。遺影写真を自分が納得のいくよう理想通りに加工できるのも、生前に用意しておくメリットです。

生前に遺影を用意するときの料金

生前に遺影を用意するときの料金は、どこまで自分で準備するかによって違ってきます。費用が安くなるのは自分で作成する方法ですが、プロに依頼するメリットもあります。生前に遺影を用意するときの料金を紹介します。

自分で作成

自分で遺影用の写真を、手持ちのスマートフォンやカメラを使って撮るのであれば、撮影代はかかりません。遺影作成で最も費用が大きくなるのは撮影代なので、自分で写真を撮ればコスト削減できます。

撮影代以外で費用が発生するのは、プリント代と額縁代です。遺影の写真は、お通夜や葬儀で使う祭壇用と、自宅に置く仏壇用の2種類のサイズを用意する必要があります。お通夜や葬儀で使う祭壇用の遺影写真はサイズが大きいため、コンビニやカメラ屋さんのプリンターを使わないと、印刷できないことがあります。

コンビニやカメラ屋さんのプリンターで、写真のカラー印刷(大版サイズ)をした場合の平均費用は、1枚50〜80円程度です。予備として、複数枚印刷しておくと安心です。自宅に置く仏壇用の遺影はフォトサイズにすることも多く、家庭用プリンターでも印刷できます。

遺影の額縁代は、サイズにもよりますが5,000円程度が相場です。安いものだと1,000円前後でも手に入り、高級なものは数万円以上することもあります。遺影の額縁は、仏具屋さんやネット通販で購入できます。

スタジオで作成

遺影の撮影と作成をプロに依頼する場合の、平均料金は以下になります。

項目 費用
スタジオでの撮影代 約1〜3万円
自宅での出張撮影代 約3〜5万円
遺影の加工サービス代 約5,000円〜

撮影代には、印刷代まで含まれているのが一般的です。 プロに依頼すると自分で撮影・作成するよりも費用はかかりますが、綺麗で本格的な遺影写真に仕上げてもらえるのがメリットです。 本格的なプリンターの使用や大手印刷会社との提携によって、印刷の仕上がりも高品質になります。

ヘアメイクや貸衣装も依頼する場合は、別途追加料金(各5,000円程度)がかかります。

生前に遺影を撮影するときのメイク

生前に遺影を撮影するとき、「派手でもいいのか」「マナーはあるのか」など、どんなメイクがふさわしいのか気になりますよね。生前に遺影を撮影するときに適切なメイクを紹介します。

自分らしさを尊重する

遺影は、自分を象徴する代表的な写真になります。実は、遺影写真の撮影をするときのメイクに、明確なマナーやタブーはありません。自分らしさを尊重して、基本的には普段どおりの自分らしいメイクでOKです。

地味すぎず派手すぎずを心がけると、誰が見ても自然で違和感のない遺影写真になります。

明るい印象になるように調整する

遺影写真のメイクにルールはありませんが、暗い印象にならないように気をつけましょう。遺影写真はネガティブなものではなく、故人と家族をつなぐ大切なものです。残された家族や友人が思わず微笑んでしまうような、若々しく明るい印象になるようなメイクを心がけましょう。

また、ノーメイクはなるべく避けることをおすすめします。ノーメイクで写真に映ると実際よりも暗く、老けた印象になってしまうことが多いからです。ファンデーションや口紅を塗るだけでも、印象は大きく変わります。

プロにヘアメイクを頼むのもおすすめ

メイクを普段しない人や苦手な人は、プロに頼むのもおすすめです。ヘアメイクは、美容院、メイクサロン、写真撮影スタジオなどで依頼できます。プロにヘアメイクを依頼するときは、遺影撮影であることを伝えるのがポイントです。

遺影写真の撮影を行っているスタジオであれば、遺影用のメイク経験が豊富なスタッフが居るので、より安心して任せられます。

生前に遺影を撮影するときの流れ

生前に遺影を撮影し、作成する場合、気になるのは具体的な流れですよね。手順や内容を把握することで、自分で撮影するのかプロに依頼するのか、判断もしやすくなります。生前に遺影を撮影するときの流れを解説します。

自分で撮影・作成するケース

まずは、撮影をする機材を決めましょう。デジタルカメラや一眼レフカメラがあればベストですが、画質が高ければスマートフォンでも構いません。三脚を使用して自分で撮影するか、家族や友人に撮ってもらう方法もあります。

撮影枚数は多いほど選択肢が広がるので、なるべくたくさん撮りましょう。よく吟味して写真が決まったら、アプリやパソコンを使用してサイズ調整や加工をします。

写真が完成したら、家庭用プリンターやコンビニ、カメラ屋さんのプリンターで印刷です。高品質な印刷を求めるのであれば、ネットから申し込める印刷会社に依頼する選択肢もあります。

額縁を仏具屋さんやネット通販で購入して、印刷した写真を入れれば遺影は完成です。遺影は大切に保管して、用意してあることや保管場所を、必ず家族や周りの人に伝えるようにしましょう。

プロに撮影・作成してもらうケース

遺影写真を撮影・作成してくれるスタジオは、たくさんあります。個人のカメラマンに依頼することもできますが、何度も自分でやり取りしたり価格交渉したりする必要があるので、面倒な人はスタジオでの撮影がおすすめです。

遺影の撮影は、スタジオアリスなど一般的な写真スタジオで対応してもらえます。家から近い場所の写真スタジオを比較・検討して、見積もりをお願いしましょう。スタジオで遺影を撮影・作成するときの、具体的な流れは以下のようになります。

撮影を依頼するスタジオを選ぶ
実際に訪問するか電話・メール問い合わせで、見積もりなどの打ち合わせをする
予約日に撮影
数日〜1週間後に撮影写真を確認、遺影にする写真を選ぶ加工をしてもらう場合は、この時点で依頼する
1〜2週間後に印刷された写真を受け取って完了

手順や期間はスタジオによって異なりますが、撮影から印刷までには少し時間がかかります。 スケジュールには余裕を持って、撮影を依頼するようにしましょう。

生前に遺影を準備しておくと自分も家族も安心できる(まとめ)

生前に遺影を準備するメリットは、自分にも家族にもあります。自分が亡くなった後も家族の元で残り続ける遺影写真は、妥協なく選びたいものです。

生前に用意すれば、自分の好きな写真を吟味して、必要であれば加工を施し、より理想的なものにすることもできます。家族がお通夜や葬儀の前に慌てて準備をすることもなくなるので、負担を軽減できるのもメリットです。

遺影写真の撮影・作成は、自分でもプロに依頼してもどちらでも構いません。写真撮影や加工の技術に不安があったり、ヘアメイクを自分でする自信がなかったりする人は、スタジオでプロに依頼するのがおすすめです。

自分で準備する人もプロに依頼する人も、大切な遺影写真が納得のいく素敵なものになるように、前向きに取り組んでみてくださいね。

今日のポイント

  1. 生前に遺影を用意するメリット3つは「自分の好きな写真を選べる」「家族の負担を軽減できる」「理想通りに加工できる」こと
  2. 生前に遺影を用意するときの料金は自分でするなら約5,000円程度、プロに依頼する場合は約3万円程度
  3. 生前に遺影を撮影するときのメイクは自分らしさを尊重して明るい印象になるようにする
  4. 生前に遺影を用意するときは完了するまでに時間がかかることがあるため注意する
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【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

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