FP事務所ライフブリューの代表ファイナンシャルプランナー 伊藤さんのインタビュー

こんにちは。終活サポートのインタビュー担当、村田です。
今回はFP(ファイナンシャルプランナー)インタビューの第二弾として、FP事務所ライフブリューの代表ファイナンシャルプランナー、伊藤さんへのインタビューをお届けいたします。

FP事務所ライフブリューの伊藤さんにインタビュー!

FP事務所ライフブリューの代表ファイナンシャルプランナー 伊藤さんのインタビュー01

FPとしての活動を始めたきっかけはありますか?

もともとFPを取得しようと思ったきっかけは、自分の親の相続が発端でした。 プライベートでそういったことが続いていて、税金や不動産、保険のことを調べる必要があったので当時はいろいろと苦労しました。

ちょうどその頃、当時勤めていた会社で上司がFP3級を取得したと言っていたり、同僚が昼休みにFPの勉強をしているのを見て、『どんなことを勉強しているんだろう?』と思い、本屋に行って参考書を開けてみたところ、ちょうど自分が相続で学んでいたことと似通っていることが分かりました。

当時は仕事との関連性はあまりなかったのですが、後になって自分の仕事にFPの知識が役立ち始めたのがきっかけで、最終的にFPとして独立するに至りました。

伊藤さんは様々なメディアに出演されているので事前に情報を入手していましたが、以前は電気メーカーでお勤めだったんですよね。

おっしゃるとおりです。私はずっと人事部門で働いていたので、金融や不動産、生命保険などとは特に関係ない仕事をしていました。社会保険の届出や給与計算をする職場の人たちはFP資格に馴染みがあるかもしれませんが、私はそういった専門性のある職場には一度も行ったことがありません。

しかし、当時担当していた職場では、それこそ役員から担当者まで幅広い方からワンストップで様々な相談を受けていたんですね。 そうなると、介護や病気、さらには仕事のミスマッチ感による転職相談など、様々な相談が自然に舞い込んできます。

その際、私はFPの勉強をしていたおかげで、そういった問題に対してのアドバイスにも役立ったんですよ。

FPとしての知識や観点があることで、相談者の目の前にある問題に対して短期的な対応だけではなく中長期視点で相談に乗ってあげられることに気が付きました。

なるほど!前職では偶然にもFPの知識が活きた形になったのですね。

そうですね。 相談者の方から「相談してよかった」などポジティブなリアクションをしてくれるようになると、私も1人1人ちゃんと反応が返ってくる仕事が面白いなと思い始めたんですよね。

そして、一対多ではなく、一対一で相談を受けるお仕事がしたいと思うようになりました。 そんなきっかけでFPとして独立してやっていこうということになったんですよ。

それにしても、人事の方がお金の専門知識を元にしたアドバイスをしてくれるというのは相談者目線では嬉しいことですね。

そう思っているんですけどね。 一般的な企業の人事としては、例えば内々に転職相談を受けた際に、その方のキャリアや転職市場についての話はできると思うんですが、

  • 家計を考えると今辞めたらこうなる
  • 年金がこうなる

などお金のことも加味したトータルなアドバイスはノウハウが足りないと思います。 そうした観点も絶対に必要だと思うのですが、一般的な企業の人事の守備範囲で考えるとそういう部分は不足していると思いますし、逆に言えばやると喜ばれるなと思うんですよね。

まあ、そもそも人事の仕事としてそういう業務があったわけではないので、私はあくまでお節介でやっていただけなんですけどね。笑

FPとして開業されたのはいつ頃からですか?

FPとして開業したのは2022年です。その前、前職在職中の2020年頃から副業としてFP業務を始めました。

ちょうどコロナの始まりの頃なのですね!

そうなんですよ。 私の計画ではちょうどそのころ完全独立をしようとしていたのですが、たまたまプライベートでお金のかかることが続いて先延ばしにしていました。今思えば、逆に先延ばしにして良かったと思います。 コロナ当初は対面での仕事がほぼ不可能になっていましたからね…!

そうですよね。ちなみに、伊藤様が現在行っている業務内容でウェートが大きいものは何ですか?

マンツーマンでの相談業務が原点であり、基本だと思っているのですが、現在一番時間をかけているのは執筆とセミナー、あとは金融研修の講師でしょうか。そのため、その合間を縫って一対一の個別相談などをお受けしています。

幅広く活動されているんですね!ちなみに終活サポートらしい質問もさせていただきますが、終活に関連したご相談等は受けていらっしゃいますか?

正直、終活そのもので相談に来られる方はまだまだウェートとしては大きくないです。相続に至る方でいうと、例えば親の介護で相談したいという方などはいらっしゃいますが、そういう方は必ず相続の話にも繋がっていくんですね。 あとは、将来的に被相続人になる中高年の方です。

老後資金など別の切り口で相談を受けていても、やっぱり相続関連のことを今から備えたほうがいいと思う方もいるんですけど「まだ考えていない」という方が多いんですよね… ただこういう問題に対してFPの立場から踏み込むというのはなかなか難しいという部分もあります。

中には、ある程度資産があって早めの贈与・相続計画が必要でも、通帳の残高が減るのを見るのが怖くて「まだまだお金を増やしたい」と自分のことで精一杯という方もいるんですよ。

相談者の方にアドバイスしたりコミュニケーションを取る上で心がけている点はありますか?

よく相談者の方のお話を聞く、傾聴するということを心がけています。 私自身は色々と話したがるタイプですが、あまりこちらが話しすぎずに相談者さんの話をよく聞き、本音は何か、本当に求めていることは何か、必要なことは何かを見つける事に集中しています。

人それぞれ相談テーマが違うので事前に教えてもらいますが、例えば住宅ローンで相談に来られたのに、本音は離婚に関する相談だったりとか…!

