死後事務委任契約の内容7つを徹底解説!費用や適切なタイミングもご紹介

死後事務委任契約のメリットは、自分が亡くなった後の手続きを一任できることです。生前に自分で契約するものなので、葬儀や遺品整理などの希望をしっかりと伝えられます。死後事務委任契約の内容には、決まりがありません。自分でお願いしたいことを自由に契約として依頼できますが、原則として、亡くなった後に必要な手続きをしてもらう必要があります。

また、依頼する相手によっては費用が必要なこともあります。死後事務委任契約は、生前の元気なうちに行っておくのがおすすめです。今回は、一般的な死後事務委任契約の内容7つを徹底解説します。死後事務委任契約の費用や適切なタイミングについてもご紹介するので、参考にしてみてください。

死後事務委任契約とは

死後事務委任契約の内容7つを徹底解説!費用や適切なタイミングもご紹介01

死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後の手続きを、生前のうちに特定の誰かにお願いする契約のことです。

契約内容は自由ですが、死亡届の提出や葬儀の手続きなどを依頼するのが一般的となっています。

そのため、こうした死後の事務を執り行ってくれる家族がいる場合には、必要ありません。死後事務委任契約を行うメリットがあるのは、次のような人です。

家族の住まいが遠方にある人

まずは、遠方に住む家族しかいない人です。人が亡くなってすぐに行わなければならない、病院からの遺体搬送や、お通夜の準備や葬儀の打ち合わせなどの手続きは、遠方に住む家族には大変です。このような場合は、相続の専門家などと死後事務委任契約を結ぶことで、死後にすぐ行わなければならない事務や手続きのほか、ご家族や関係者などへの連絡などを迅速に行ってもらえます。また死後の事務を専門家に委託していることを遠方の家族に伝え、いざという時は慌てなくて大丈夫、ということを話してあげると良いでしょう。

独身の人

最近は、生涯未婚であることを選ぶ男性、女性(いわゆる、おひとりさま)は少なくありません。こうした方の場合、若いうちは良いのですが、年齢を重ねるとどうしても頼れる親族が少なくなります。自分の死後を任せる親族は、自分よりも年齢の若い親族を考えなければなりませんが、そうなると、幼いころに会ったきりの遠い親戚しかいないというケースもあります。遠い親戚や、ほとんど顔をあわせていない親族に、葬儀の手続きなどで迷惑をかけたくない場合も、死後事務委任契約を結び、死後の事務を専門家にお願いしておくとよいでしょう。

葬儀、納骨、供養の方法に希望がある人

ご自身の葬儀や納骨、その後の供養の方法に希望がある場合も、死後事務委任契約でそれを叶えることができます。最近は、宗教などにこだわらず、自分らしい告別式を望まれる方や、納骨をしないことを望まれる方もいます。ところがこうした希望を、きちんと実行してくれる人にお願いしておかなければ、そのとおりには行ってもらえない可能性もあります。死後事務委任契約では、その内容を、ある程度具体的に取り決めることもできるため、葬儀などの方法に希望がある場合も、活用するメリットがあります。ますは、専門家に相談しましょう。

家族や親戚は頼りたくない人

家族や親戚がいても、その人に葬儀の手続きなどで頼りたくないという思いがある場合もあります。たとえ、自分が放っておいてくれればいいと思っていても、家族や親戚からすればそういうわけにもいかないため、息苦しいという状況が続いている場合もあるでしょう。このような場合も、専門家などと死後事務委任契約を結んでおけば、家族や親戚に代わって、死後の事務を行ってもらえます。

死後事務委任契約と遺言書の違い

死後事務委任契約と遺言書の大きな違いは、財産承継(相続)の項目です。

死後事務委任契約では、亡くなった後の手続きの契約ができますが、財産継承については効力を持ちません。一方、遺言書は財産継承にのみ効力を持つため、葬儀や遺品整理などの希望を書いても、通らないことがあります。

つまり、それぞれの特性は以下のようになります。

  • 死後事務委任契約…財産継承以外の事柄に効力を持つ
  • 遺言書…相続に関する権利関係に法的効力をもたらす

死後事務委任契約だけを結んでも財産承継には対応できず、遺言書だけを作成しても葬儀や遺品整理などの死後事務は任せることができません。 死後事務委任契約と遺言書は両方、用意しておくと安心です。

ただし、どちらも不備や内容に問題があると、無効になってしまう可能性があります。 死後事務委任契約や遺言書の内容に確実な効力を持たせたい場合は、公正証書として作成するのがおすすめです。

