認知症になった親の家を売却する方法や注意点を解説

親が認知症になってしまったとき、親の家をどうするかは悩ましいですよね。「必要ないから売却して介護費用に充てたい」という方も多いと思いますが、親の家を売却できるのでしょうか?

親の不動産を放置するとどうなる?

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親が認知症になってしまい、1人で生活できなくなったとき、入院、入所、家族との同居などご家庭によっていろいろな対応が考えられます。

こうしたとき併せて考えなければならない問題が、親の住んでいる家(住んでいた家)をどうするかということです。

そもそも必要のない不動産を放置することには、さまざまな問題があります。

不動産には税金がかかる

まず税金の問題です。

不動産は所有しているだけで、建物と土地の両方に固定資産税や都市計画税がかかります。

固定資産税は、市町村が決める固定資産税評価額に対して年1.4%、都市計画税は最大0.3%です。

不動産を処分しない限り、所有者に課税され続けます。また、親の家は相続税の対象にもなります。

不動産は遺産の中でも相続税評価額が高くなりやすい財産です。

そのため親の遺産に不動産があると、財産の総額が基礎控除額を超えてしまい、相続税が発生するケースが多くなります。

もちろん相続した土地については、小規模宅地の特例によって大幅な減額ができる場合もあります。

しかし、遺族が代わりに住む予定もない家では、特例で評価額を減らすこともできません。つまり不動産は所有し続けるだけで税金がかかってしまうのです。

空き家の管理が大変

税金以上に問題なのが、家そのものの管理です。

もし親が施設に入所し、家が空き家状態になっているとしたら、老朽化による倒壊や火災事故などを防ぐためのケアが必要ですし、侵入防止などの対策もしなければなりません。

また近隣から苦情が寄せらないよう、雑草の手入れなど衛生環境や景観にも配慮が求められます。

誰も住んでいない不動産には、これほどまでに手がかかるのです。

もし親の家が今後必要ないのであれば、一刻も早く売却したいですよね。売却すれば、そのお金を介護費用や日常生活の費用に充てることができます。そこで考えなければならないのが、認知症の親の不動産を売却できるのかということです。

認知症の親の不動産でも売却できる

認知症の親の不動産でも、売却は可能です。

どうやって売却するかは、本人の判断能力の有無で変わります。

判断能力とは

認知症の親の不動産売却を行う上でポイントとなるのは、本人の判断能力です。

判断能力とは、不動産売却という行為の内容や、それによって自身にどのような影響が及ぶか理解できる能力をいいます。

事理を弁識する能力とも言われ、この能力がない人は法律上の行為をすることができません。すべて無効となります。

それでは認知症の人に判断能力はあるのでしょうか。

答えは「人によって違う」です。

認知症と一口にいっても、軽度のものでは判断能力が認められることもありますし、日によって状態も変わります。

認知症になっても判断能力があれば、本人だけで不動産売却を行うことができますし、本人から委任を受けた代理人が行うこともできます。

たとえば親の代理で子供が不動産売却の手続きをすることもできるのです。

判断能力がない人はどうすればよいか

これに対して判断能力がない人は、自身で不動産売却を行うことはできません。

また、子供などに代理をお願いする行為も法律上の行為ですので、代理人を選ぶこともできません。

判断能力に問題のある人が不動産売却を行うには、「成年後見制度」という家庭裁判所の制度を利用します。

成年後見制度で選ばれた「成年後見人」であれば、本人の代わりに法律上の行為をすることができます。

成年後見制度とは

成年後見制度とは、認知症を含む病気や事故などで判断能力が十分でなくなった人の生活を守るための制度です。

成年後見人なら本人の代わりになれる

成年後見制度では、家庭裁判所から選ばれた成年後見人が、本人の代わりに判断能力を必要とする行為をしたり、本人がしてしまった行為を取り消したりすることで、本人の財産を守ることができます。

もし親の成年後見人になれば、親の財産を必要に応じて処分することが可能です。

ただし、家については家庭裁判所の許可が必要です。詳しくは次項で解説します。

成年後見人になれる人とは

成年後見人を選ぶには、本人が住所を管轄する家庭裁判所に、後見の申立てを行います。

成年後見の申立てができるのは

  • 本人
  • 配偶者
  • 四親等内の親族

ですが、成年後見人になれるのは、家庭裁判所から選ばれた人になります。 親族が選ばれることもあれば、弁護士などの専門家が選ばれることも多いです。

成年後見制度の注意点

成年後見制度は、判断能力のなくなった人の財産を守る制度です。そのため、本人のためにならない財産の処分は認められません。特に家を売却する場合は、家庭裁判所の許可が必要になります。

家庭裁判所の許可がいる不動産売却とは

法律では、次のように定められています。

【民法第859条の3】

ここでいう居住の用に供する建物とは、今住んでいる家はもちろん、今まで住んでいた家、将来住む可能性のある家も含まれます。

たとえ親が施設に入所して今は誰も住んでいない家であっても、成年後見人が売却するには家庭裁判所の許可が必要です。

慣れ親しんだ家を失うことは、本人の生活に非常に大きな影響を及ぼすため、成年後見人だけの判断で売却できないよう、こうしたルールが設けられているのです。

逆にいうと、家庭裁判所の許可を受ければ売却することができます。

家庭裁判所の許可を受けるには

許可を受けるには、まず「被後見人の居住用不動産の処分の許可の申立て」をする必要があります。

この申立てを行うと、家庭裁判所では、売却する必要性があるかどうか、本人の意向はどうか、そして売却代金が適正かといったことから総合的に売却の適否を判断し、売却を許可するかどうかを決めます。

特に、適正な売却価格よりも低い価格で売ることは本人のためにならないため、裁判所から許可が受けられない可能性があります。

不動産の売却価格を調べるには

親の家を売却して介護費用などに充てたいという場合、いくらで売却できるかはとても重要です。

もし、複数の見積もりがあれば、できるだけ高く買い取ってくれる相手と交渉したいですよね。

しかし現実に不動産会社を回って、1件ずつ事情を説明しながら見積もりをもらうのは大変です。そこで、不動産の一括査定の活用がおすすめです。不動産の一括査定を使えば、インターネットで複数の地元の会社から無料見積もりを受けることができます。

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もし成年後見制度のもとで売却する場合は、価格が低いと売却が認められない可能性があるため、相場感をつかむのにも役立ちます。

まずは不動産がいくらで売れるのか、一括査定で確認してみましょう。

まとめ

認知症の親の家は、本人に判断能力があれば自身で売却できますが、問題があれば成年後見制度の利用を検討することとなります。

ただし、成年後見人になると、家庭裁判所に財産の管理状況を報告し続けなければなりません。

支出内容について説明を求められることもあるため、その事務負担は大きいです。

専門家が成年後見人に選ばれることもありますが、その際には、報酬の支払いなど金銭的な負担が生じることも考えておかなければなりません。

利用を検討する際は、裁判所や専門家にまずは相談しましょう。

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