相談されたことだけに対して対応するのは、それはそれで形式的な対応でもお金をもらえるのでいいのかもしれないですけど、相談者さんの本質的な悩みの解決、ゴールには向かえないですからね。なので、初回の相談時間は1時間の予定が2時間になったりと、つい長くなりがちですよ。

なるほど、深く話を聞いてみないと本質的な悩みどころはわからないのですね...!印象に残っている相談者のエピソードはありますか?

とある相談者さんの話ですが、今の家を売って遠方で見つけた新しい家をキャッシュで買いたいけど問題ないだろうかという内容でした。

話を聞いていくと、なぜだか今のお住まいから明日にも離れたそうな感じだったんです。 本来は住み替えの相談だと思うのですが、お家の売買以前に、何か今の場所を離れたい深いご事情が衝動的にさせているのではないかと思い、引っ越すことが最優先なことなのか、今家を買うことで何か解決するのか、など「ほんとにいいんですか?」的なことを聞いてみたんですね。

そしたら相談者の方はしばらく考えたのち「今質問されてハッとしました。ちょっと前のめりになっていたので冷静に、考えてみます。ありがとうございました。」と仰って帰って行かれました。

結局お金の話はまったくしなかったんですけどね。笑 また、開業後の最初の個別相談のお客様から「伊藤さんにお願いしてよかった」と名前も込みで仰っていただけたのは嬉しかったですし、印象に残っています。

その方は30代のご夫婦で、当初は住宅ローンに関するご相談から始まったのですが、最後は老後の資金計画までトータルでお任せいただきました。

なんにせよ初めてのお仕事だったので、非常に多くの時間と労力をかけて、懸命にサポートしました。 その結果、お客様から『お願いして良かった』と言われたことが、今まで踏ん張って続けてこられた支えになっています。

FPとしてお仕事以前に、そもそも相談者にとって大切なことが何かを同じ目線で考えられているのが素敵ですね。ところで、アクティブラーニング型ゲーム研修「Gトレ」についても少し紹介していただけますか?

これはFPが作った合同会社FPalが運営しているもので、私はファシリテーターのひとりとしてやっているのですが、高校生に対する金融教育が主なコンテンツとなります。 ボードゲーム形式で学ぶことで、学生たちにとっても楽しみながら学べる内容となってるんですよ。

おかげさまで毎年活動規模が拡大してきていて、今では都立などの公立高校を中心に私立高校や大学にも展開しており、これは私自身も意義深いと感じている活動ですので、今後も続けていきたいと思っています。

私自身は高校時代にそうした知識を学べる機会がほとんどなかったと記憶していますが、その点では今の高校生はいいですね…!

昔はこういった教育はなかったですよね。 今ではマネー関係の教育は家庭科の教育課程に一部含まれるようになったのですが、教える側の先生にも新たな負担がかかっている状況です。

そのため、外部講師として私たちのようなFPが中立な立場でお手伝いするようになりました。 こういった取り組みを通じて、学生さんたちに貢献できることは嬉しいですよ。

これから力を入れてやっていきたいことはありますか?

ミドル・シニアの年代の方々も含めてマネー教育をしていきたいです。若い世代だけでなく、年代を問わず多くの人に対して金融リテラシーを高める機会を提供したいと考えており、特に50代の方々に向けたリタイアメントプランや資産形成のサポートは今後増やしていきたいと思っています。

50代でも資産形成は決して遅くありませんし、老後に向けた計画を立てる上で非常に重要な年代なんです。 現状、多くの企業が社員に対する資産形成や退職金、年金についての教育を十分に行っていない印象があります。

そのためか、多くの方がご自身の退職金や年金額を正確に把握していないのが実態です。 例えば、年金の繰り下げや繰り上げといった制度についても知らない人がいて、こういった事を理解せずに退職を迎えてしまう人が多いんですよね。 本来はもっと早い段階で準備をする必要があると思います。

ところで伊藤さんは何歳ですか?

61歳です! この年齢になって、同年代の方々の悩みがより身近に感じられるようになりました。例えば、退職金や年金についての知識が不足していることが、老後の不安を大きくしていることに気づきました。

こうした不安を解消するためにも、企業や組織での金融教育をもっと広げていきたいと考えています。 私のように、人事や勤労管理といった仕事をしていたというのはFPとしては珍しいものかもしれませんが、そういう金融系以外の経歴だからこそ、同じような相談者の方に「親近感が湧く」と言っていただけたりします。

最後に、FPさんに相談しようとしている方へ一言あればお願い致します。

FPに相談することで、何が問題か分からない不安から、不安の正体が分かった状態に変わり、対処の仕方が見えてくることが多いです。何が不安なのかが分からない状態が一番怖いことだと思いますので、FPに相談することで、少しでもその不安を軽減し、一歩を踏み出すためのスタートにしていただければと思います。

一度FPに相談し、どのような問題解決が必要かいったん悩みをを整理した上で、税理士や司法書士といったより専門性の高い人に相談していくのもアリでしょう。

何も分からないままでいるよりも、まずは相談してみることで、少しずつ問題が解決に向かうことが期待できます。なので、FPを上手に活用していただきたいと思います。

インタビューを終えて

いかがでしたでしょうか?

伊藤さんは企業の長年人事や人材開発部門でお仕事をされていたご経験もあってか、「お金」というFPの専門領域にとどまらず、幅広い視点で相談者に寄り添った対話をしてくれる方だということが、インタビューを通してとても良く分かりました。

FPさんも様々なバックボーンを持つ方がいらっしゃり、そのお人柄やご経験が相談者にとって大きな武器となることをインタビューアーとしても勉強させていただきました。

FP事務所ライフブリューの公式サイトはこちら:https://www.life-brew.com/

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