終活コラム "死後事務委任契約とは何か?遺言書や任意後見との違いとは"

死後事務委任契約とは、自身が亡くなった後の手続きや身辺の整理を人にお願いするため、生前に結ぶ契約です。たとえば、葬儀の準備や、親戚や知人への連絡、未払いの料金の清算といった、通常は家族が行うような死後のさまざまな事務を、相続の専門家など第三者に任せることができます。

死後事務委任契約はどのような人に役立つ?

死後事務委任契約とは何か?遺言書や任意後見との違いとは01

死後事務委任契約は、通常は家族が行うような死後の事務を第三者に任せることができることにメリットがあります。

そのため、こうした死後の事務を執り行ってくれる家族がいる場合には、必要ありません。死後事務委任契約を行うメリットがあるのは、次のような人です。

家族の住まいが遠方にある人

まずは、遠方に住む家族しかいない人です。人が亡くなってすぐに行わなければならない、病院からの遺体搬送や、お通夜の準備や葬儀の打ち合わせなどの手続きは、遠方に住む家族には大変です。このような場合は、相続の専門家などと死後事務委任契約を結ぶことで、死後にすぐ行わなければならない事務や手続きのほか、ご家族や関係者などへの連絡などを迅速に行ってもらえます。また死後の事務を専門家に委託していることを遠方の家族に伝え、いざという時は慌てなくて大丈夫、ということを話してあげると良いでしょう。

独身の人

最近は、生涯未婚であることを選ぶ男性、女性(いわゆる、おひとりさま)は少なくありません。こうした方の場合、若いうちは良いのですが、年齢を重ねるとどうしても頼れる親族が少なくなります。自分の死後を任せる親族は、自分よりも年齢の若い親族を考えなければなりませんが、そうなると、幼いころに会ったきりの遠い親戚しかいないというケースもあります。遠い親戚や、ほとんど顔をあわせていない親族に、葬儀の手続きなどで迷惑をかけたくない場合も、死後事務委任契約を結び、死後の事務を専門家にお願いしておくとよいでしょう。

葬儀、納骨、供養の方法に希望がある人

ご自身の葬儀や納骨、その後の供養の方法に希望がある場合も、死後事務委任契約でそれを叶えることができます。最近は、宗教などにこだわらず、自分らしい告別式を望まれる方や、納骨をしないことを望まれる方もいます。ところがこうした希望を、きちんと実行してくれる人にお願いしておかなければ、そのとおりには行ってもらえない可能性もあります。死後事務委任契約では、その内容を、ある程度具体的に取り決めることもできるため、葬儀などの方法に希望がある場合も、活用するメリットがあります。ますは、専門家に相談しましょう。

家族や親戚は頼りたくない人

家族や親戚がいても、その人に葬儀の手続きなどで頼りたくないという思いがある場合もあります。たとえ、自分が放っておいてくれればいいと思っていても、家族や親戚からすればそういうわけにもいかないため、息苦しいという状況が続いている場合もあるでしょう。このような場合も、専門家などと死後事務委任契約を結んでおけば、家族や親戚に代わって、死後の事務を行ってもらえます。

死後事務委任でお任せできる死後の手続き

死後事務委任で、専門家などに任せられる内容は、主に次のような手続きです。

葬儀の手続き

葬儀の準備までには、病院からご遺体の運搬、親族や知人への連絡、お通夜など、短期間で行わなければならないことが沢山あります。特に葬儀は、宗教によって方法が異なりますし、菩提寺など希望がある場合は、そこに連絡し、日程などを打ち合わせる必要があります。こうした葬儀のための難しい事務手続きを、死後事務委任契約でお任せすることができます。

死亡届の提出、火葬許可証の受領

市町村役場に死亡届を提出し、火葬許可証を受け取ることも、死後事務委任契約でお任せすることができます。死亡届は、医師が発行する死亡診断書や、死体検案書が必要となり、これらの受け取りも行ってもらえます。

火葬、納骨、埋葬

葬儀の準備と併行して火葬場の手配や、その後の納骨、埋葬の手配も行ってもらえます。お墓が決まっていなくとも、専門家に相談すれば、霊園や納骨堂を探してくれたり、永代供養の手配をしてくれたりする場合もあります。まずは、ご自身の状況を相談してみましょう。

社会保険の手続き

亡くなった後は、健康保険や介護保険、年金など、社会保険の資格喪失による手続きを行う必要があります。それぞれ決められた期限内に行う必要がありますが、専門家に死後事務委任を行えば、こうした手続き漏れなく行ってもらえます。

家の片付けや契約解除、清算

不要な家財の処分など、遺品の片付けを行ってもらえます。ライフライン、携帯電話の契約、その他会員登録しているものなどの解除などもお任せできます。また入居施設の費用や家賃の支払い、医療費の支払い、税金など、清算が終わっていない支払いがあれば、その支払いも行ってもらえます。

死後事務委任契約と遺言書との違い

死後事務委任契約とは何か?遺言書や任意後見との違いとは03

死後のことを生前に決められる点で、似た制度に「遺言」があります。

両者はともに、亡くなった人の生前の思いを死後に実現する効力がありますが、その効力の及ぶ範囲が違います。

わかりやすく表現するなら、

  • 死後事務委任契約 →死亡による一般的な手続きのこと
  • 遺言 →遺産相続のこと

です。遺言は、主に遺産相続に関する取り決めに限定されます。

たとえば、誰に何の財産を相続させるか、誰に財産の全体の何割を相続させるか、というものです。

もし遺言書に、「納骨はせずに、海に散骨してほしい」と書いたとしても、尊重されるべきではありますが、法的な力は生じません。

これに対して、死後事務委任だけでは、財産管理や遺産相続に関する取り決めはできません。

死後事務委任とは、あくまで、死亡によって発生する一般的な死後の事務手続きを委任するものになります。

任意後見契約とは?

任意後見契約とは、将来、認知症などで判断能力が十分でなくなる前に、サポートできる人をつけるための契約です。

後見制度には、「法定後見」と「任意後見」の2つがあり、法定後見とは、認知症になった後に、成年後見人などを裁判所で選ぶ制度になります。

いずれも、「判断能力がなくなったあと」の「生前」の生活をサポートするための制度です。死後のことは、死後事務委任契約が必要となりますが、死後事務委任契約と併せて検討するとよいでしょう。

死後事務委任契約の注意点

自分に必要なものが何かを知る。

死後事務委任契約で委任できる内容は、非常に広範囲ですが、全てが必要というわけではありません。たとえば、遠方に家族がいる場合、亡くなった直後に行うことだけを委任しておけば、落ち着いてから行えばよいもの(家の片付けや契約解除、清算など)までは委託する必要はありません。

どこまでを委託する必要があるかは、人それぞれです。まずは、専門家に相談してみましょう。

死後事務委任は必ず内容を明記した契約書を作成する。

死後事務委任契約が通常の契約と異なるのは、その内容が実現されるのが、契約者が亡くなった後であることです。

契約者の地位は、相続人が引き継ぐこととなりますが、その内容が実現されたかどうかが確認できる契約書がなければ、どのような内容で契約していたか確認する方法がありません。

したがって死後事務委任は、必ず契約書を作成し、できれば公正証書にしておきましょう。

死後事務委任の相談は、終活サポートへ

まずは自分の希望を伝え、その上で、どのような契約ができるか、終活サポートに相談ください。

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