死後事務委任契約がおすすめな人

  • おひとりさま
  • 子どものいない夫婦
  • 頼れる家族や友人がいない人
  • 内縁関係の夫婦や同性のカップル

身近に頼れる人がいない状態で亡くなってしまった場合、葬儀や病院代の清算など死後の手続きを誰がするのかで揉めたり、病院や介護施設などに負担がかかったりする可能性があります。

内縁関係の夫婦や同性カップルの場合は、相続人として認められないため、原則として死後の手続きを行うことができません。 パートナーと死後事務委任契約を結んでおけば、戸籍に関係なく死後の手続きができるので安心です。

死後事務委任契約はどんな人にお願いできる?

死後事務委任契約は、信頼できる人にお願いしましょう。自分が信頼できる人であれば、友人や知人に頼んでも問題ありません。死後事務委任契約を依頼できる人についてご紹介します。

親戚や友人

頼れる家族がいない場合は、親戚に依頼するのがおすすめです。親戚であれば血縁関係があるため、手続きをスムーズに行なえます。

信頼のおける友人や知人がいる場合は、その人に依頼しても構いません。ただし、相続人がいる場合は、葬儀やお墓のことなどで揉める可能性があります。

トラブルを避けるためには、口頭契約ではなく書面契約を結んでおくか、あらかじめ相続人に、死後事務委任契約を依頼していることを話しておきましょう。

司法書士や弁護士

司法書士や弁護士の事務所の中には、死後事務委任契約を引き受けてくれるところもあります。頼れる人が誰もいない場合や、複雑な手続きをまとめて依頼したい場合などにおすすめです。

終活サポートは、各専門家(行政書士、司法書士、税理士、社会保険労務士など)と業務提携をしています。死後事務委任契約のご依頼だけでなく、相続や葬儀に関することなど、どんなご相談にもお応え可能です。

終活のことから死後事務委任契約のことまで、何でもお気軽にご相談ください。
終活ご相談窓口(0120-432-040)受付時間 平日 10:00~17:00
※事前のご予約で土日祝対応可能(全国対応)

死後事務委任契約サービス

死後事務委任契約を依頼できるサービスもあります。

死後事務委任契約サービスを利用するメリットは、専門家の支援を受けながらしっかりと、希望通りの契約が進められることです。

死後事務委任契約サービスを検討するときは、口コミやレビューなどを参考にして、信頼できそうか慎重に選びましょう。

死後事務委任契約の内容7つ

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死後事務委任契約の内容(委任範囲)に決まりはありません。財産継承以外のことなら、自分の希望をそのまま依頼できます。

一般的な死後事務委任契約の内容7つをご紹介します。

1.亡くなった後の関係者への連絡

亡くなった後に連絡をしてほしい関係者(友人やお世話になった人など)をリストアップして、連絡先と一緒に渡しておきます。

連絡の方法や伝えてほしいメッセージなども書いておきましょう。

2.死亡届の提出と火葬許可証の受領

ご家族等が亡くなった場合は死亡届を死亡地等の役所に届出が必要です。死亡届が出されると、戸籍に死亡が記載されます。

亡くなったことがわかった日から7日以内に、故人の本籍地や死亡地もしくは届出人の現住所にある、市区町村の戸籍・住民登録窓口に提出しなくてはいけません。

死亡届の期限内提出は法律で定められているため、亡くなった後は速やかに提出できるようにしておく必要があります。火葬許可証とは、市区町村長が火葬を許可したことを示す書類のことです。

火葬許可証がなければ、葬儀場は火葬を行うことができません。こちらも速やかに受領する必要があるため、死後事務委任契約として依頼しておくと安心です。

3.葬儀や納骨の手続きと希望通りの実施

葬儀場や葬儀のプラン、納骨方法などを指定して依頼できます。

希望の葬儀プランがある場合は、自分で生前契約をして、契約内容や亡くなった後の手続き方法を伝えられると、大きな負担をかけずに済みます。

家族や親戚がいない場合は、葬儀の執り行いまでお願いすることが可能です。

4.お墓や永代供養の手続き

お墓や永代供養の手続きも、死後事務委任契約として任せられます。

代々のお墓や霊園に関する情報は、自分にしかわからないこともあるため、手続きがしやすいようにまとめておくのがおすすめです。

5.生前に残っている支払い手続きや契約の解除

生前の生活費や施設利用費など、支払いが残っている場合は、自分(亡くなった本人)の財産の中から支払いを行ってもらいます。

電話や保険会社の契約などの解約手続きも依頼しておきましょう。

6.社会保険や行政への届け出などの手続き

死亡届だけでなく、社会保険や年金の手続きなど、行政へは複数の届け出をしないといけません。行政での手続きは、相続人や専門家でないとスムーズに進まない可能性があります。

