四十九日のお供え物は喪主に渡していい?知っておきたい「のし」に関するマナーも解説

四十九日法要に参列する際のお供え物選びに悩んでしまう方は意外と多いものです。他にも「喪主にお供え物を直接渡してよいものか」「のしはどのように付けるのか」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

葬儀と法要では流れや考え方だけでなく、渡す際の細かなマナーも異なります。特に四十九日法要は、納骨の節目とされることも多く、故人や遺族にとって大切な行事となります。そのため、お供え物を持参する際は遺族に対しても失礼のないよう、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。今回はそうした四十九日法要ならではの品物選びのポイントから、基本的なマナーに至るまで順に解説をいたしますので、ぜひご参考にしてください。

四十九日のお供え物とは?

四十九日のお供え物は喪主に渡していい?知っておきたい「のし」に関するマナーも解説01

四十九日のお供え物とは、亡くなった方の四十九日法要がおこなわれる際に持参するもので、香典とは別の品物を用意して供養の気持ちを表すものです。遺族が用意することもあれば、参列者から持参されることもありますが、通常お供え物は仏壇やお墓の前に並べられます。

その際のお供え物にふさわしいとされるものは「五供(ごくう)」と呼ばれており、それぞれ以下のような意味があります。

お線香・抹香 場や心身を浄化させる
お花(供花) 仏様やご先祖様へのおもてなし
蝋燭 炎が仏様の知恵の象徴とされる
飲食物 故人やご先祖様への食事
お水 仏様の清らかな心をあらわす

葬儀だけでなく法事や法要においても、こういった品物を用意してお供えすることで亡くなった方への供養になるでしょう。

ただし、宗派によっては一部適さないお供え物もあります(浄土真宗の場合はお水を供えないなど)。他にも地域ごとの風習で、その地域ならではの品物が供えられるといったケースもありますので、持参する際は状況に応じた品物選びが必要です。

また、参列者がお供え物を持参した際には、自身の手で直接お供えするのではなく喪主に直接お渡しすることを心がけましょう。

四十九日のお供え物にふさわしい品物4選

四十九日のお供え物は喪主に渡していい?知っておきたい「のし」に関するマナーも解説02

生花アレンジメント

生花は冠婚葬祭のあらゆる場面で使用されるため、弔意をあらわすといった点においてもお供え物に適した品物といえます。葬儀の際に祭壇脇に飾られるような供花はサイズも大きく、見栄えのする豪華なものを用意しますが、四十九日法要で持参する際は、なるべく小さめにアレンジメントされた生花を選ぶようにしましょう。

昔はお花の種類について菊を中心とした和花が選ばれることが多かったのですが、最近ではカーネーションやユリといった洋花も選ばれています。また、故人が好きだったお花や庭先で育てていた特定のお花があれば、それらを持参してもよいでしょう。

高級なお線香や蝋燭

お線香の香りは場や心身を浄化させる意味合いがあり、一説では亡くなった方の食べ物に代わるものとされる考え方もあります。そのため、仏具店で販売しているような少し高級なお線香や蝋燭といった品物も四十九日のお供え物に適しています。

灯すことで良い香りがするものや煙の少ないお線香、お酒やお菓子のパッケージをもとに作られた蝋燭など、それぞれ種類もたくさんあるため、故人のイメージに合ったものを選んで持参してみてもよいでしょう。

日持ちしやすいお菓子

お供え物は基本的に「消え物」がよいとされています。そのため、お菓子も四十九日のお供え物として選ばれることが多いです。

その際は羊羹や最中といった和菓子からクッキーやマドレーヌといった洋菓子など、なるべく日持ちがするものを持参するようにしましょう。逆にあまり日持ちしない生菓子や加工品はお供え物に適していないため注意が必要です。

果物の盛り合わせ

果物は葬儀の際に盛り籠として飾られることもあり、四十九日のお供え物としてもよく持参されます。その際はあまりたくさんの果物が入っていても食べきれずに傷んでしまうため、供花と同様になるべくコンパクトなサイズの盛り合わせを選ぶようにしましょう。