死後事務委任契約を友人や知人に依頼する場合は、手続きに必要な書類などを事前に調べて用意しておけると安心です。

7.家の片付けや遺品整理

家の片付けや遺品整理には、想像以上に手間と時間がかかります。

終活で断捨離をしている場合などを除いては、家の片付けや遺品整理は業者に頼むのがおすすめです。

死後事務委任契約を依頼している人には、遺品をどう扱ってほしいのかを伝え、業者に連絡してもらうようにお願いしましょう。

死後事務委任契約の費用

死後事務委任契約を親戚や友人などに依頼する場合、費用は基本的にかかりません。手続きなどの負担を考えて、お気持ちでお礼を渡すのが一般的です。

司法書士や弁護士、民間のサービスなどに依頼する場合の平均費用は40〜50万円です。

※死後事務委任契約としてよく依頼される内容一通りをお願いした場合の平均費用内訳の例はこちらです。

依頼できる内容(一例) 費用(税込)
死亡時の病院への駆けつけと遺体の引取り 88,000円
葬儀社との打ち合わせ(喪主の代行) 77,000円
指定した関係者への連絡 1,100円/件
医療費等の清算、病室の明け渡し 22,000円/件
葬儀や火葬の代行 110,000円
埋葬や納骨の代行 110,000円
自治体への届出、返却書類の手続き 5,500円/件
電話や保険会社などの解約手続き 22,000円/件
公共料金などの支払い 5,500円/件
遺品整理や不動産売却(税務申告含む) 実費清算(要見積もり)
家屋の明け渡し業務 55,000円

参考出典:死後事務支援協会-参考料金・報酬・費用等について

依頼する内容が少ないほど費用も安くなるため、終活として自分で生前に手続きできるものには取り組んでおくと安心です。

死後事務委任契約をするタイミング

死後事務委任契約の内容7つを徹底解説!費用や適切なタイミングもご紹介05

死後事務委任契約は、健康で元気なうちに進めておくことをおすすめします。

特に、頼れる家族や友人がいない場合は、万が一に備えて早めに準備をしておくと安心です。

認知症などを発症して判断能力が低下すると、死後事務委任契約の依頼はできなくなる可能性があります。

死後事務委任契約は、終活の一環として取り組んでいただきたい大切な契約です。

死後事務委任契約は元気なうちに準備をしておこう(まとめ)

死後事務委任契約は、頼れる家族がいないおひとりさまや、亡くなった後の手続きに不安がある人に適している契約です。

遺言書とは違い財産継承の契約はできませんが、その他の手続きは基本的にすべて依頼できます。

死後事務委任契約は友人や知人など誰にでもお願いできますが、おすすめは専門家や民間サービスを利用した契約です。

費用はかかりますが、確実な契約内容の実施と専門的なサポートを受けられるからです。死後事務委任契約の依頼内容に決まりはないため、自分にとって必要なものだけをお願いできます。

病気や怪我を負ったり、認知症になったりしてからでは遅いので、死後事務委任契約を考えている人はなるべく早く、元気なうちに契約するようにしましょう。

今日のポイント

  1. 死後事務委任契約とは、自分が亡くなった後の諸手続きを人に依頼しておく契約のこと
  2. 死後事務委任契約がおすすめな人は、頼れる家族や友人がいない人や、内縁関係の夫婦、同性のカップルなど、家族に迷惑をかけたくない人
  3. 死後事務委任契約は親戚や友人、司法書士や弁護士などの専門家、民間サービスなどに依頼する
  4. 一般的な死後事務委任契約の内容7つは「関係者への連絡」「死亡届と火葬許可証の申請」「葬儀や納骨の手続き」「お墓や永代供養の手続き」「支払い手続きや契約の解除」「行政への手続き」「家の片付けや遺品整理」
  5. 死後事務委任契約を専門家や民間のサービスに依頼する場合の平均費用は40〜50万円

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【監修】嶋田 裕志(G1行政書士法人 代表)

嶋田 裕志

これまでの略歴

G1行政書士法人 代表
遺産相続手続まごころ代行センター 代表

日本行政書士会連合会 第11260290号
大阪府行政書士会 第6071号
特定行政書士
宅地建物取引士 第090938号

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