お供え物として特に避けたほうがいい種類の果物というのはないため、りんごやオレンジ、梨、メロンといったものをミックスした盛り合わせで持参されることが多いです。

ただし、夏場や気温の高い時期で傷んでしまうことが不安な方は、代わりに果物の缶詰を持参してもよいでしょう。

お供え物を渡す際のマナーについて

四十九日のお供え物は喪主に渡していい?知っておきたい「のし」に関するマナーも解説03

「内のし」と「外のし」の使い分け

「内のし」はお供え物に直接のし紙をかけ、その上から包装紙で包むやり方です。一方で「外のし」は品物を先に包装紙で包んでから、のしとなるかけ紙をその上にかける方法のことを指します。

参列者として直接持参する際は、喪主から見て名前がすぐに分かるように「外のし」の状態がよいでしょう。逆に郵送をする場合などは、配達する過程で外側にかけたのし紙が破れてしまう可能性もあるため、「内のし」で送るようにします。

「のし」の表書きは濃墨で書く

香典の表書きでは涙で文字が滲んでしまったという意味合いを込めて薄墨で文字を書きますが、お供え物に記載する場合は濃墨で書いてしまって問題ありません。

「御供」「粗供養」といったのし書きと合わせて、出される方の名前も分かるようにフルネームで記載するようにしましょう。

仏式以外でお供え物を渡す場合は?

四十九日法要は仏式の慣習ですが、神道でも似たような慣習として「五十日祭」といったものを執り行います。そのため、仏式同様に生花やお菓子などをお供え物として持参しても問題はありません。

他にもキリスト教や無宗教といったケースもありますが、その場合は特に法事に近しい行事はないものの、お悔やみの気持ちとしてお供えするために、お菓子などの品物を持参しても構いません。

四十九日のお供え物の金額相場

四十九日のお供え物については、気持ちとして持参するものであるため、明確な金額の基準というのはありません。一般的に菓子折りや生花のアレンジメントといったお供え物を準備すると、3千円〜5千円程度になるため、それを1つの金額相場としてみてもよいでしょう。

ですが、特に親しい間柄でお互いに気を遣うことのない関係であれば、故人が好きだったお菓子や飲み物を何か1つだけ持参してお供えするといったことでも問題ありません。あくまで故人への供養や家族への弔意の気持ちを適切に伝えるということを大切にしましょう。

四十九日のお供え物は喪主に渡していい?知っておきたい「のし」に関するマナーの(まとめ)

四十九日法要のお供え物には、生花やお線香、お菓子、果物といった品物が選ばれることが多いです。それらを参列者の立場で持参した際には、仏壇や墓前に直接お供えするのではなく、喪主に直接お渡しするようにしましょう。

また、最近では品物を郵送することもあるため、「のし」に関しては「内のし」と「外のし」を適切に使い分けることも大切です。なぜなら、のし紙が破れていたり汚れてしまっていたりすると、対応が雑であると思われてしまうことがあり、故人や遺族への弔意の気持ちが適切に伝わらない可能性があるからです。

お供え物の金額としては関係性にもよるものの、3千円〜5千円程度を目安になります。しっかりと細かなマナーに配慮した上で品物を選ぶようにしましょう。

今日のポイント

  1. お供え物としては生花・お線香・お菓子・果物を渡すことが多い
  2. 「外のし」と「内のし」を適切に使い分けることが大切
  3. 四十九日法要のお供え物の金額相場は3千円〜5千円程度
葬儀相談葬儀相談見積はこちら

▲この記事をシェア

【監修】池原充子(終活専門相談員)

池原充子

これまでの略歴

身元保証 課程修了
エンディングノート講師 課程修了
遺言作成講師 課程修了
認知症サポーター 課程修了

兵庫県尼崎市出身
京都外国語大学中国語学科卒

葬儀に関連する記事

←「終活コラム一覧」に戻る
会員登録・ログイン
終活相談窓口 いい葬儀お客様センター
電話で相談する メールで相談する LINEで相談する 会員ログイン